北海道Tour17夏#3
2017/8/11 雨の民宿地平線

赤は本日の経路 濃い灰色は既済経路 雨の民宿地平線 PENTAX K-1 smc PENTAX-FA31mm1:1.8AL Limited

 4時に起きてはみたが、まだ真っ暗な窓の外に、明らかな雨の音が聞こえる。もう窓も開けず、半分寝ぼけたままでスマホで天気予報を確認。相変わらずの9時まで雨、15時以降雨なのを確認し、2度寝へ。

 次に目が覚めたのは5時。なんだか窓の外が結構明るい。ややっ、これは判断を誤ったか。しかし窓の外を見ると、コンタクト無しの裸眼0.03状態で雨脚がわかるほどの雨が降っていた。防風林が揺れていることから、やや強めの風も吹いていることがわかる。窓を開けたら、牧草地に雨音が響いていた。草に雨が当たっているのだ。
 心から、やはり今日は走るのを止めて良かったと思える。天気予報よりよく当たる石川さん予報、今回もばっちり的中の「ざーざー降り」だ。

 目が覚めてしまったので、ツーリング生活のリズムは守るべくとりあえず5時半過ぎから朝食。のろのろと202km出発用の朝食各アイテムをゆっくりゆっくり食べ、7時半から2度寝へ。腹に物が入ったためか、眠ることに苦労しない。
 横になって次に気が付くと9時過ぎだった。完全に気が抜けている。階下の広間に降りてコーヒーを頂いたものの、石川さん、女将さんとも用事で午前中は外出してしまっている。シーンと静まりかえった家屋の2階に引きこもり、2度ほど居眠りする度30分ぐらいが経過した。寝返りを打つとなんだか身体が痛い。明らかに寝過ぎである。寝ようと思えばいつでもすぐに眠れてしまう。
 だが、やることが無いわけじゃない。今後のオホーツク内陸に道北、あまりよく考えていなかった区間のルートラボを組むのに、今回から装備に加えたLet'sNoteRZ6がとても使いやすい。昨年までのVAIO TypePは小型だったので携帯にはうってつけだったし、キーボードがこの手のPCにしてはなかなか良かったが、横長画面は諸作業には致命的に使いにくかった。そしてWindows7の起動までは問題無かったが、その後何かと動作や反応が遅く、ルートラボを開くまで、そしてたかがテキストエディタにATOKで文章を打つのだけでもストレスが溜まるほどだった。
 RZ6は一見地味で目立つところは何も無いのだが、使い始めると大変に使いやすい。持ち歩くにはこれ以上大きくしたくない、そして使い勝手上はこれ以上小さくできないぎりぎりのサイズ、文書作成ぐらいなら全くストレスの無い動作、LTE搭載でネットすいすい、それでいて電池の持ちがいい。更に通常の今時PCより画面が縦長になっていて、私がやるような文章書きやWeb地図でのトラック検討などに大変使いやすいのである。持ち歩いて使う、ぎりぎりの所が突き詰められている。ただし値段はかなり高い。使ってみれば納得の製品ではあるが。

 お昼前に石川さんが、そしてお昼に女将さんが帰ってきた。13時過ぎ、そろそろ作業にも厭きてきたところで、石川さんが「100kmコースに行きましょう。その後で温泉へ」と声を掛けてくださった。渡りに船と、喜んで温泉の準備をして車に乗せていただいた。

 まずは道道150を南下して町道へ。計根別の北までは、去年民宿地平線から鱒やへ向かった時に通った道の通りである。

 

 相変わらずまだ雨は降っていて、結局今日は1日じゅう雨なのだ、と思った。少し経つと雨はとりあえず上がったものの、かなり霧っぽく薄暗く気温は見るからに低そうだ。俣落の先、地形は山裾の道道505より余程ダイナミックに変化し始める。根釧台地山裾の平面に溝を掘る川の谷間が、より下手で谷の溝だけが深く広くなっているのだ。中標津山裾の道の起伏が川によるものだということが、よく理解できる。地形の変化に伴い、道も一直線が続くだけではなく、カーブと空間の変化を伴ってゆく。たとえ空が低い雲に覆われて、遠景の知床山脈が全く見えなくても。

 「あそこが計根別です」と石川さんに教えていただいた。その気になれば、100kmコースでは計根別への立ち寄りは可能なのである。そして計根別にはセイコーマートもある。

 計根別の市街地を森の向こうに何となく眺めながら、少し先でコースは90°方向を変えて南下区間へ。202kmコースでは根釧台地の一番縁、泉川の丘陵横断アップダウン区間に相当するパートである。

 100kmコースでは大分内側の、ほとんど谷の横断が無いフラットな台地上を南下してゆく。道沿いに点在するコンクリート構造物の遺構は、旧日本軍の航空施設のものらしい。この道は確か通ったことがあるかもしれない。いや、計根別へ続く道道311なら、確かに何度か通っているはずだ。

 中西別の外れまで南下して、今度は東向き区間へ。虹別・別海間の国道243と虹別・中標津間の道道13の中間地帯である。外様ツーリストの私には、虹別・中標津・別海の3角地帯を東西へ向かった記憶が全く無い。根釧台地の拠点間の中間部になってしまってなかなか通る機会が無いのだ。
 豊原には郵便局・地区会館がある。ここには自販機もあることを直々に教えていただく。202kmコースにあまりに補給ポイントが無いという反省から、ここを経由するようにコースを組んだとのこと。

 道道8をクランク状に渡って、コースは標津低地の北上区間へ。202kmコースの1本内側であり、少し内陸だからか、この区間の広々とした202kmコースに比べ、アップダウンは多めだ。やや彫りが深い地形をまともに横断してゆくような道である。

 コースが中標津に近づく終盤で、やっとすれ違う車が増えてきた。そう言えば例外的に計根別手前で追い越し車1台の他には、ここまですれ違う車が全くいなかった。

 

 中標津で、コースは大規模スーパー東武サウスヒルズの駐車場を経由する。駐車場というか、駐車場車路のような道が実は公道、というかなりマニアックで珍しい道なのだ。人の生業が道沿いに拡大してゆく中標津ならではの現象かもしれない。こういうところもさすがのチョイスであり、100kmコースは様々な見所がぎゅっと詰まっている、202kmコースとまた違う味わいの密度の濃いコースであることがよく理解できた。更に作成中との、130kmコースにも大きく期待できる。

 100kmコース完走という趣旨で、最後は開陽台へ。この後町営温泉に入るとすると、一度民宿地平線まで往復するのと変わらないコースになってしまうものの、まあ車だし。私としては、折角中標津に来て、曇りでも雨でも霧でも開陽台に行けることは大変嬉しいことだ。

 中標津の町中では、空は暗いものの一応遠景は見通せるというぐらいに空気は澄んでいた。それが山裾に向かうに連れ、見る見る空気中の水分が増えて霧が立ちこめ、俣落ではもう視界300m程度。

 そして開陽台まで登ると、視界は50〜100m程度の濃霧となった。もちろん根釧台地の眺めどころか、近くの森すら見えない。

視界数10mの開陽台駐車場 展望台に登る気がしない RICOH GRU GR18.3mm1:2.8 パノラマ合成
 

 明日も天気予報が全く冴えない。山側には相変わらず雲がしつこく溜まっているのだろう。それが昨日からの同じ傾向だし、明日の朝開陽台を訪れても多分似たようなものだろうと思われた。そして、今年の夏の開陽台には何となく諦めが付いた。こういう年には毎年思うことだが、これも夏の根釧台地なのである。

 民宿地平線にはもう戻らず、俣落のひまわり畑を眺めてから町営温泉へ。

俣落のひまわり畑 今日は曇りで低温でやや寂しげ RICOH GRU GR18.3mm1:2.8 パノラマ合成
 

 温泉では風呂上がりに生ジョッキと若札内若鶏唐揚げを頂いた。やはり唐揚げの量はかなり多い。しかし今年は持ち帰り用の焼きそば透明ケースをいただいたので、全く焦らずに唐揚げを美味しく頂くことができた。
 明日の予報は曇り、15時以降中標津で雨。標茶〜弟子屈では逆に朝雨で午後は曇り、夜から雨になっている。中標津から弟子屈へ移動するには都合がいい。とは言えここ数日の傾向をみていると、あまり冴えない天気であることは確かだと思われた。あまりうろちょろせずに早めに札友内に行こう。とりあえず朝は、通常通り早出スタートを予定せねば。

 ということで、温泉の後は今日もセイコーマートへ。そして今日もめでたく豚丼を入手できた。

記 2017/10/18

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Last Update 2020/3/17
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