村市→(県道28)津軽峠
(以上#2-1)
→(県道28)林道赤石川線分岐
(以下#2-3)
→(林道赤石川線)熊ノ湯温泉
(以下#2-4)
→(県道190)種里→(県道191)赤石
→(県道3)鰺ヶ沢
64.3km
RIDE WITH GPS
9時までに津軽峠に着けたので、昨日宿で話を聞いたマザーツリーに行ってみることにした。というより、マザーツリーがあるとわかっていると、昨日見つけられなかったマザーツリーへの標識を茂みの隅に見つけることができた。自分で自分の認識力に自信を無くしてしまった出来事だったが、標識によるとマザーツリーまでは270m。なんだ、それなら徒歩5分もかからないだろう。
茂みの奥へ続くコンクリート舗装の山道に踏み込んでみると、ヒルが出ないか心配になるほど茂みが濃い。大丈夫、ヒルに注意などという話は宿では聞かなかったし、これだけ路面も看板も整備された道でヒルのヒの字も看板に書いていない。多分ヒルはいないのだ。
濃い茂みのためにマザーツリーは近づくまで見えなかったが、すっくと立ちはだかる、独特の風格を漂わせる巨木の姿に、すぐ「これがマザーツリーだ」とわかった。森の中、樹齢400年のブナの巨木は、周囲に他の樹を侍らせて周囲を睥睨しているようである。その足下で、少しお姿を見上げさせていただく。
津軽峠に戻ると、バスが3台ほど砂埃を上げて到着したところだった。ハイカーや気軽な服装の観光客がぞろぞろ降りてくるのを眺め、9:00、津軽峠発。
こちら側もしばらく下り基調の尾根道区間が続く。昨日通ったばかりの地滑り区間は峠のすぐ下側だったが、下り側だとこんなに急な斜度だったのだと思う。昨日汗が吹き出たのも納得。
稜線にしてはほとんど視界の開けない、明るい梢の下の木漏れ陽の道。このブナ原生林の稜線区間が、津軽峠の大きな特徴だと思う。
下るにつれ所々で景色が開け、山々が姿を見せてくれる。雲は昨日よりは高く、青空すら見え始めていた。
山脈の全てを見渡すほどではないが、正面奧には山々の頂きも見えていた。道ばたの看板によると、あの辺りが世界遺産の核心地域ということである。
稜線区間終盤では、確か一度登り返す区間があったはずだが、今回はなんとなくそのまま通過するように過ぎてしまったようだった。さっきから道が妙に勢いよく下り始めている。
標高は500m台前半からもう400m台に下がっていた。山肌に沿った道から時々森の外側に広がる景色も、次第に周囲を見上げるように変わり、そして道は眼下の森の中へ、更に下ってゆく。赤石川の谷へ下り始めているのだ。
それにしても、道を囲むブナの原生林は梢が高く、薄暗くも開放感がある。
つい脚を停め、深い奥行きの緑の広がりを眺めてみたりする。
記 2013/8/3