新島々→(国道158)島々→二俣
(以上#1-1)
→岩魚留小屋
(以上#1-2)
→徳本峠小屋
(以下#1-4)
徳本峠小屋
19.6km
RIDE WITH GPS
9:00、岩魚留小屋発。徳本峠まであと僅か4kmですが、いやいやこれからあと4時間かかるとのこと。きっとそれぐらいに厳しい坂が待ち構えているのでしょう。
その皮算用通りに、岩魚留小屋到着前から坂が厳しくなっています。地形もさっきまでの狭い渓谷から、谷底がやや広がり、沢はより細くなってその谷底の幅で惰行気味。道はその間をやや不明瞭に辿るようになっていました。
谷底や斜面には雪渓が目立ちはじめ、連続し、斜度もどんどん厳しくなってきています。明らかにさっきまでとはフェイズが変わっているのでした。
道が谷底の沢だか岩場だか判然としなくなってくるこの辺り、ついうっかり赤リボンの道標を見誤り、山中へ入り込みかけてしまいました。あまりの急斜面と質の悪い藪に後ろを振り返ると、後続の登山客が続々と別の方角に。早く気が付いて良かったですが、ちょっと間違っただけで復帰も滑落込みで一苦労でした。
道ばたの沢の脇で、2グループほどが休憩していました。見上げると空が真っ青、登りが厳しいだけじゃなく、けっこう暑くなっていることに気が付きました。今日は朝想像した以上のかなり絶好調の天気だと改めて思いました。絶好調すぎて、下界の暑さは記録的だったようでもあります。
沢の水をボトルにいただくと、案の定これがとても美味しい。湧き水だけでなく、沢の水が美味しいのはウレシイ。あの夏沢峠でさえ、途中の沢の水は飲めないのですから。
この辺りから登り斜度は、がつんと更に急になります。最後のつづら折れに突入する少し前から、斜度が厳しく描かれていたことを思い出します。もうすぐ最後のつづら折れかもしれません。何となくひたすら楽しんでここまで来てしまえましたが、確かにそれなりの時間が経過しています。
雪渓を渡って沢を渡って、谷底から離陸し始めた辺りから、足下にはニリンソウをはじめ、いくつかの種類の花が群生するようになりました。坂は厳しいですが、咲き乱れる花は小さい花が大変可愛らしく美しく、心が癒されます。
森の中に続く花の道をのろのろと進んでゆくと、おもむろに前方の道が折り返しているのに気が付きました。
11:25、最後のつづら折れ区間に到着。
さっき岩魚留小屋で聞いた力水、いや、「ちから水」もすぐ上にありました。ボトルの水を全交換すると、これがまた甘くてクリアで品があるというか、何とも美味しい水なのでした。ちなみにこの水、1.5lボトルに一杯入れたお陰で、翌日の新島々駅までその味を楽しませてくれたのでした。
さあ、いよいよ最後の登りです。しかしここへ来て当然のように斜度はますます厳しく、脚がなかなか前に出ません。のろのろ前進しつつ、もう地図を出すのも面倒くさいので、GPS画面のつづら折れ回数と既済つづら折れ回数を比べたり、時々振り返って谷の向こうの山姿を眺めたり、立ち止まって息を整えつつ、のろのろ登ります。
事前に宿主さんに聞いていた、残雪もしょっちゅう登場。さすがにお昼前ですし、今日のこの陽気で雪の表面は程良く緩み、滑りやすいという程ではありません。
振り返ると反対側の山肌が立ちはだかっています。つづら折れの数を数えて登ってゆくと、見上げていたその姿が次第に正面に。とともに、山肌にしっかり残っている残雪が、よくわかるようになってきました。
森の中、上の方に稜線っぽい空が見え始めてから、更に何度かつづら折れを経て、ようやくおもむろに徳本峠小屋の姿が間近に登場。間近に見えて最後の一登りはそう間近でもありませんでしたが、あの壁のすぐ向こう側が今夜の部屋だったとは。
記 2014/6/8