北海道Tour19#1
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一旦路面は完全に乾き、何だか軽い風まで感じられていたのに、下雪裡で道道53から道道243に分岐して次の丘に登り始めると共に、再び霧雨が辺りに漂い始めた。
今度のは密度が濃く、あっという間に服がしっとり濡れ始めたので、遂に観念して再び雨具を着ることにした。
出発前にモンベル純正洗剤で洗濯し純正撥水剤により説明書通りに処理した上で、近所のコインランドリーで熱乾燥し、その場で小さく折りたたんでくるくる巻きにした6年物の雨具。雨具を広げるとともに、東京の暑かった空気が漂ったような気がした。
雨具の調子は。さすが純正処理だけあって撥水性と通気が抜群だ。今回で雨具を買い換えるつもりだったが、これならまだまだ行けそうな気になってきた。まあしかし、よく見ると表面層と内側の層が分離しかかっている。やはり一杯一杯かもしれない。
12:35、2004年に一度泊まったきりの町営どさんこ牧場通過。今も営業しているのかどうか、近年は確認したことすらないが、ステーキがとても美味しかったのが印象的な宿だ。今ならちょうど食事に寄ってもいい時間帯でもある。
しかしまあ、釧路空港→開陽のパターンでここに立ち寄る余裕は無い。それに標茶まで保たせるつもりで羽田空港で弁当を2つも食べてしまっているので、腹がまだ減っていない。
どさんこ牧場に昼食に寄ったり、下幌呂のまきごやを再訪するためには、旅程をがらっと変える必要があるんだろうな。
北海道Tour19夏#1 2019/8/8(木)釧路空港→中標津 北海道阿寒郡鶴居村下久著呂にて 道道243 #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA |
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クチョロ原野でコッタロ展望台・塘路方面へ向かう道道1052と交差し、道道243はコッタロ湿原への丘越えへ登り始める。
かつてこの辺では珍しかった細道は、2020年目前ともなると大半が拡幅済みとなっている。しかし相変わらずくねくね気味の線形と頭上を覆う密森、そして茂みから押し寄せる吸血昆虫ども。往時の面影は充分残っている。
丘の上で鞍部区間がしばらく続くのも特徴的で、標茶まで近づいていることを感じさせてくれる道だ。
もう標茶手前だと思っていると、下りきったヌマオロの先にはまだ2回半ぐらいのアップダウンが残っていて、標茶への距離感も修正されるのであった。
沼幌橋の手前で路面が乾き始めた。風が吹き始め、一気に雨も止んだ。相変わらず雲は暗く低いものの、空と空気の雰囲気が何だかがらっと好調に変わり、もうこれで標茶までは大丈夫だと思えるぐらいになった。
国道391合流手前、裏道に建つ味幸園温泉の看板が新しいものに変わっていて、前を通過する時に敷地内からお客さんらしき車すら出てきた。丘陵の狭間で住民が少なく、国道が通過しているだけの印象しか無い、観光的に全く引きを感じられない場所に、純地元向け温泉が賑わっているのは嬉しいことである。
腹が減り始めていたので、ほんのちょっと戻ればいいだけの五十石方面の農道経由すらもう止めて、最短距離の国道391経由で標茶へ向かうことにした。
どうしてもそれとなく国道っぽい道の表情は仕方無いとして、交通量はそう目くじらを立てるほどのものではない。
それに追い風だし、朝に一杯食べておいたお陰で釧路空港からここまで保たせられて良かった。
14:30、標茶着。14時半には標茶を出発したかったという希望出発時刻での到着であり、開陽台に向かうには明らかに延着気味だ。というより今日も開陽台は無理だろうな。そもそも、この雲の低さでは無理して開陽台に向かう気にもならない。むしろこの際先を急ぐよりしっかり補給しておく。せっかく北海道まで来てから初セイコーマートなのだし。
パック野菜、トウキビ、おにぎり、プリンにヨーグルト、そして水。いい歳をして軒下の縁石に腰掛け、喉を通りそうなものから片付けてゆく。余ったものはサイドバッグに入れればいいと思って、予備も含めてやや買いすぎたかもしれない。しかしそんなことはどうでもいい。明日か明後日食べてしまえばいいと言うだけの話だ。セイコーマートのいつものメンバーが何だか無性に嬉しい。また北海道ツーリングに来れているのだ、と実感できる。薄暗い空の下、涼しいと言うより薄ら寒い風が吹いていて、移動せずにじっとしているのが大変居心地良い。
記 2019/10/14
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