日光沢温泉→(奥鬼怒林道)川俣温泉
→(県道23)川俣大橋
(以上#1)
→(川俣檜枝岐林道)馬坂沢→(馬坂林道)土呂部
(以上#2)
→(県道350)田代山峠
(以下#4)
→(県道350)湯ノ花温泉 68km
昨日の奥鬼怒林道で押し癖が付いた我々は、取付の砂利浮き気味の激坂を最初は押していましたが、atsさんを皮切りに乗車登坂開始。
山肌を巻いて尾根に続く道は明るい森に囲まれてはいますが、木々の向こうにはすとんと落ち込んだ谷間とこちらに相対する山肌に拡がる大森林がちらちら見えます。尾根に取り付いてからは厳しい登りは一段落。標高が上がってますます爽やかな風が森の中から吹き、相変わらず続く蝉時雨とともにどこか開放的です。
そして時々森が切れると、眼下に落ち込んだ空間の中、森が近くの山から遠くの山々へ続いていきます。
しかも尾根道なので道は時々尾根を乗り越え、さっき川俣湖で眺めた男体山、そして反対側の那須岳へ続く景色が尾根の両側で拡がります。
日光沢温泉からの谷間の道、さっきまでの川俣檜枝岐林道が谷底のむせ返るように生い茂った森だっただけに、まるで空の中の森にいる気分になります。道自体は同じ尾根スーパー林道の御荷鉾林道とちょっと似ていなくも無いですが、大きな違いはこっちの方が全然眺めがいいこと。
もう最高の道です。いや、最高の季節の最高の天気の日にこの道を通れているのです。
標高1500m手前から林道は尾根の東側に移ります。ここからは峠までもうあと100m、一登り。
標高が上がったためか道を囲んでいた森が一気に開け、至る所で眼下に大森林の展望が拡がります。
いつの間にかセミ限界を超えてセミの声は下界から聞こえてくるだけになり、木々の緑もまだ若芽が枝先に開いているぐらい。
道ばたには残雪が登場、山肌を巻きながら続く道の先の方には、いよいよ田代山峠のコンクリート法面補強が見え始めます。
12:35、田代山峠到着。峠周囲の地山は笹原で、とても見晴らしの良い峠です。
道の外に落ち込む景色は、栃木県の一番奥の深い森。遠くの那須岳へと続いていきます。もうこの時点で国道352合流目標時刻の12時を過ぎているので、帰りの安ヶ森林道経由はありませんが、今日の予定コースの安ヶ森林道らしき道もよく見えます。振り返ると、切り通しの向こうは茂みに遮られてあまりよく見えませんが、やはり福島県の山々に囲まれた谷間が彼方へ続いています。
標高1600m弱。しばし宿で作ってもらったおにぎりなど食べつつ、意外なほど普通に涼しく快適な風と、この景色をこの季節に眺められる幸せも味わいます。
記 2009/6/12