北海道Tour23#0 今年も雨の釧路空港へ

赤が今回経路 灰色は過去経路

 北海道Tour22では文章を書くのに時間が掛かってしまった。別に大したことは書いてないのだが、そのあおりを喰らってその後のWebページ作成は更に遅れ、最後のIndexなど、写真をレイアウトして文を書いたのは四国Tour出発の4日前。こういうことではいけない。今年は早く文章を上げてしまおう。どうせ今年も大したことは書かないのだ。

 さて8月第1週、台風6号が沖縄西の海上に発生した。台風6号は速度が遅く、8月上旬沖縄から九州に居座り、10日西日本直撃とのこと。通過各所での被害が心配される。
 その週末、台風7号も東の海上、小笠原諸島の南海上で発生した。こちらは9日〜10日小笠原周辺、13日午後頃中部〜関東辺りを直撃しそう、ということだった。
 それとは別に、梅雨明け後前線が北日本に居座り、東北〜北海道の天気は雨基調で大変不安定なものとなっていた。週間予報が出た段階で、私が釧路空港に着く9日の鶴居と弟子屈で降水確率80%。のみならず、10日は弟子屈と中標津で100%。これじゃあ初日と2日目は走るわけにはいかない。更に民宿地平線に宿泊の直前確認で電話してみると、お母さんが「数日前は33℃、今はストーブを焚いている」と教えて下さった。根釧台地でそういう状態でもあまり驚きはしないものの、すかっと爽やかで快適な青空の根釧台地は期待できないかもしれない。

 北海道直前の毎年恒例イベント、都内某所の母の家へ自転車回送は8/5(土)。

 天気予報で都内の最高気温は35.9℃。ほとんど36℃である。最近去年より暑さ耐性が上がっているような気はしていても、さすがにこれはヤバい。

 しかし結論から言えば、当日は3時間掛けて都内横断したのであった。暑いというより熱くて疲れた。意外にも熱中症みたいな感覚は無い。まあ出力を上げなかったのでかなり遅いんだが。

 

 と思っていたら、後でデータをみると意外にも普段のペースとあまり変わらないのに驚いた。単に休憩に時間が掛かっているだけなのだ。経路は極端な裏道ばかりだから、気分でゆっくりとかどうなのかは全く関係無いのかもしれない。

 8月9日当日、4時半予約のタクシーは15分過ぎにはもう到着してくれた。即自転車を積み、出発すると、4時35分にはもう第2ターミナルに着いてしまうのだ。こういう便利さはもう毎度の事ではあるものの、常に思い出すのは初北海道の1983年も初自転車ツーリングの1986年(一応この頃から自分の旅を北海道Tour86というタイトルにしている)も、急行八甲田と青函連絡船で北海道まで10数時間かかっていること、自由席確保のため八甲田では上野6時間の並びと青函連絡船では到着前1時間のスタンバイと乗り換えダッシュ(重い荷物を抱えた乗客が全員ダッシュする)を経てやっと道内に到着していたこと、である。そして出発にタクシー代は掛かっても、今回は(も)航空券が往復ともマイルで只になっている。40年近くを経た現在こんなに楽に北海道に旅立てること、何より未だに北海道を旅することができていることには、初心を忘れず感謝し続けたい。

 等と思いながら朝の首都高湾岸線の景色を眺めて空港到着、手荷物カウンターの前で並び始める。今回は「あちらの方が受付が早く始まります」とのことで、5時に100m程度荷物を運んで移動する手間はあったものの、5時過ぎに無事荷物を預けることができた。いつも5時に手荷物の受け付けが一斉に始まるのにと思う。また、今回自転車は係員の方が来て袋と工具入れを開け、中身を丁寧にチェックされていた。私は北海道の出発日だと思っていても、世の中的にはまだお盆期間の土曜日3日前。空港としては繁忙直前の段階ということかもしれない。

 全部終わって、ロビーに空いている椅子は優先席だけ。頑なに電車の優先席には座ろうとしなかった故人の先輩ツーリストを思い出しつつ、まあおれも58歳だしね、等とも思いながらとりあえずかなり余裕がある優先席6時の空弁オープンを待つ。
 等と思っていると、ロビーのお客さん自体は例年より増えていない。九州・沖縄方面への便が、台風6号のためにほぼ全滅状態なのであった。現地の被害を想像し胸が痛むと共に、自分の旅行も雲行き次第でどうなるのかわからないことを痛感する。大袈裟じゃなく。

 その後離陸までは例年気を揉む遅れは無く着々と進行し、エアドゥANA共同運航便釧路行き71便は定刻通りに羽田を離陸した。例え自転車行程の運休が決まっていても、遅れが無いのは大変いいことだ。
 しかし機長アナウンスによると、釧路空港の天気は霧、気温は11℃。まあ釧路ではありうることだと思っちゃあいるものの、やはり嘘だろと自然に言葉が出てしまう。民宿地平線で聞いていた、ストーブを焚いているという話が理解できるような気がした。
 着陸前には珍しく上空待機のアナウンスがあり、到着遅れにやきもきしつつも飛行機がエンジン出力を弱めてふわふわ滑空するような感覚を味わうことができたのは楽しいことだった。実際には待機した時間は1分も無く、飛行機はすぐ着陸に向かい、飛行機を降りて定刻に手荷物検査所に到着することができたぐらいの快調な進行が続いた。
 それより着陸直前まで窓の外は完全に真白で、景色が見えないどころか雲の中の微妙な濃淡すら判別できないほどだった。雲だけを凝視しつつ、その中を何となく降りてゆくことだけを、体が浮くような感覚として感じていたら、突然30m位下に森が見え、すぐ滑走路が登場。いきなり着陸した。
 釧路空港はやはり視界100mぐらいの濃霧なのであった。こんな中でも普通に安全に着陸しちゃうのは凄いとは思うものの、自転車行程的には、まあ、諦めは着きやすいというだけの天気ではある。

 荷物を受け取って9時40分前。時刻的には大変順調なのは何だか皮肉だ。まあ、そういうものだろう。
 空港を出ると明らかに11℃という感じよりは高い気温のように思われるものの、やはり確かに涼しい。いつも眺める外の温度表示によると20℃らしい。身体を押さえていた熱気が抜けてゆく感覚が、いつもの釧路空港到着時と同じように感じられる。暑さはストレスなんだとつくづく思う。
 改めて見直す今日の天気は、午前中が降水確率50%、午後も30%。午後がちょっと悩ましいものの、それぐらいで終日雨だったこともいくらでもある。ましてや根釧台地。

記 2023/10/1

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Last Update 2024/2/26
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