目覚めると4時半過ぎである。しまった、目覚ましを完全に忘れてた。
でもまあもともと余裕はある起床時間の30分遅れ、傷は浅い。それより窓から外を伺うと、4時半ともなると辺りはそれなりにすっかり明るくなっている。空の雲の切れ目は無いものの、雲それ自体は高いようだ。昨夜の天気予報でも、後志地方の日本海側で曇り、降水確率は10/30%。予報通りの状況ではある。
これだけならあまり心配は無いが、一方今日の目的地の千歳は曇り後雨、15時から傘マークが付いていた。平野部の千歳でそうなのだから、ここからの経路の山間はプラス補正の危険側で考えておく必要がある。昨日みたいに予報が早まることだって有り得るのである。
外に出て乾かしておいたバッグ、靴を回収しないと荷物を入れて出発できない。もう多少濡れていても、走って乾かすしかないのだ。と覚悟して外へ出てみると、嬉しいことにバッグはすっかり乾いていた。靴など昨夜の時点ではまだびしょぬれで中に水が溜まってすらいたのに、もう全然問題無いレベルまで回復しているのである。さすがゴアテックス。
起床が遅かった分気が張ったのか、予定よりちょっと早めの5:55に出発できた。
天気は相変わらず曇りだが、その雲はやはり高く色は比較的明るく、空気そのものが乾いている。しばらく海岸部を走る分には安心して走れるだろう。
海岸に沿った島牧の市街地や漁港を抜け、昨日に引き続き国道229を東へ進む。泊、豊浜と、漁村、番屋が間をおかずに入れ替わり断続する。
一方海岸は、昨日続いた厳しい表情の岩場から、砂利浜主体の打って変わって寂しく優しい景色となっている。こちらもそんな中をてれてれのんびりと進む、気楽な道のりだ。
栄磯、港、そして本目までは、似たような小さな漁村があまり切れずに断続する。これが島牧村海岸部の風景なのだろう。
歌島からは再び岩場となる海岸際から台地上に乗り上げ、一路弁慶岬を目指す。
この辺りで大体いつも強い向かい風に悩まされていたのだが、今日は少し追い風気味で、気持ちに余裕がある。
曇り空の下ではあるが、台地上は灌木帯や牧草地の緑の世界。右に聳える山々も楽しく、そのまま寿都町界を越え、弁慶岬をくるっと120°回り込む。
寿都側に出ると、目の前に寿都湾が拡がった。弁慶岬を大きく回り込んだだけあって、今まで海側の視界の行く手は水平線で何と無くとりつく島が無かったのが、正面に幌別岳の大きなシルエットが登場し、その向こうには遠く雷電岬、雷電岳、積丹半島のシルエットまで見える。
問題は、それらに何と無くうっすら雲が懸かっていること。いまひとつ先行きは不安だ。
7:20、寿都着。島牧を早い時間に出発したのもあるが、向かい風に悩まされた去年よりも早着、なかなか順調だ。この調子で今日はなるべく早めに岩内、倶知安に着き、ささっと広島峠から美笛峠へ向かいたい。何たって美笛峠から千歳まで3時間強ぐらいみる必要があるのだ。今晩お邪魔する予定のたねやん邸到着を18時とすると、余裕を見て美笛峠には14時半か14時には着いておきたい。まだその行程には乗れている。
7:40、寿都発。寿都の街をバイパスする台地上の国道229は、建岩で再び海岸へ降り、朱太川下流の平野を横断する。寿都周辺は山、平地、海岸とどこもかしこも風車だらけで、時々「風の町」の文字と、オリジナルの少年キャラクターが描かれている看板もみられた。
道道229の交差点までは去年も来た道だったが、ここから1999年以来の再訪区間が始まる。と、道道229が分岐してすぐ雨がぱらついて止んだ。空気はそう霞んでいる感じではなく、単にぱらついただけだろう、と思った。
平野横断中は牧草地や畑、緑の中だった道だが、間もなく再び山が迫ってきた。海と山の間、ひと皮の平地には、林込みの茂みと田圃が断続する。田圃というのは意外だ。時々またもや風力発電の風車も現れる。
歌棄から、再び岩山が岸から切り立つ海岸沿いの道となった。
記 2008/9/7
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