開陽→(道道150)養老牛→(道道885他)萩野
(以上#4-1)
→(国道243)仁多→(農道他)弟子屈→(道道717)札友内
→(国道243)屈斜路→(農道)ウランコシ
(以上#4-2)
→(道道588・林道)津別
(以下#4-4)
→(国道240)本岐→(道道494)チミケップ湖
134km
RIDE WITH GPS
そう長くない取付の直登区間では8%ぐらいの坂が続き、既に汗だらだらだ。何とか耐えて森に辿り着いても、やはり7〜8%の厳しい坂がしばらく続く。時々振り返ってみるとけっこうな下りが見え、自分でも4サイドでこんな坂登るもんじゃないよと思う。
しかし、曲がりなりにも毎年この峠を登っているのだ。シフトチェンジのタイミングを逸した去年の教訓を活かし、つづら折れの折り返し辺りからもうインナーローに落としてしまう。また、この峠で、私は虫がいたとか森が綺麗だとか時々言い訳を作って脚を着くことも覚えてしまっている。
汗がだらだら流れるものの、水に不足は無いし、木漏れ日の森は照り返しからは開放されて、下界の畑よりはかなり涼しいと思える。
昨日の寝不足はあるが、展望台まであと600m前後、これなら今回は確実に登れるという気がしてきた。
そして標高400mぐらいまで耐えれば、その先は森から涼しい風が吹いてきて温度の負荷が少なくなり、更に斜度にも緩急が出てシフトアップまで可能になる。石の上にも3年。いや、捨てる神あれば拾う神あり。いや、渡る世間に鬼は無し。あまり適切ではない例えを探しつつ、どっちでもいい思考に自分が何だか可笑しくなる。やはり楽しい津別峠である。
身体が楽になったなと思っていたら、いつの間にか空が再び曇り始めていた。標高450〜600mで森の頭上が開けたものの、終始薄曇りで日差しが時々現れる程度。
峠まで最後の折り返しから再び一登り。峠へ続く稜線はすぐそこなのに、視覚的にも如実にわかる程、何だか一気に斜度が上がるのだ。再びインナーロー(ちなみに28×28)を投入し、ゆっくりゆっくりではあるが着実に登ってゆく。これも毎度の事だ。
12:10、津別峠着。睡眠不足の影響は心配していたほどじゃない。そして去年よりだいぶ調子良く登れている。
少し水を飲んでおにぎりを補給後、12:15、津別峠発。
インナーローでふるさと林道へ。10%超の直線は、何より見上げる風景が視覚的に大変厳しく、自分でもよく登っているな、と可笑しさすら感じる。
脚の方はゆっくりながら意外に回るので、どうしても厳しくなるまで汗をだらだら流しながら何とか少しづつ登ってゆく。時々ワゴン車が下や上からやって来て脚を着きそうになるものの、今回は何とか残り距離1/3の5%区間まで辿り着けた。
ここまで来れば、フロントをセンターに戻して15km/hで走ることができる。尤もここにしても、帰りの下では意外に速度が上がる斜度だ。
12:45、展望台着。今年もここまで来れたことが嬉しく、まずは諸々の好条件やツーリングの神様に感謝。
裏手の広場からは、屈斜路湖が眼下に拡がっているはずの場所一杯に、かなり厚めの雲海を見下ろすことができた。この展望台にはうっすら日差しが出ているのに、そしてさっき屈斜路湖岸では青空さえ眺めることができたのに、雲が広がってしまったのだ。
西側、つまり北見側は結構晴れていて、雌阿寒岳や津別方面の山並み、大雪まで雲から頭を出している。暑さによるものか、何となく霞っぽいようにも見えるものの、とにかく大雪まで見えるならそこそこ以上に晴れている。今日はチミケップ湖泊、明日は西興部泊。少なくとも明日いっぱい、日中は暑さと何らかの形で関わらなければいけないだろう。そして、今回の道東の霧と雲に、ようやく納得がいった気がした。これだけ厚い雲がずっと広がっているのだ、道東には。
今日は早朝の開陽台を省略したので、約1時間行程に余裕がある。今日の展望台には、私の他に車で登ってきた人々が時々いるだけだ。屈斜路湖側の雲海を見る限り下界は曇りなので、展望台まで狭い道を登ってこようとは思わないのかもしれない。
例え曇りではあっても、この天上で雲海を見下ろしながらだらだらと過ごせることが、とても贅沢なことのように思えてくる。自転車で登れたことで、有難みもひとしおだ。
汗が収まってみると外の風がやや肌寒い。ならば建物の中でおにぎりでも食べてのんびりすればいいのだ。そしてちょっと眠くなってきた。構わない、居眠りしてしまえ。幸せだ。
階下から上がってきた子供の声で目が覚めた。10分しか経ってない。普段会社で昼寝するのと変わらない。もう1回外で写真でも撮って、そろそろ下り始めよう。
13:35、展望台発。
登った道の風景が次々登場して通り過ぎてゆくのはいつもの通り。忘れ物などしていたら大変だと、下り始めて気が付くのも毎度のこと。
しかし、展望台下の穏当区間から急下り区間に移行すると、そんなことも気にならなくなってしまう。これも毎度のことだ。
津別峠下から道道588を下り始めると、さっき峠から眺めたとおり、津別側は雲が屈斜路湖側より明らかに高く、辺りが明るい。
周囲を見下ろしていた木々の外側はいつの間にか谷間の森に替わり、山腹トラバースから折り返して谷底への急降下に替わる頃には、更にだいぶ気温が上がっていた。
そして上里の谷間に降りると、もう完全に風が熱い。まあそれでも気温は25〜7℃ぐらいか、今まで道東にいたから暑いと思うのであり、関東平野とは比べものにならない涼しさのはずだ。
しばらく下って、周囲はカラマツの森から、次第に牧草地、畑と農家へ推移。
上里小学校跡、美都、そして豊郷。記憶通り津別峠展望台から普通に下って、津別の町外れまで1時間。
既に空はすっかり晴れていた。14:45、津別着。
記 2015/11/29
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