北海道Tour20#1
2020/8/6(木)釧路空港→開陽

赤は今回のの経路
地上最強の狭軌鉄道車両 JR北海道283系気動車 PENTAX K-1 MarkII HD PENTAX-D FA★50mm1:1.4 SDM AW

 9:25、釧路空港発。阿寒交通の空港連絡バスは山花から大楽毛、釧路市街へと粛々と進んでゆく。

 釧路駅前までは1時間5分。そんなにかかるのかという気はするものの、釧路市街の北側を回り込む運行経路なので、市街地で意外に時間が掛かってしまうのだ。一昨年乗ってわかっちゃあいても、低層の建物や住宅ばかりでやや抑揚に乏しい釧路市の市街地の風景が距離感覚以上に延々と続くのはじれったい。その間、乗客は最大でたったの3人、ターミナルまでの市街地で私以外の2人が降りていった。これじゃ阿寒交通もやってらんないだろうな。

 10:30、釧路ターミナル着。ターミナルと言いつつ、バスの到着位置はバスターミナル隣の街画だ。しかし、前回は確か2街区外側ではなかったか。何はともあれ印象より多少なりとも駅に近い場所で助かった。そして釧路市街へ入ってから、弱い雨はすっかり上がっていて、空には青空まで現れ始めていた。

 
 
北海道Tour20#1 2020/8/7(木)釧路空港→開陽 釧路駅にて #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA

 バスから荷物を降ろして4サイドとフロントバッグを左肩に、自転車は右手で抱え、いかにも昭和30年代の国鉄施設っぽい表情の駅建物までえっちらおっちら。ビルに辿りついても、切符売り場と改札は更に建物の中程だ。中廊下に面した食堂は記憶とは多少メンツが変わって今風になっている。しかし昔の日本食堂っぽい食堂は残っているのが懐かしい。
 厚床までの切符は自販機で仕入れ、次は駅弁コーナーへ。楽しみにしていたいわしほおっかむり寿司を、今回も問題無く仕入れることができた。釧路駅伝統の釧勝館かにめしは見かけなかった。しかし最近、確か東京駅で釧勝館のかにめしを何度か見かけたはずだ。厚岸のかき飯も、もう久しく厚岸駅では売ってないのに、東京駅では普通に買えるのである。とか言いつつも私が新幹線に乗り込む前に買うのは、可能な限りグランスタだ。2020年、全く恵まれた駅弁事情になってしまっている。

 などと妄想しつつ、荷物の重さは大変現実的だ。地下通路へ降りるのも根室行きが出発する予定の2番線に登るのも、エスカレーターに替わっていて助かる。そしてホームの自販機でkiosk銘のお茶を飲むことができ、間違いなく北海道に来ている気分になれている。

 根室行き快速ノサップ発車時刻、11:12までまだ30分。まだ誰も入場していないホームもベンチも待合室も何だかがらんとして、物寂しくも開放的で夏の旅まっただ中の気分だ。ただ、その気分は自転車ツーリングの休憩中か何かに味わいたかったようにも思う。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8
 
北海道Tour20#1 2020/8/7(木)釧路空港→開陽 釧路駅にて #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA

 向かいの駅ビル側のホームが壁、むき出しの建築設備など、何とも昭和30年代の国鉄風で古くさくハードボイルドだ。しかし誰もいない一人のホームは、中学生の頃から慣れ親しんだ居心地の良い旅の空間である。こういう空間に慣れてしまったために、一方で建築系の一般常識というものが、多少ずれてしまっていたかもしれない。

 いろいろ仕入れている間にも空の青い範囲はどんどん拡がって、陽差しまで射し始めていた。そう高くない雲も明るく、ホームの空気は生ぬるくやや蒸し暑い。これはどう見ても晴れということではないのか、走るのが正解だったか。いや、こういうのに欺されるようなおれじゃないぞ、と自分に言い聞かせてみる。釧路市街と根釧台地では、天気も気温も全然違うのは毎度のことだ。まあ根釧台地の方が天気がいい印象が強いのではあるが。

 等と思っているとスーパーおおぞら3号が入線してきた。本来JR北海道最速の気動車283系を、じっくり拝ませていただく。

おおぞら入線 PENTAX K-1 MarkII HD PENTAX-D FA★50mm1:1.4 SDM AW
振子復活熱望 PENTAX K-1 MarkII HD PENTAX-D FA★50mm1:1.4 SDM AW
 

 そうこうしているうちに乗客や鉄がだんだんやってきて、2番線にも根室行きのキハ54が入って来た。

 11:12、快速ノサップ釧路発。天気は厚岸まで明るい薄曇りか晴れだった。上尾幌までの車窓に拡がる鬱蒼とした広葉樹林、尾幌辺りの牧草地、そして門静からは広々とした太平洋。過去の訪問を思い出す。これは晴れ予報でもおかしくないのにね、と思っていると、厚岸・糸魚沢間の湿原辺りから急に薄雲が空に拡がり、根釧台地に乗り上げるまでに雲が降りてきて、風景全体が薄暗くなってしまった。そして茶内では路面が黒々と濡れていた。

 12:39、厚床着。

北海道Tour20#1 2020/8/7(木)釧路空港→開陽 厚床駅前にて #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA

 あてにしていた13時台の中標津バスターミナル行きが廃止されてしまっていた。幸い15:15の中標津バスターミナル行きが残っていてくれていて、中標津BT着は16:35。朝、石川さんに全輪行で中標津に向かう旨をお知らせしたとき、中標津BTに16時〜17時ぐらいに迎えに行くとのことだったので、これなら問題無い。その後温泉直行のパターンなんだろうな。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 厚床は辛うじてまだ雨が降っていない。空気は思いの他からっとしているようでこのまま持ちそうな気もするし、今すぐ雨が降ってきても全然不思議なことは無いようにも感じられる。天気予報を確認すると、降り始めが釧路で見たときより全体的に遅くなっていて、ここ根室市、別海町とも14時から。特に15時は降水量4mm、標茶町は時刻、降水量とも変わっていない。中標津は16時台から曇りに変わっていた。今から走り始めれば、確か中標津までは50kmちょっと。13時半スタートで3時間弱として16時半、中標津市街から民宿地平線まで1時間だから17時半には着けるということになる。しかし標茶町の雨がこれなら、輪行決定は間違っていない。そして別海の雨が4mmも降るのなら、やはり今から好んで走り始める選択は無いだろうな。
 一方、明日の天気は9時に雨が上がってその後夕方は晴れ、全体的に良くなっているではないか。朝の内の雨がやや気になるものの、これなら久しぶりに202kmにチャレンジしてもよさそうである。出かけてみて雨が強くて止まないようなら、戻って来ればいいだけだ。気楽に行こう。

 バス発車後、天気予報は怖ろしく正しかった。14時までに空はどんどん暗くなり、一雨来るのが充分納得できた。そして別海過ぎから雨が降り始めた。走らないで良かった、と心から思えた。

 

 17時過ぎ、石川さんに拾って頂いて中標津BT発。町営温泉に入ってから18時前温泉発、何だかんだで19時前に民宿地平線に到着。初日から全輪行になってしまったものの、何とか初日の宿に着け、明日のことを考えながら布団に入ることができる。

 今日は早々に運休を決めてしまった。実際に現地に来てみてそのこと自体は後悔しちゃあいないものの、貴重な旅程の1日が丸ごと、しかも初っぱなから輪行になってしまったのが、1日ややすっきりしなかった。
 そんな気分で厚岸、別海、中標津と移動し、バスの中から天気の推移を眺めた結果、3時間おき予報では曇り、1時間予報では雨マークで降水量0mmという天気予報の実態が何となく理解できてきた。大雑把に言えば、降水量0mmとは霧雨以上雨未満というか、それが1時間ずっと続くわけでもなさそうな状態っぽい。
 そういう観点で明日の天気予報を再確認すると、標津・別海・浜中・厚岸で7時〜12時まで雨マークが付いていて、8時9時は降水量1mmだが他は0mmとなっている。中標津と標茶は11時12時が雨でそれ以外は曇り。これなら、午前中雨がまともに降りそうなのは8〜9時台の2時間。202kmコースに出かけた場合、全体として雨具があれば午前中ある程度我慢するだけで凌げる、ということのように思える。そう考えると、3年連続で行けてない根釧台地202kmコースに再訪できるチャンスなのかもしれない。
 とにかく明日の朝は4時から出発準備を進め、5時台に外が問題無ければ出発してしまえ。この辺は山裾のせいか、他で降ってなくても毎回雨っぽく、出発して少し下るだけで雨は上がる、というのがよくあるパターンだ。 もちろん現地で雨が全然弱まらない、という場合だって充分考えられる。そうなったら中春別辺りで道道11沿いのセイコーマートにしけ込めばいい。雨が止まなくても午前中うだうだして、午後雨が弱くなったらのんびりアドリブで帰ってこよう。

記 2020/10/16

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Last Update 2021/2/28
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