徳本峠小屋
(以上#2-1)
徳本峠小屋→明神橋
(以上#2-2)
→明神池→河童橋
(以下#2-4)
→上高地温泉→上高地バスターミナル
11.4km
RIDE WITH GPS
8:30、明神館到着。ここで自転車区間は終了、上高地の自転車進入禁止区域になります。
雰囲気のいい木造の明神館はもう営業していて、「明神カレー\1000」などという張り紙も。カレーという文字を見るととりあえず食べたくなってしまう私としては大変興味をそそられましたが、つい3時間ほど前に徳本峠小屋で朝食を3杯もお代わりしたばかり。その後ここに辿り着くまでいろいろなことがありましたが、まあ\1000出してカレーを食べるほど腹は減っていません。
しばらく遊歩道を下流方面からやって来る人々や、穂高岳から下ってきたっぽい顔真っ黒筋肉もりもりリュック満載の登山者グループを眺めてから、としさんに勧められ、引きずられるように明神池に向かいました。まずは森の中を粛々と進むと、すぐに梓川に掛かる明神橋を渡ります。
明神池は穂高神社境内の奥にあります。というより穂高神社が明神池の門のようになっていて、拝観料\300はむしろ明神池の維持管理分が含まれているとのこと。
鬱蒼とした木立に続く木道から眺める静謐で澄んだ水面は、池の向こうから急に立ち上がる明神岳と青空を映し、木漏れ日に輝き、清らかとしか言いようが無い雰囲気を漂わせていました。さすがさっきまで徳本峠で眺めていた明神岳の裾。見に行ってほんとに良かったと思います。正直に言って、実際に訪れるまで「この期に及んで池見てもなあ」などと思っていた明神池でしたが、そんな私を引っ張ってきてくれたとしさん、ありがとうございました。
明神池からの帰り道では、梓川河岸から徳本峠をばっちり正面から眺めることができました。
青空の中に凹んだ稜線から、紛れもなくついさっき下って来たばかりの雪渓が、よく見えます。そして峠は何だか間近なのにやたらと低く、とても標高差600mもあるとは思えません。
ただ、あれが上高地アプローチ伝統のルートなのだと思うと、そして昨日そのコースをずっと辿って今ここにいるのだと思うと、なかなか感慨深いシルエットでもあります。苦労してあの道を越えてこないと感じられない気持ちでもあり、「こっちから来て良かった」などと思ってしまいます。
梓川の流れはやや水色がかっていますが、明神橋から見下ろすとおそろしく透明で、周辺の残雪の山々、そして澄んだ空気とともに涼しげな風景です。ただ、実際にはかなり陽差しの強さと空気の熱さを感じるようになっていました。見上げる空ももう真っ青。もの凄い晴天です。
ちなみに昨日に続き、この日も全国では季節外れの記録的猛暑だったことを、下界に降りてから知りました。
10:15、明神館発。
としさんが下流方面の上高地温泉でひとっ風呂浴びたいとのことなので、私もお伴させていただく事にしました。
さっき明神館に着いてから今までの1時間半強の間に、遊歩道にはかなり人が増えていました。名字も高地なのにこの歳(49歳)にして上高地初めての私は、その人々の大部分が軽装なのにびっくり。
そして軽装の人がぞろぞろのんびり歩く遊歩道から、山深く清らかな絶景の数々がいとも簡単に、間近に眺められるのにさらにびっくり。
確かに地形はバスターミナルからずっとフラットなのですが、それにしてもこんな格好で気軽にぶらぶら(という表現が適切だと思います)、こんなに山奥の清らかな風景を眺められるなんて。驚きつつ進むとともに、この上高地が正真正銘超一級の観光地であることに気が付いたのでした。
人々の間、自転車を押しながら木漏れ日の木立を進む我々ですが、それにしても空が青く陽差しが強い。そして暑い。「そういえば今日から夏なんだよなあ」等とのんきに思ったのですが、昨日と同じくこの時期としては全国で観測開始以来の猛暑だったことを、帰ってから知りました。
小梨平では、明神館と明神神社以来初めて木立の中に建物の屋根が見え始めました。キャンプ場施設らしいそれらの建物を過ぎると、眼前に、梓川をバックに残雪の奧穂高岳へ登ってゆく、上高地定番の風景が登場。母の家にも絵が飾ってあって、私にも見覚えのある景色です。なるほど、こんな場所からこんなに簡単に見えるのか。
記 2014/6/16