修善寺→(県道18他)戸田峠
(以上#1)
→(県道127)船原峠→(県道414)風早峠→(県道59)仁科峠
(以下#3)
→(県道59)仁科→(国道136)松崎
(以下#4)
→(県道121他)蛇石→(町道)一町田→(国道136)妻良
85km
▼戸田峠出発後 動画1分21秒
基本的には戸田峠からさらに200m高度を上げ、稜線近くで達磨山、伽藍山と二つの山を掠めるこの道。展望は主に東側の内陸方面ですが、2ヶ所で太平洋側が開ける箇所があります。
まず達磨山手前の稜線の窪み。
▼達磨山下にて 展望360°(Quicktime VR) 画像上でマウスをドラッグしてください
さっきのだるま山レストハウスで見たとおり、山方面には靄がかかっていますが、眼下に戸田の町と港を見下ろし、その外側に続く駿河湾、太平洋、そしてもやの中に消えていく御前崎から静岡辺りの陸地は見事です。期待していた南アルプスまでは望むべくもありませんが、海と日射しのの明るいニュアンスは、稜線部分の雪の景色、そして伊豆半島内陸側の褐色とは明らかに違う春の色。
一方、東西へ吹き抜ける風はやや強く、カーブでバンクする道のより低い側でみんなが休憩しているのが印象的でした。
▼伽藍山へ 動画1分2秒
駿河湾への景色は、伽藍山への登りでもう1回開けます。2回目の方が谷間はやや狭く切り立つ山肌が険しいため、展望までの前景が少なく、何か山の隙間から太平洋を眺めるような展望で、見応えがあるように思います。
伽藍山の脇で、道は標高870mまで登ります。これから向かう仁科峠は標高907m。領地点にほとんど標高差はありませんが、この間実は一旦標高570mの船原峠まで下って登ってがあります。
このため、伽藍山の脇を過ぎる辺りで、前方にこれから向かう仁科峠と、その周辺の笹原への展望が開けます。地図上の距離、或いは実際の距離感覚より、はるかに近くに見えるこの景色。今回も「あの辺が仁科峠です。いや間違えた、もっと遠くのあの辺かな」等と語っていた近い方の景色が仁科峠だったのでした。
などと思いつつ、船原峠はへ一気に標高差約300mを急降下。
▼正面に仁科峠、県道411 展望220°(Quicktime VR) 画像上でマウスをドラッグしてください
さっきあんなに登ったのに、何か壮大な公共事業でも見た気になりますが、まあこれはこれで自分で稼いだ札束をばらまくような気分の良さもあります。
12:10、船原峠着。西伊豆稜線の東西に開けた峠の例に漏れず、いつも横風が風が強い船原峠。ただでさえ気温が低い今日は、あまり冷えないようにそそくさと通過します。同じ1本の道の継続ですが、西伊豆スカイラインと別名が着いた県道127は船原峠で終了。ここから先は県道411という名前になります。
スカイラインという名が取れただけあり、同じ稜線近くの道ながら辺りには森が続き、景色はビミョーに閉鎖的に。また、船原峠すぐ先と最後の仁科峠手前の10%をはじめとして、基本的に登り基調の道。途中の緩登り区間が平坦に見えてしまうぐらいなので、どちらかと言えば黙々淡々と足を進めます。
▼県道411 動画41秒
下ってきた稜線が道と交わる風早峠の手前でその状況は少し変わり、辺りは急に開けて仁科峠まで再び見渡せるようになります。
▼県道411 動画2分31秒
道も一瞬平坦になりますが、またすぐきりきりっと登って風早峠到着。
稜線のエッジに道が通っているようなこの峠。ここでまたもや海と内陸側に景色が拡がります。とくに海側は、さっきまでの西伊豆スカイラインからの景色とは明らかにニュアンスの異なる、更に明るい光が一杯です。
▼風早峠にて 展望360°(Quicktime VR) 画像上でマウスをドラッグしてください
一方行く手の道はと言えば、谷間から登ってきてこの風早峠で尾根道を乗っ取る県道59との目の前の交差点から仁科峠方面へ激坂でぐいぐい登る道が、いやでもよく見えます。あと100m強、ここを登るしかない。
一同展望に一通り眺めいった後は、粛々と足を進めるのでした。
風早峠から県道59に名前を変えた道は、ここまでの森の中から開けた高原状の斜面を、一目散に登っていきます。元気良く先行していく皆さんのペースがどんどん落ちていくのが後ろから見えて何だかおかしいですが、こちらもいずれああなるのはわかっちゃあいます。まあそれでも途中から見覚えのある峠部分と片切り通しが見え始め、足を回していると確実に少しずつその景色は近づくので、登り甲斐があるといえば登り甲斐はあります。
峠に着く直前で後ろを振り返ると、雲が良い具合に去りつつあり、何と富士山が頭だけ綺麗に姿を見せ始めてくれていました。ここまで雲のかけらだか富士山頂だかわからなかったのに。先着していたtakiさんが、「ちょっと前から急に雲が動いたんですよ」と教えてくれました。最高のタイミングで姿を見せてくれたことになります。
しかし、北側の富士山よりより我々の目を釘付けにしたのは、南側遠くの海でした。見下ろす山々の向こう、沖合の輝きはきらきら力強く輝き、それはここ仁科峠の寒さとは全く違う、春の、いや、南国の景色そのもの。
これを見てしまえば、こんなに寒いところには長居するわけにはいきません、13:30、仁科峠発。
▼仁科峠出発 動画47秒
南斜面の森に下ってしまう前に、宇久須の港をちょっと見下ろします。
「あの赤い屋根がソフトポイントなんですよ。ちょっと下って登り返す気しないでしょう」
「うーん、ここまで配達してくれませんかねえ」
等と少し立ち止まってから、おもむろに南斜面の森に突入。
記 2010/2/23