北海道Tour18#9
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4時半過ぎも、裏手の森の風の音は鳴り止んでいなかった。部屋はやや冷えていて寒い。ヒーターを点け、なんとなくぼうっとして身体を起こし、目を覚ます。
5時過ぎに下に降りてみた。牧草地に凄い雨が降っているのが見えた。明日はようやく晴れるらしい。今日はもう出発せず、今日明日連泊予定の美瑛ポテトの丘YHを一晩キャンセルして、ファームイントントに連泊してみたらどうなのか、とも思う。まあYHは当日のキャンセル料金100%だし、人の道としてそういうことはしたくないという気持ちがある。
等と妄想していたら、ニュースでJR北海道の運休情報が出た。特急スーパー北斗・スーパーおおぞら・とかちに運休が出ている。スーパー宗谷とサロベツは幸い何ともない、今のところは。
朝食まであと1時間ちょっと、昨日荷物をあまり広げていないので出発準備はほぼ終わっているし、バスが来るまで2時間以上。こういう風にぼうっとできることこそ、夏休みの贅沢な時間の使い方だ。
7:40、デマンドバスでファームイントントを出発、8:10美深着。
9:04のスーパー宗谷に乗る気満々で美深に着いてみれば、8:21に名寄行きの普通列車が出るではないか。よく考えたら普通列車で充分なのだ、今日の行程は美瑛まで全輪行なのだから。いや、しかし折角宗谷本線に来たのだ。ここでしか乗れない無印261系には、今乗らねばならない。
というわけで初心貫徹で9:04、スーパー宗谷で美深発。
美深から名寄でもぐいぐい力強く走る261系は、名寄から旭川の高速化改良済み区間で、何かに取り付かれたように更にスピードを上げる。スーパー宗谷では毎回、この走りが楽しみだ。本当はこの区間は130km/h対応であり、無印261系はもともと最高運転速度130km/hなので更に凄い筈なんだが、いやいや速度制限状態の最高110km/hで充分魅せてくれる。
10:14、早々に旭川に着いてしまった。
旭川では雨はすっかり止んでいた。しかし、空は薄暗く辺りは肌寒い。美瑛方面の空(見えている辺りが美瑛上空じゃないことはわかってます)は更にますます薄暗い。そして美瑛手前の西神楽辺りまで、街中〜郊外が続くことはよくわかっている。チャンスを惜しんで走るような状況ではない。
荷物をコインロッカーに入れ、街中のラーメン屋「蜂屋」へ向かうとする。蜂屋でまず1杯、文句無しに美味しい。
もう1杯は駅方面に戻って目に付いたお店に入ってみたものの、実は以前入ったことがあって次回は蜂屋で2杯にしようと思ったお店だった。そして今回も、蜂屋で2杯食べた方が良かったかもしれないと思った。
富良野線までまだあと1時間強。もうおとなしく旭川駅へ。南口というのか駅の裏手側広場に、自転車を組立始めている人が見えた。そうだよな、雨が降ってないんだから走ろうと思っても不思議じゃない。しかし美瑛方面の空は何だかゲリラ豪雨っぽく霞んでいた。美瑛は20数kmも先なので、あれがゲリラ豪雨だとしても美瑛の大分手前だろう。しかし、やはり走り始めるような状況じゃない。
12:30、旭川発。あっという間に13:10美瑛着。
駅前広場は強風が吹いていて、あの暑い美瑛が震えるほど寒い。そしてこんなに寒くても、昨年と同じく農業祭りが着々と準備中なのであった。そりゃあ1時間42mmの豪雨にも負けない祭りなのだ、この程度の寒さと風ぐらいじゃ何ともないんだろう。
YHのチェックイン開始は15時。自転車を組み立ててYHまで走る時間はあるが、寒くてやる気が全く出ない。少し時間を潰した後、13:45分前におもむろにタクシー輪行でYHへ。
運転手さんによると、今日は地元基準でも寒いらしい。何と大雪山系の黒岳が、8月中旬にして初冠雪とのことだった。そういう年もあるという程度のできごとらしいが、何だか道東からここまで続いている今年の異常気象にとどめを刺され、完全に諦めが付いたような気がした。
美瑛ポテトの丘YHには14時に到着。まだYHには入れない。こちらも晴れる予定の明日のために、輪行袋から自転車を出して組み立てる用事を残している。ゆっくりだらだらやってちょうど1時間ぐらいだろう。
お陰でゆっくり自転車を組み立てた後、ちょうど15:00にチェックインすることができた。
お風呂の後、またもや食堂でビールとする。いい気分で時々外に出てみると、空が晴れ始めていた。天気予報通り、やっと明日は晴れるのだろう。しかし、やはり外は寒い。
そんな寒さを余所に、夕食は毎度の美味しさとボリュームなのがしみじみ幸せである。
記 2019/2/28
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