朴の木→(林道朴の木線他)真荻平
(以上#2-1)
→(林道菱ヶ岳2号線)菖蒲
(以上#2-2)
→(林道天水島野々海線)深坂峠
(以下#2-4)
→(林道天水島野々海線)大厳寺
→(林道大厳寺線)天水越→(国道405)天水島→(県道80)松之山
→(国道353)池尻→(国道253)松代 55km
道は比較的緩急のある登りで、低木林や開けた斜面、連続カーブや直線などが入れ替わり、変化があって一本調子ではないため、飽きない道ではある。また、所々で拡がる棚田の谷間の風景、特に晩秋のこの時期は棚田の水が空を反射し、頸城ならではの精密な眺めだ。
しかし、空の雲はますます増え始め、肌寒さを感じるほど気温はどんどん下がり始めていた。この先野々海峠から深坂峠への信越国境稜線部では一体どうなってしまうのか。ちょっと不安になってきた。
国境の切り立った山肌に取り付くと、もうすっかり葉の落ちたブナ林の中、林道天水島野々海線はぐいぐいつづら折れを描き、一気に高度を上げる。斜度もなかなか急だが、何しろここだけで標高差100mを稼いでしまうのである。
切り立った山肌はそれだけに眺めは良く、つづら折れの度ごとに少しずつ良くなる眺めが素晴らしい。野々海峠のハイライトである。その眺めの良い道には、しかしながらガードレールが無く、山奥の舗装林道にありがちなコンクリートの小さな突起だけが道の縁からの転落を防いでいる。高所恐怖症でなくても恐ろしい道ではある。
つづら折れ区間が終わると、野々海峠への最後の直登区間となる。狭い溝の底を一気に鞍部に乗り上げるこの区間、ここが野々海峠の中でも一番斜度が厳しいような気がする。
13:50、野々海峠着。ただでさえ取り付く島の無い閉鎖的なこの峠、今日は気温が低く、なんだか気持ちまで冷え切ってしまいそうだ。ここはもうとっとと野々海池に下って、深坂峠を目指すことにした。
県境を越えた長野県側、稜線の鞍部に拡がるブナ林のダートはもはや冬枯れの景色。路ばたにも雪が目立つ。雲は更に空に拡がって辺りは寒々しく、体感温度を更に下げてくれる。野々海池にも何があるわけではない。
人気の無さが更に寒々しさを盛り上げるキャンプ場の炊飯場らしき流しで給水後、粛々と深坂峠への50m登り返しへ。
14:45、深坂峠着。せっかくここまで空腹と寒さに耐え、激坂を登ってきたというのに、いつもここで拡がるはずの東頸城丘陵は、さっきから次々押し寄せてくる雲にすっかり隠れてしまっていた。
記 2008/3/17