北海道Tour18#8
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ホテルの部屋では外の雨音は全く聞こえないが、迷うこと無く5時まで朝寝し、起床してからまずは温泉へ。のんびりゆっくり朝食と荷造り等毎朝のノルマを終え、もう一度温泉に入ってやっと8時。行程を諦めて腹さえ括れば大変豊かな良い気分である。
8時だろうが何だろうが窓の外は雨、かなりどんよりと薄暗い。TVニュースによると、旭川では既に今日までの雨で8月の平均降水量を超えたとのこと。西日本の豪雨や全国的な猛暑を考えると、涼しいだけまだましとも言える。
中川駅まで1kmちょっとぐらいではあるものの、雨の中自転車で移動するなら荷積みは必要だ。晴れなら、サイドバッグは担いでしまうという手があるんだが。等と思いながら9時半に1階ロビーに降り、宿裏手の軒下に停めておいた自転車をポーチまで移動し、荷積みを開始。荷積みする間、外がとても寒い。2号車よ、一晩外で済まなかったね。
10:15、ポンピラアクアリズイング出発。町中のスーパーに寄って行動食を仕入れ、天塩中川駅へ。2014年に現在の駅舎に替わったという木造駅舎の待合室に自転車を入れさせていただき、輪行作業を開始。途中旭川行きから乗客が降り、散り散りにどこかへ消えていった。
自転車を畳んで荷造りしてしまえば、こちらは12:34の名寄行きまでやることが無い。じっとしていても、ツーリング中なのですぐ腹が減る。こういう時にスーパーが近い駅は、カップ麺やスナック菓子などすぐに仕入れることができて大変有り難い。
12:34、天塩中川発。雨の中をやってきた、名寄行き各駅停車のキハ54。ステンレスの地肌がぎらっと金属的ながら、無口で頼もしい奴だ。その車内も、今日は雨天で無口な旅行者達の溜まり場だった。いや、彼ら旅行者は、いつも無口かもしれない。
13:53、美深着。
輪行で美深に着いたら雨が降ってないいつもと違い、今日は美深に着いても大雨が降っていた。全輪行の選択は正解だった、と確信できる。
待ち時間は17分と意外に少ない。14:10、デマンドバス第3便で美深発。
デマンドバスには珍しく仁宇布まで同乗のお客さんがいた。しかもお客さんは保育園児で、仁宇布トロッコ乗り場でお母さんが働いているお子さんらしかった。可愛らしい男の子は、出発前に運転手さんと少し話した後、すぐに寝てしまった。そしてデマンドバスがトロッコ乗り場に着くと、頭をだらんと垂らすほど熟睡した状態で、お母さんが抱き上げていったのが大変微笑ましかった。
仁宇布も大雨である。14:40、ファームイントント着。
到着後、早々に風呂に入ってしまい、15時半前には食堂で、雨の薄暗い牧草地を眺めながらビールをいただく。更に大雨の道道120の志美宇丹、上徳志別、大曲〜天の川トンネル〜フーレップ川の谷、そして西尾峠など想像する。そして、
「しかし、自転車には走らないという選択があるのだ」
等とつぶやいてみる。いや、そういう選択があるのは私だけかもしれない。
明日の天気も、下川と士別と愛別で終日雨。12-18時までは降水確率60%以上に達している。美瑛では12時〜18時まで降水確率30%なので、美瑛駅から宿まで走るという選択は有り得るかもしれない。でもまあとにかく、もうこの時点で仁宇布から美瑛まで全輪行決定なのである。早々に7:40のデマンドバス第1便を予約してしまう。出発が7:40でいいなら、ファームイントントの朝食も6時半でいい。
等と考えたり諦めたり段取りして安心しつつ、サッポロクラシック大瓶を1本、更にもう1本。食堂の外、仁宇布の牧草地は雨で薄暗いが、気分は大変に良い。それにしても外は寒い。17時頃には、気温は13℃まで下がってしまった。当然の如く、食堂にはストーブが焚かれている。東京に、少しはこの涼しさがあればと思う。
夕食後部屋に戻ると、外の風が強まっていたようで、森のざわざわ鳴る音がしていた。こちらは大好きな宿の暖かい部屋で、柔らかい布団で寝ている。一旦楽しむことができれば何てことはない、なんて贅沢で有り難い旅なんだろう。
記 2019/2/25
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