札友内→美幌峠
(以上#5-1)
→美幌→北見
(以下#5-3)
→瑠辺蘂→生田原
(以上#5-3)
124km
RIDE WITH GPS
美幌峠名物、両線付近の笹原が森に変わる辺りで、あまりの視界の無さに下り速度を抑えたくなる程だった濃霧が、視界100m程度に多少薄くなった。
しばらくその状態で霧は安定しつつ漂った後、標高330m、依然として続く森の途中で、ガスが引くように晴れた。
昨日まで、天気がもう少し良ければ、美幌から津別へ向かってチミケップ湖を目指すつもりだった。チミケップ湖に寄るとしても、札友内→生田原は160km弱。湖畔で多少うだうだしても、生田原へは楽勝で18時までに着けるだろう。しかし、チミケップ湖は標高400m。今、標高330m辺りに雲が溜まっている霧状況を見ると、チミケップ湖でも少なくとも確実に晴れることは無いように思われた。
標高250mぐらいまでは森の中だったのが、古梅で畑が、続いて集落が登場。
下り斜度は次第に緩くなってはいたものの、淡々と安定した下りが絶えず続いていた。この手の道でありがちな小さな登り返しがほぼ全く現れないのは、この道の大きな特徴だと思う。
このため追い風に乗じ、軽く脚をくるくる回すだけの経済走行で、大変快調なペースでどんどん脚を進めることができた。逆にこの道を登りで美幌峠へ向かった時は、この緩い斜度で延々だらだらと続く登りが、大変にかったるくていい加減嫌になった記憶がある。
古梅から道の両側に始まった白樺並木は、断続しつつも最終的に美幌まで延々と続いた。誰がどういう意図を持ってこの並木を植えたのかはわからないものの、私的には美幌峠より余程国道242の見所だと思う。
空には相変わらず低めの雲が垂れ込めているが、遠景の山裾は意外に澄んでいる。しばらく雨が降ることは無いように思えた。とりあえず今この場所においては、朝の雨からは完全に逃げ切れたようだった。
8:35、美幌着。ここまで降りてくると雲はやや高く、空は全体的に明るく、そして辺りはむっと感じる程、かなり暑くなってきていた。さすがは北見地方、根釧台地とは全く気温が違い、普通に夏っぽい。それでも劇的に天気が良くなってきたというわけではない。
例によってセイコーマートを探して小休止。チミケップ湖はもうあまり悩まず割愛することにした。ここ3年連続でチミケップホテルに泊まったのに、結局晴れのチミケップ湖には会えなかった。余程下界が晴れてないとねー、などという気にもなろうというものである。
さて、次は道道112で北見盆地へ。
道道112は、美幌から北見へ向かう幹線国道の国道38と、活汲峠の道道217の中間に位置している。距離的にはそう大回りではないものの、やや狭い谷間からの標高差100m台低山登りが2回。近年ダート舗装が完了し、大回り気味のルートだった道道217から距離の短いこちらに車が移行して交通量はやや多いと、昨夜橘さんは仰っていた。
ツーリング上、一見何も脚を向けるべき特徴や通るメリットが無いその道道112が、私は長年気になっていた。1989年、美幌から北見へ向かった時、何の気なしに選んだ道がいつの間にかダートに変わって、えらく難儀したことがある。当時、この辺の1/5地形図はまだ持っていなくて、1/20万地形図のひょろっとした細道を何の気無く選んだ結果だった。もっと言うと、果たして実際に通った道が地図上のその道だったかよくわかっていなかった。余程心細かったのか線形を全く覚えていなくて、後で1/5万を見直してみても自分の通ったコースが確定できていなかったのだ。
実際の道道112は、2回の低山のうち1回目は全くの新開通ルートだった。真新しい橋で取付の裾野を飛び越し、稜線へ一直線の、視覚的にうんざりするような直登の道に、記憶を辿る余地は全く無い。
しかし、2つめの峠部分手前で、以前どこで撮ったのか全く覚えていない89年の写真と同じ風景が現れたのには驚いた。この道をやはり自分は通っていることを確信できた瞬間だった。
長年の疑問解決が嬉しい訪問ではあったものの、道道112は全体的に車は多く、今後はもう通ることは無い道だとも思った。
2回目の低山から北見盆地へは、開けた畑の一直線の下り。広くない谷間の登り下りでやや閉鎖的な風景が続いた末の、空を感じさせるような開放感に、曇ってはいるが気分は悪くない。
下りきる直前で、一昨日民宿地平線で組んでおいたGPSトラックに従って、畑の中から常呂川のほとりへ。
十勝オホーツク自動車道の脇を掠めたり一番川原沿いの道を繋いで、交通量の多い道を避けて段階的に裏道を経由し、広々とした北海道っぽい畑の中から若松大橋で常呂川を渡ると、辺りはいきなり北見駅裏手の市街地へ。
住宅地の裏道から交差点の横断歩道、いきなり街の真っ只中に入り込んでいるのが何だか可笑しい。
10:10、北見市緑町交差点通過。さすがは市街地、薄日が射し始めた。気温はまだ22℃ぐらいかもしれない。しかし日差しが出た途端、鋭い日差しに炙られるように汗が出始めた。この際ポロシャツも脱いでTシャツ一丁になる。ストーブが当たり前の低温続きだった道東以来、北海道で初めて暑さを感じるようにはなったことが感慨深い。それでも、熱中症になりそうにくらくらな暑さの北見盆地からは程遠い。北見でもこの程度なのだ。
記 2017/11/16
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