北海道Tour23#1
|
|
荷物を受け取ったら速攻で乗車券を仕入れ、1台目が行っちゃったばかりの阿寒交通連絡バス2台目に乗り込み9:50、釧路空港発。
連絡バスは阿寒の丘陵から裾野の牧草地に続く国道240、釧路郊外から市街へと国道38を経由し、釧路市街の北側へ。霧雨が強くなったり弱くなったりする中、淡々と着実に脚を進めてゆく。雨粒は小さくても水分密度が高い窓の外を眺めていると、輪行の必然性がいつも以上に十分納得できた。居眠りしていなかったからか、全体にもう何度目かの初日輪行行程で気持ちに余裕があるのか、過去には全く意識していなかった大楽毛駅のバス停が、今回はちゃんと認識できた。
弟子屈とか標茶では普通の川として見慣れている釧路川は、釧路市内では大河となっている。その釧路川を渡ると、市街は釧路駅北側のエリアとなる。1983年の初渡道以来何度か釧路には泊まっている。印象深い時、どこからどこへ向かった時だったか忘れてしまったような時、それぞれ思い出と共に見覚えのある釧路の町並みは、そのまま、或いは時間の経過を感じさせつつ続いてゆく。
この間、バスの進行はいつもよりだいぶ速いように感じられている。こういうのはお盆休み期間の1日前であることが影響しているかもしれない。その印象通り、所要時間40〜50分という表示幅の中で一番速い40分で10:30、釧路駅前着。
|
たかだか自販機で乗車券を買うのに操作方法がわからないお客さんが列を作っていて、駅員さんが1名つきっきりで対応に難儀されていた。私もあおりを食らって、弟子屈(じゃなくて摩周)までの切符を買うのに6〜7人待ちで10分以上掛かってしまった。しかし次の釧網本線は14:15。近年の列車削減により、8:57の次が14:15になっているのだ。こういうところは慣れで行動できない点だ。
とにかく待ち時間は3時間以上。まず駅の食堂(UCCコーヒーの喫茶店)で、昔は日本食堂の食堂で定食を食ったんだよなあ等と思い出しながら早めのお昼にカレーをいただく。
その後は構内ではやることが無い。改札脇の売店で売っている、いわしほおっかむり弁当(美味しい)を横目に11:30にはもうホームに出てしまう。人気が無く静かなホームで、北側の側線エリアに高い草が生い茂っていたり、その外側で建物が歯抜け状態にまばらになった市街地を眺めて2001年にその辺に建っていた自転車屋さんでタイヤを仕入れツーリングの首が繋がったことを思い出したり、何故か結露してじとじとのプラットホームやカラスとカモメの声に釧路の霧を思い出したり。大変手持ち無沙汰ではあるものの、退屈な時間が少しづつすぎてゆくのが次第に感じられ、出発までの慌ただしさから落ちついた気分になっていること、少しづつツーリングの世界に戻れていることが何とも嬉しい。例え雨天運休でも、そして余り目新しくない訪問でも。
これだからプラットホームはいい。
しばらくがらんとしていた3本のホームに、12時半頃から帯広方面からのデクモ、根室行きのラッピングキハ40+キハ54、ノロッコ号、そして札幌からおおぞらが一気にやってきて、大変賑やかになった。
それらが去って賑わいが一段落した後、13:50頃、釧網本線のキハ54が入って来た。側面にルパン3世のラッピング、椅子は以前183系0番台の椅子だったのが確か500番台の椅子に交換され、更に今回は283系の発生品っぽいのに交換されていた。キハ54、台車も既に183系500番台の発生品(?)に交換されているはずだし、年を経てかなりの高グレード車に育っている(後で知ったが283系発生品シートはこの1両だけのようだ)。なかなかの高齢車になっているものの、ステンレス車体はなかなか頑丈そうだし、もう何年か働かされることだろう。或いはもう10年位したら普通に電気式に改造されちゃってるかもしれない。登場時は流用部品主体の更新車みたいなぱっとしない印象があったのに。いろいろな車両人生があるものだと思う。
若い運転手さんに自転車は後ろに置くように言われ、弟子屈(じゃなくて摩周)で後ろのドアも開くことを確認し、運転席に置かせていただく。幾多のトラブルを経たのか、単行ワンマン列車での自転車取扱も手慣れたものになっているようだ。まあ、自転車乗客も少なくなってはいる。
14:15、釧路発。釧路駅では何となく明るいようにも思えた空だったが、出発すると東釧路に着く前に、早くも辺りはどんよりと濃霧に包まれた。市街の外れから釧路湿原は完全に濃霧の中。しかし標茶手前から霧が晴れ、磯分内辺りで一旦青空と陽差しが現れるまでになった。霧が多少濃い気もするものの、いつものパターンかもしれない。
1時間以上の乗車時間が淡々と過ぎてゆくのもいつもの釧網本線釧路口の通り。この感覚は1983年から変わっていない。
15:30摩周着。そうか、駅名は弟子屈から変わったんだった。しかも変わってから20年経つかもしれない(30年以上だった)。釧路と違って空気が大変蒸し暑い。釧路や根釧台地と弟子屈の天気が違うのは当たり前のことだと知っちゃあいても、今日1日回ってきた各所の天気は一体何だったのかというぐらい暑い。
まあ、札友内まで大雨じゃないだけ感謝すべきだろう。宿で安らぎに辿りつくためにあと少しの辛抱だ。それに明日は走ろうと思っている。
記 2023/10/1
#1-2へ進む #0へ戻る 北海道Tour23夏 indexへ 北海道Tour indexへ 自転車ツーリングの記録へ Topへ