頸城の春08 #1
2008/4/29 松代→松代

松代→(県道350)池之畑→(市道)海老→(林道赤倉線)赤倉
(以下#2) →(県道427)五十子平→(国道353)東川
→(市道他)天水島→(国道405)天水越→(国道405)天水島
→(県道80)松之山→(国道353・市道)藤原
→(県道243他)浦田→(国道405)菖蒲
(以下#3) →(国道405)虫川大杉→(国道253他)大平
→(県道13)大島→(国道403)池尻→(国道253)松代
 87km

静かな緑の小径赤倉林道 この後の苦難の行程の予感も無い RICOH GR DIGITAL 2 GR5.9mm1:2.4 松代から菖蒲経由で松代へ 赤は本日の経路 濃い灰色は既済経路

 諸般の事情で今年は恒例のGWショートツアーは見送りとなり、代わりに残雪と新緑がこよなく美しいこの季節の頸城を日帰りで訪れることにした。

 残雪と新緑の美しさは素晴らしいのだが、この季節、林道や国道でも山間だと未だ未除雪通行止めが多いこの辺り。調子に乗って細道へ向かうと、すぐに足止めを食らうことになる。そこで、あまり山間に踏み込まないように、適度な山裾周回コースを松代発着で組むことにした。これなら最悪予定が狂っても大島か虫川大杉を終着とすることができる。でも、基本的には前回kiyonagoさんが発掘した松代のカツカレー弁当を、そしてここ2、3年の懸案、安塚「雪だるま物産館」の蕎麦を是非とも食べたい。

 ほくほく線に接続する新幹線は始発の次。あっという間に日が長くなってしまい、出発もすっかり明るくなってからで、やや違和感がある。しかし越後湯沢で下車してみると、在来線のホームで感じるきりっと涼しく爽やかな空気は、まさに春の朝そのものだ。ほくほく線に乗り換えると、更に車窓の魚沼盆地の田んぼには水が入り、残雪と新緑の混在する丘陵の姿とともに何とも瑞々しい春の景色が素晴らしく、ますます朝の爽やかさを実感させてくれる。

 もうすっかり日が高く昇ってぽかぽか暖かな駅前広場の片隅に荷物を下ろし、自転車を組み立て、9:40、松代発。駅の脇、ほくほく線と国道253に挟まれた決して狭くない空き地は除雪の雪捨て場だったのか、泥で表面がぐちゃぐちゃの真っ黒になった残雪が、まだ2m近く積もっていて、この季節ちょっと異様な光景だ。1m以上雪が積もっていた3年前の大島「庄屋の家」を思い出した。

まつだいから海老・天水越経由で浦田・菖蒲へ 赤は本日の経路

 県道350に入り込むと、駅の裏手の小山をすぐに松代の町を見下ろすぐらいまで高度を上げ、そのまま山肌を回り込んで小屋丸の谷間へ向かう。

山間の谷間にはまだ残雪がこってり溜まっていて、棚田の土手も土筆や蕗の薹が目立つ。5月を目前にして、まだこの景色なのである。

 棚田の中の分岐で県道350と別れ、池之畑経由で海老を目指す町道へ。

丘陵の稜線近くを繋ぐ道だけあり、イレギュラーなアップダウンが続く。

まあ集落の雰囲気に覚えがある程度に既知の道。汗ばんでちょうど良いぐらいの涼しい空気と暖かい日差し、辺りを見回すとどこもかしこも青々と鮮やかな新緑がこよなく鮮やかで美しい。

 彫りの深い地形を繋ぐ狭い道からは、所々で落ち込んだ谷間やその向こうへ連なってゆく何重もの丘陵、そして遠くには信越国境の残雪の山々が見渡せる。

 空は雲一つ無い青空、日差しはぽかぽか暖かで、最高に気分が良い。つくづく来て良かったと思う。

 稜線から降りた下山で、落ち込んだ谷間を新しい橋で渡ってしまうのは以前の記憶通り。登り返しが緩々なのも、やがて海老の集落が現れるのも記憶通り。

まつだいから海老・天水越経由でまつだいへ 赤は本日の経路

 10:30、海老着。湾曲した斜面上の道の形と分岐はやや複雑で、何度か地図を見直しながら狙い定めて赤倉への舗装林道へ入り込む。

 2m強ぐらいの細道の周囲は、杉林から畑の上手、そして谷間に面した斜面ところころ辺りが変わり、なかなか楽しい道である。はずだった、いつもの秋の通りなら。

 海老からならそう厳しい登りは無く、途中から下り基調となって赤倉の谷間へ下ってゆくこの道、自分の中では完全に安全な道という印象だったのだが、途中から落ち枝、落石の順に障害物が登場。しまった、と思ったときには谷間の小雪崩が道を塞ぎ始め、そのうちほぼ押しと担ぎの行程となってしまった。

 まあこの細さの林道、冬には除雪しないのは原則通りの当たり前の話である。甘かった。とはいえ、もう海老へ引き返しても、ここの他に道は無く、迂回するには松代手前の小屋丸まで引き返さないといけない。後悔先に立たずだ。

 雪崩に脅かされる道中ではあるが、辺りの山々も近くの斜面も相変わらず青色のかったような鮮やかな新緑の中。人気のない静かな谷間には山鳥の声が響き、風が若葉を揺らしてざざーっと通り過ぎるのであった。

記 2008/6/29

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Last Update 2019/7/25
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