足摺岬→(県道27他)土佐清水→(国道321)三崎
(以上#5-1)
→(国道321)大浦→(町道他)立
(以上#5-2)
→(県道43他)一切→(県道43他)二ツ石→(国道321他)宿毛
98km
RIDE WITH GPS
11:40、県道43に合流。右へ向かうと国道321なので、ここは海岸沿いに向かうために左へ。ここまでの海岸沿いの細道からはやや雰囲気が異なり、内陸の普通の県道のように、県道43は田んぼや畑の中を海岸へ下って行く。
下りきった浦尻では、静かな漁港が見えた。ここから再び登り返しだが、登ってまた半島先端の一切で100m以上下ることになる。果たして旧道へ向かったものか、この先の行程を優先してトンネルに進むか。
しかし、ここまで県道43を通ってきて、ごく普通の県道っぽい県道43の路上には居づらい雰囲気を感じていた。やはり細道がいい。トンネルより登ると言っても、+100mも登らないのだ。
平山から密林へ入り込んだ細道では、道は密林の中を進んでいて、海岸から切り立つ山に張り付いた道ではあるが、あまり海の景色は開けないようだった。
しかし、途中の展望台では、大堂海岸の碑とともに200m落ち込む、迫力というか恐怖の岩場が見ることができた。
大堂お猿公園への分岐から、細道はおもむろに一切に向けて下り始める。
多少落石多めの路面、熊注意の標識にやや不安になったものの、やがて大堂トンネルを抜けてきた県道43に再合流。
地図では複雑な線形の細道が、複雑な地形に張り付いて、一切や別方向の柏島へ下っていったりしている。分岐の場所や方向には注意しないと。案の定県道43に合流後、逆走して行って戻ってがあったりした。
一方でかなり切り立った山の上から、これから向かう湾の中の安満地の漁村、そして海岸沿いの1本道が見えた。なかなか気分の良さそうな道である。私の持っている昭和62年の地形図には載っていないが、ツーリングマップルでは記載されている道で、興味津々だ。
さあ降りるぞ、と思ったところで、雨はやや密になってきた。
道の確認と、ちらっと見えた岬先端の柏島方面を眺めたくて少し道ばたに足を停める。見下ろす柏島はホテルなどがあり、さっき裏手で見下ろした安満地の、いかにも漁村然とした佇まいとは対照的だ。この先進めば、なかなか楽しそうな海岸沿いの道が続くに違いない。
と、今までとは段違いに海上の空が暗くなっているのに気が付いた。空気も霞んでいる。もうお昼前、天気予報の「午後から雨」通りの展開である。何も不思議はない。
海岸沿いだとくねくねで宿毛まであと40km弱、総標高差400mぐらいか。どうする。
▼動画15秒 柏島方面と雨に煙り始めた外海 展望180°
ちょっとだけ悩んだが、このまま進んでも、いずれ宿毛で自転車を畳むことになる。それに田舎道を舐めてはいけない。途中で土砂降りになるかもしれない。
結局大人しく県道43を逆戻りし、国道321経由の最短経路で宿毛に向かうことにした。長い大堂トンネルを経由、再び標高3mの浦尻まで下って、国道321合流点の二ツ石まで100m登り返しとなった。しかし、結論から言えばこっち経由が正解だったと思う。大堂トンネルを抜け、登り返した二ツ石の手前から、雨はけっこう強くなってきたのだった。
12:10、道の駅大月到着。バス停では13:38までバスは無いことを確認。今日の宿の岩松へは宿毛で系統分割するようで、やはり宿毛へ向かわないといけない。
が、転倒など無いように注意してのんびりと、かつ真面目に走れば、多分13時過ぎには自走で宿毛に着けるだろう。それならもう宿毛に行ってしまえ。時間も有効に使えるだろう。
12:55、宿毛着。雨はますます本格的に降っていた。何となくぱっとしなかった今日の行程だが、まあ悪くない潮時だったと思う。
駅の観光案内所で、窓口のおばさんの「個人的お勧め」として伺った、港近くの「みよき」でかつおたたき定食\1500をいただき、15:07、宿毛発。
今時外板に広告も貼っていない、かなりレトロな塗色がちょっと異様ですらある宇和島バスは、宿毛から国道56の小坂や途中の御荘の町、そして時々大雨になる雨の中を淡々と粛々と、時刻表通りに自分の仕事を進めていった。いつも思うが、バスは偉い。
16:24、岩松営業所着。
幸い雨は小降りになっていた。輪行袋を持って歩くのはちょっと厳しいぐらいの近場に、今日の宿の三好旅館はある。
三好旅館は、本館と別館が国道56から岩松川を挟んで反対の、旧市街の細道に面していた。受付は別館だったが、部屋は古びた木造建築の本館。やった。果たして今日の宿も築100年以上、それでいて小綺麗、なかなか良い宿だ。今回は四国のこういう小さな良い宿が、ことごとく当たりである。おそらくお遍路さん需要がこういう宿を支えているのかもしれない。
風呂から上がってもまだ辺りは明るい。明日の朝食は頼んでいないので、カップ麺でも買うつもりで旧市街へ。商店は少なかったが、小振りのスーパーを発見。「金ちゃんラーメン」という愛媛のカップ麺を仕入れる。と、レジ前で揚げ売りのじゃこ天を発見。宇和島から毎日持ってくるじゃこ天とのことで、8枚買えばもう朝食には十分だ。
夕食も地の物主体でたっぷりカラフル、特に地元津島湾の伊勢海老半割、同じく地元名産のふか、そして岩松川の鰻の蒲焼きがトリプル攻撃で登場、度肝を抜かれた。
というわけで、宿毛から岩松も、旅気分一杯の良い旅であった。
記 2011/5/22