晩成→(町道・道道881)生花→(国道336)長節→(道道912他)
大津→(国道336他)新十勝大橋
(以上#12-1)
→(国道336他)昆布刈石→(道道1038)共栄→(国道38)豊頃
(以下#12-3)
→(国道38他)農野牛→(道道62)五位
→(道道15)糠内→(農道・道道62他)駒畠
(以下#12-4)
→(道道15)元忠類→(町道・農道他)晩成
141km
RIDE WITH GPS
十勝川に横たわるように掛かる新十勝大橋を渡ると、国道336に三つ叉分岐が登場。3方向の全てが国道336という名前の道であり、今日はこのまま太平洋沿岸方面へ向かう。
国道336の十勝太・昆布刈石・厚内の太平洋沿岸区間は、かつて岸壁上のダートで有名だった。昆布刈石というのは海岸にあった集落の地名である。2001年に訪れた時は夕方で小雨の中、霧の中に続くしつこいアップダウンに難儀させられた。隣には時々工事中の新道が現れていて、それ以来なかなか再訪する機会がない間に、ダートが全部舗装新道に切り替わったと聞いている。さっきの新十勝大橋だって、上流は豊頃まで橋は無く、そして河口側にももう橋は無い。1980年代にこの橋ができて、全国的に有名だった国道336の渡し船区間が道に切り替わったのだ。2016年現在、それら秘境としての存在感は薄れたものの、かつての面影を追って再訪したかった、本日二つ目のテーマである。
十勝川河口の平野部、しばし畑から畑に道が続いた後、渡る川の名前は浦幌十勝川。浦幌十勝川、という大河に地名をくっつけた名前に、今は高い堤防に囲まれてゆったり流れる十勝川が、かつては河口の低地に見境無く溢れる暴れ川だったのかもしれない、等と想像してしまう。
今のところは、まぶしい日差しで舗装路の照り返しが暑いほど。極上のサイクリング日和だ。
十勝太の集落の先から、突如国道が直登で台地に乗り上げ始めるのが見えた。こういう風景に1990年代の私は多いにびびったものだったが、実際にはたかだか標高差40〜60m程度である場合が多く、今では標高差だけ把握して大らかな気持ちでのんびり粛々と脚を進めるだけだ。まあ1999年は雨で夕方だったしな。
直登登りの途中では、海岸方面へ細道が分岐していた。かつてダート区間に入り込んだのも、こんな感じの分岐だったのを思い出した。いや、もう少し台地上に登ってからだったかもしれない。
台地上には、さっき大津辺りでも見られた、海上の霧が押し寄せている。空は晴れているのに、うっすら霧っぽく、遠景の見通しが悪い。久々の昆布刈石海岸を前に、むしろ程良くミステリアスな雰囲気が漂っている。
かつて国道336だったダートは、未だ健在だった。ごく普通の国道336の隣、岸壁上の荒れ地に元のダートは続いていた。けっこうな細道でアップダウンがしつっこいのも、再訪してみて実感させられた。途中、まるで消失しかけているように、道が茂みに中で細くなる箇所もあった。ところどころで砂利は深く、不連続に厳しい斜度のせいもあって空転、早々に押しが入る。
茂みを進んでゆくと茂みは深く高くなり、少し不安になった。一度入り込んでしまった旧道のダートと現在の国道336は、付かず離れずの位置で並行しつつ、なかなか連絡箇所が現れてくれない。すぐ近くに走りやすそうな舗装路があるのに全然前に進まない状況に、さすがにじれったくなり始めた。ちょうど上手い具合にその辺りで道幅が再び拡がって、砂利が安定し始めた。これぐらいがかつての面影に合っている。
道が台地から下り始めた。この先道が谷間の川を渡って再び台地に登り返した後、海岸沿いまで下り、その先厚内まで続くのはわかっている。新道はこの先旧道から大きく分岐して内陸へ向かうので、今回は未済経路の新道から道道1038で霧止峠へ。
霧止峠はたかだか標高100mちょっとの峠だ。そういう印象よりも、森の中の峠道は鬱蒼と思いの外山深く、堂々たる雰囲気が漂っている。標高が低くても峠らしさが漂う峠だ。
峠から下ると、牧草地と畑が低山の山裾沿いに続く、十勝外れの平地だ。
いつの間にか風が向かい風気味に吹き始めていた。この先しばらく北上して、糠内の丘陵でコースの方向が南向きに変わるまで、多分この向かい風は続くのだろう。日差しもいつの間にか正面方向から、そして結構厳しくなっている。雲の日影が有り難い程だ。
風と暑さに煽られ、意識はやや薄れ気味である。
12:20、共栄で道道1038は唐突に国道38に合流。
国道から逸れて十勝川沿いの畑へ少し回り道する予定だったが、さっき昆布狩石のダートで意外に時間を食っていたので、そのまま国道を行くことにした。
予定というより根拠の無い山勘ではあったものの、豊頃のセイコーマートに12時には着けると思っていた。累積距離は現在70km。9時20分に晩成から10kmの生花を出発したので、3時間強後の進行としては適切だし、時間と共に総距離140kmの残りが順調に少なくなるだけなのだが、気持ちとしてとりあえず焦っていたのだ。
しかし今にしてみると、何もそんなに焦る必要も無かったように思う。
12:40、豊頃セイコーマート着。到着してみて、ここは1999年、吹き飛ばされそうなもの凄い強風の中辿り着いたセイコーマートであることを思い出した。風に音を立ててばたつく周囲の看板に恐れを感じ、糠平まで輪行を決めたのだった。今日は向かい風に悩まされているものの、至って平和である。
順調に脚を進めるために、今日はここで補給しないと、この先モバイルSuicaが他では使えない。おにぎりに水を抱えてからHotchefへ向かうと、豚丼は既に売り切れだった。豚丼発祥の地、十勝のセイコーマートらしく「お勧め 豚丼」の張り紙まで貼ってあるのに。今日の所は在庫が一杯のカツ丼を仕入れておく。まあカツ丼だって美味しくて、豚肉たっぷりの人気商品なのだ。
記 2016/3/5
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