湯檜曽→(県道63)粟沢→(林道栗山西線)一畝田
→(県道63)湯ノ小屋
(以上#1)
→(県道63)戸倉→(国道401)大清水
(以上#2)
→(奥鬼怒林道他)日光沢温泉 68km
さっきまで日が射していたのに、雨がぱらつき始めています。やはりさすがに高所だけあって山の天気はすぐに変わります。
大清水の広場はリュックを背負ったハイキング風の人々がうじゃうじゃ。いよいよ尾瀬へ徒歩区間開始の盛り上がる気分と、下界へのバス待ちでほっとしている気分が漂っています。ここはビジターハウスの食堂で何か食べていきたいような気もしますが、やはりここは粛々と、いよいよここから始まる奥鬼怒スーパー林道へ。
すぐに尾瀬への県道1と分岐、こちらの奥鬼怒林道は人気のない森の中の道が続きます。
広葉樹主体の森に包まれた道は緑色に薄暗くしっとりと静かで、谷を挟む斜面にへばりついてじりじり高度を上げて行きます。
そうかと思うと時々木々が切れて谷間の景色が登場。路面は穏当、適度に雨の跡のような水たまりが登場、そんな静かな表情の道ですが、途中ではatsさんがライフルっぽい薬莢を発見。そういえば以前晩秋の訪問で、ブラインドコーナーから猟銃を持った人が登場してびっくりしたことがあったのを思い出しました。
思えば関東でも最も熊の目撃が多いらしいとのこの道。としさんの熊除け鈴だけが頼りです。ワタクシも持っちゃいるのですが、忘れてしまったのでした。
ところが、突如kiyonagoさんの愛車にメカトラが発生、というより発覚。何とシールドBBの枠だけが外に飛び出してきて、左クランクにつっかえると言う前代未聞の現象で、BBと両クランクは固定されたまま片方を押すとそのまま片方が飛び出します。ちょっとあせっていろいろ試してみましたが、結局これはもうまともに乗れないだろうと言う結論に。というわけで、一同揃って自転車を押し上げて行くのでした。
この頃から雨は本降りになってきました。片品川から中ノ俣沢沿いに遡っていた道も、谷間の一番奥の手前で離陸を始めます。
岩は次第に険しく、辺りの山々は次第に白い雲に包まれ、我々はとぼとぼと高度を上げていくのでした。
16:45、奥鬼怒トンネル到着。標高1700m弱、なんだかいつになく険しく果てしなく感じられた峠道でした。おまけに宿の夕食予定時刻17時まであと15分。
まあしかし、もうあと加仁湯ゲートまで約300mを下るだけ。「向こう側は何だか晴れてるんじゃないですか」とkiyonagoさん。そう思いたい、それがみんなの気持ちだっだと思います。
長い長い1300m、真っ暗闇で凍えそうに寒いトンネルは、緩い登り坂。まだここはとぼとぼと自転車を押すしかありません。点のようだった向こう側出口は、なかなか近づかないながらも何か決定的に暗く、なかなか近づかないながら次第に大きくなってきてもやはり決定的に暗いのでした。
やっと出口に着くと、その不安的中、というより文句の付けようのない本降りの雨が降っています。時刻は17時10分。
もう一刻も早く宿に着く方がいい時間です。というわけでまずせいろくさんに先行していただきます。ワタクシもついつい下りに任せてどんどん下ってしまうのでした。ああ、我ながら薄情な奴…
加仁湯ゲート前のトンネル出口で10分ほど後続を待ちますが、皆さんなかなか到着しません。結局ここでも先に行ってしまう私。
結局全員宿に到着したのは18時過ぎでした。
夕食はボリュームたっぷり、岩魚塩焼きを筆頭とするおかず群もなかなか美味しいですが、何より温かいお茶と温かい味噌汁が心から有り難かったです。
夕食後は19〜21時の露天風呂女性専用時間に入ってしまったため、まずは内風呂へ。いいお湯でしたが、肩まで浸かってしばらく悪寒が収まらないのに、改めてさっきの雨でいかにからだが冷え切っていたか気が付きました。
風呂から上がってビールを飲んでいるうちにどうしても眠くなり、寝て起きてようやく露天風呂に入ることができました。この間終始雨が止むことはなく、翌日の行動が危ぶまれましたが、まあそれも良かろう、朝風呂に入って帰ればいいと言うだけだ、等と思えるほど良い風呂でした。
それにつけても、ああ、この空が星空だったら…
記 2009/6/10