たんちょう釧路空港→(道道332他)桜田
→(釧路阿寒自転車道)阿寒→(町道他)布伏内
(以上#1-1)
→(国道274)ヌマオロ原野→(道道53)弟子屈
→(道道717他)札友内
97km
RIDE WITH GPS
13:20、布伏内発。国道274はここまでの道に比べ、やはり国道だけあって、道幅や道路脇のポールなど、そこかしこに国道らしい表情が見受けられる。
ヌマオロまでは5、60〜100mぐらいのアップダウンが合計9回。まあそういう地形なのだ。事程左様に、布伏内を出発するとすぐ登りが始まる。ここだけが標高差100m越えの登りだが、斜度も緩く、量的にはたいしたことは無い。ちょっと古めの手持ち地図には道が全く記載されていないので、何だか空中を進んでいるような気になるものの、登り始めるとすぐに森の向こうに布伏内の谷間の北端が山裾に変わってゆく展望を眺めることができ、なかなか気分はいい。
道は大味に屈曲しながら向こう側の谷間を下り、徹別の谷間へ。国道240を横切って、次の丘へ。さっき道道667を進めば、もう少し北の徹別でこの国道240に出たのだと思うと、何だか近道から本来のコースに戻ってきた気になる。
またもや地図に載っていない、幅広の道が丘を登ってゆく。後で気が付いたが、ここからニニシベツまでの数kmは2011年のツーリングマップルでも未開通の絵なので、ここが新開通区間のようだった。そういえば、2010 年に徹別から東に向かったときには、国道274はまだ国道240まで達していなかったような気がする。袋小路に近い道だったため、車をほぼ全く見かけなかったのだ。しかし、国道274が国道240を突き抜け、布伏内まで達している今日も、国道274の交通量はあまり変わらない。
ニニシベツの谷間に降り、見覚えのある市道の分岐で2010年の徹別からの道に合流。その次の4つめの丘で、布伏内から降ったり止んだりだった雨が、遂に本降りに変わった。
上下雨具を着込んで走ってもあまり汗だくにならないのは、昨日までそのまっただ中にいた東京の暑さからは考えられない。しかし、進むうちにカバーの無いシューズはびしょびしょに濡れ、バッグのみならずハンドル部分もびしょびしょに濡れてしまい、暑くなくてもやはり不快だ。
雨はもはや本降りから大雨に変わりつつあった。行く手や周りの景色は霞んだり、雨が弱まるとまた見え始めたりの繰り返しだ。
だらだらっと数10m、低い森の登りが続き、ギヤを落としてえっちらおっちら。ピークを過ぎると向こうの谷間の牧草地へ、登りがボリュームの無い分下りもまあそんなものぐらい。上幌呂、茂雪裡、支雪裡と2年前に通ったばかりの道。延々と続く同じような地名と同じような景色はそれぞれ対応させて意識できないものの、何となくそれぞれの景色には見覚えがある。しかしその見覚えのある景色が、それぞれ面白いぐらいに雨で霞み、全く別の表情となっていることもわかる。もう焦っても、しばらく大雨が止むことは無いだろう。もしかしたら弟子屈辺りで雨は止むかもしれない。でもそれまで、焦ってもいらついても雨が止まなければ、焦ったりいらついたりするのは無駄なことだ。それより今すべきは、粛々と足を進めることなのである。
青看板のある分岐の景色に、中久著呂で気が付いた。ここはここ何年か毎年コッタロ展望台や塘路湖畔への道道1052へ向かう分岐だ。かなりアップダウンがいっぱいだったが、ここまで着けたのか。時間を見ると、まだ15時過ぎ。何とか予定より30分以上早着できた。
しかし、鶴居の谷間を過ぎたこの辺りまで来ると、さすがに国道274上にはやや車が増え始めている。いや、決して多いなどというレベルじゃない。この辺り、天気が悪かったり疲れてるのにアップダウンで行程が伸びたりとか、路上の雰囲気とともにあまり良い思い出が無いだけなのだ。2、3台車が通り過ぎたぐらいでケチを付けてはいけない。
まあここまで来れば、もはや雨中の登りなど珍しくもない。雨と緑の景色の中、ゆっくり登って淡々と下ってが2回半。16:20、ヌマオロ着。もう弟子屈へ23km、道道53の分岐である。
丘陵まっただ中の谷間にある分岐からは、行く手もあっちも全て登り。しかし、南北方向のしわのように連続する丘陵をまともに横断してきた国道274と違って、道道53は南北の道。アップダウンは大まかに言って途中に2回だけだ。それに過去の訪問だと、もう弟子屈まで1時間あれば着ける。
そこで、中オソツベツの集落南で分岐する舗装林道に立ち寄ってみた。1/5万図にも載っていた道で、ほんの少しだけ回り道で少しだけ登りもあるようだったが、チャンスがあれば貴重な未済経路を経由しておくことが私の北海道ツーリングのミッションなのだ。
林道は、道道53沿いの部分だけでも静かなオソツベツの裏道だけあって、更にこんな雨の日だとますます熊が出てきそうだ。しかし途中からは牧場農家が登場。適度にアップダウンもあり、拡幅済みで最近以前よりやや単調な景色に変わってしまった印象がある道道53の寄り道として、なかなか良い道だった。次回は天気の良い、しかしあまり暑すぎない日に再訪してみたい。
上オソツベツ、奥オソツベツと雨の丘陵を黙々とこなすと、最後に奧オソツベツのスノーシェッドの向こうから、道は弟子屈の盆地へ向けて下り始めた。これなら17時半には弟子屈の町に着ける。セイコーマートに立ち寄って、明日の早出用の朝食、お昼までのお10時を仕入れても、今日の宿「鱒や」の夕食時刻、18時半には確実に着けそうだ。
しかし、確実になってしまったことはもうひとつあった。だいぶ下って弟子屈盆地の外れ、奧春別に入っても、全く雨が止んでくれる気配が無い。つまり弟子屈に着いても、そして今日は最後まで雨は止まないだろう。
17:10、弟子屈着。
念願の初セイコーマートである。しかもHotChefもあるお店だ。阿寒でセブンイレブンに立ち寄ってから、今日はコンビニには寄っていないので、かなり腹が減っている。しかしもう「鱒や」まであと数km。夕食時刻も間近なので、ここは堅い意志でガマンして、オリジナルブランドの焼きそばぐらいに留めておく。カップ食品ではあるが、セイコーマートオリジナル商品の例に漏れず、これがなかなか美味しい。
弟子屈からはもう毎度の道道717へ。摩周湖外輪山へ緩やかに登ってゆく裾野は低い雨雲に遮られて全く見えないが、いつもの静かな道と近くの牧草地の景色が、そのまま宿への距離への安心感と直結して、何とも気分がいい。
国道243の「鱒や」の看板を曲がって、釧路川河岸へのダートへ。「この先通行止め」との看板もある。地図では載っていた釧路川対岸への橋は、通れないのだ。明日この橋を渡るはずだったのだが、ほんの少し、弟子屈までの予定経路を変える必要がある。とはいえ、いつもの国道243を少し通ればいいだけの話でもある。
18:10、札友内「鱒や」着。
夕食までの間に、都合良く空いていた風呂で汗を流す。1日雨でも向かい風でも、頑張って走れば必ず目的地に着ける。そしてまた明日、別の朝が来る。晴れるかどうかはわからないが、いつかは必ず晴れる。そして雨が降ったとしても、それはあまり深刻なことではない。とにかく、明日から4時起き、早出の日々が始まるのだ。
風呂から上がると、次は洗濯だ。一息ついて宿の中を見渡すと、何だかあちこちにデモンタやスポルティーフやロードなど、自転車が一杯置いてある。鱒やに初めてお世話になったのは、確か2000年。その時から宿主の橘さんには以前ランドナーに乗られていたお話しを伺っていたが、近年私が最後に泊まった2008年以来着々と増備を重ねられたようで、遂に昨年、某社の写真集に愛車が堂々の掲載となったのだった。
お盆休み期間前だというのに、宿にはけっこうお客さんがいた。そのお客さん達と夕食中に各方面の天気予報の情報交換をしておくのが、翌日の行程のために非常に重要だ。その話の中では、今日の天気予報が今週ずっと「曇り夜雨」だったのが、今日のお昼にはいつの間にか「午後から雨」の予報だったとのこと。ええっ、と思って新スマホでチェックすると、全くその通りに曇りだったはずの予報が見事に1日中雨に変わっていた。のみならず、太平洋に台風12号なんてのが発生していて、いつの間にか温帯低気圧に変わっている。その台風の影響で、明日の予報は1日中雨。というか、大雨らしい。
天気予報に気圧配置、ここまで雨予報ばかりだと、行程中止にもあまり悩む必要が無い。さっき4時起きの日々に向かって緊張したばかりだが、早々と落石までの全輪行が決まってしまった。そうなれば、朝寝もできる。
記 2012/9/16
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