日光沢温泉→(奥鬼怒林道)川俣温泉
→(県道23)川俣大橋
(以上#1)
→(川俣檜枝岐林道)馬坂沢→(馬坂林道)土呂部
(以上#2)
→(県道350)田代山峠
(以上#3)
→(県道350)湯ノ花温泉 68km
12:55、田代山峠発。
峠下は何度かのつづら折れで標高を下げ、今まで尾根の上だったのが一気に急降下。
淡い木々の緑はすぐに濃い色の深い森に変わって、道は山肌に張り付いて例によって谷底と追いかけっこして下り続けますが、景色にはさっきの尾根道とも違うどこか不思議な開放感が漂います。
この感覚、実は以前那須方面から大峠を越えて下郷へ出たときと似ていて、今回と共通しているのはどちらも栃木の山奥から福島の山奥へ抜けたということ。
改めてここが福島県であることを痛感させられたのでした。
延々と続く森、森、森。
妙に車が多い田代山登山口を過ぎても、道は更に森の中を下り続けます。
それでもようやく、唐突に辺りが拡がって田んぼの中へ放り出されます。
水引の集落に到着したのでした。ここで舗装道路も復活、ついに奥会津の里に降りてきたのです。
こぢんまりした集落の雰囲気は何とものんびり静かで、奥会津独特の美しい農村そのもの。
昨日の戸倉から、およそ纏まった集落というものに出会っていない今回のコース。何だかとても久しぶりに出会った気分でそんな景色を眺めていると、突然ナイスアイデアを思いつきました。この先、国道352合流天の松戸原の手前には、せいろくさんがさっきから伏線を張って時々「いい温泉なんだよな〜」と小声でつぶやいている湯ノ花温泉があります。また、少なくとも松戸原に確かバス停があったはず。バスの時刻を確認して問題なければ、湯ノ花温泉で温泉でも入って、その先やや埃っぽくなる国道352はバス輪行ですっ飛ばせばいい。
皆さんに話したところ、まあ当然のごとく反対する人はいませんでした。
というわけでもう少し下って湯ノ花温泉到着は14時過ぎ。到着直前にせいろくさんとはぐれてしまうハプニングはありましたが、その後無事合流。旨い具合に湯ノ花の集落には会津高原方面へのバスがあるのみならず、バスは1日数本だけなのに直近の時刻は何と15:39。輪行と風呂をゆっくりこなして一息付いて余裕たっぷり、旅の終わりにこれ以上無いぐらいのいい時刻です。
各自輪行作業を終え、共同浴場の温泉、蕎麦屋とそれぞれの目標業務を粛々とこなしていったのでした。
その間あれだけ晴れていた空にはいつの間にか低い雲が広がっていて時々顔に水滴を感じることも。行程を打ち切った途端に晴れが終わってしまったのでした。
会津高原駅到発浅草行き区間快速は17:06。始発で問題無く座れたこの列車、しかしながら意外にも手強い最後の難関でした。
鬼怒川温泉でのスペーシア乗り継ぎは35分待ち、我々が下車する春日部〜浅草では20分しか早着になりません。せっかく座れたことだし、そのまま最後まで区間快速に乗ることにしたのですが…。
何とこの区間快速、東部動物公園まで延々各駅に停まるのです。東武鉄道がかつて日光・鬼怒川方面からの帰りに非常に便利な快速を、スペーシア乗車促進のために区間快速化したとは聞いていましたが、これ程までにひどいとは。乗車促進なら、こんなに煮え切らないダイヤ組むなよな。
奥鬼怒、田代山と2本のスーパー林道を梯子できるこのコース、実はあまり他の場所では無いパターンだと思います。そうでなくても、雰囲気たっぷりの宿に良いお湯の露天風呂を楽しみ、景色も木漏れ日も緑色に染められてしまうような明るい緑と、終始耳鳴りがするほどの蝉時雨の中に身を置くことができた、素晴らしい初夏ツーリングでした。
記 2009/6/12