(以上#10-1)
→(国道275)金ヶ丘→(町道・広域農道)ポン仁達内
→(道道84)仁達内→(道道710)飛行場前
→(北オホーツク自転車道)猿払→(道道1089)猿骨
(以下#10-3)
177km
中頓別にもセイコーマートがある。ここで、休憩と共に懸案の方針検討を行うことにしよう。
とりあえず現実的なチョイスとしては、道道785の知駒岳か浜頓別直行かのどちらかである。知駒岳は峠部分で標高400m。この低い雲、天気がまだいまいち心配である。かと言って、浜頓別直行はあまりに安易すぎる。昼に目的地に着いてしまうなんて。
というわけで、一度上駒の道道785分岐へ向かってはみた。しかし、上駒で眺める知駒岳方面は、やはりまだまだ低く厚い雲が山にべったり張り付いていたのだった。
仕方無い、というか昨日に続いてまたもや助かった(笑)というか、大人しく引き返すことにして、12:10、再び中頓別通過。
下り基調の国道275でてれてれ流しながら、浜頓別を目指す。牧草地、森が繰り返され、寿、弥生と集落が過ぎ、中頓別で拡がった谷が更に拡がって、河口の低地の様相を帯びてきた。
もうこの先浜頓別へ向かえば、あまりコースの選択肢は無い。というのは、どこかで一筆書きを描こうとすると午後だけでは足りないし、既知の道ばっかりなのだ。
せめて浜頓別まで直接行かずに下頓別から南に逸れ、この頓別川の河口低地を回り込むのはどうかと思っていたが、その下頓別の分岐で気が付いた。こっちは確か通ったことがある。
ならば、このどんより曇りではあるが、もうちょっと楽しそうな浜頓別西側台地の牧草地を回ってオホーツク自転車道へ出て、浅茅野から北オホーツク自転車道未済区間の芦野を探索してはどうか。道の駅さるふつ公園まで足を延ばせば、ソフトか何かも食べられるだろう。今日はまだ全然走れていないが、これなら最終的に170kmぐらいは走れるだろう。
何だか行程消化の辻褄合わせみたいではあるが、まあこの天気、どこかへ向かっても進退窮まってしまうのだろう。
常磐で台地へ登り、金ヶ丘から広域農道へ向かうと、一気に緑の丘が拡がった。
雲は今まで通り低いが、空の表情はのんびりと、どこか伸びやかで道北らしい。
広い丘の背中から谷を横断したりまた丘に登ったり、地図とコンパスとGPSを眺めながら町道・広域農道を乗り換えてポン仁達内へ。
周りの牧草地の牛が、自転車が通過すると一斉にこちらを眺め、目を合わせてくれて自転車の動きに合わせて顔を追従してくれるのが面白い。牛の放たれている牧草地が多いので、どこへ行っても何だか人気者である。
仁達内で道道710へ乗り換えてからも、安別、共和とやはり牧草地のアップダウンが続く。
旧飛行場前駅から、いよいよ北オホーツク自転車道に合流。
細道が牧草地、沼、岸辺の森を抜けてゆく。途中には熊出没の看板もあり、何だか近くの茂みから熊が出てきそうで、自転車道とは言え気が抜けない。いつもながら鬱蒼と静かな、そして不気味ですらある自転車道だ。ただ、去年は木の根で路面が多少凸凹になっていたり、茂みが路上に張り出して道が埋もれてしまいそうだったのに、今年は明らかにそう言う場所が無い。このシーズン真っ盛りにしてほとんど訪れる人がいない自転車道ではあるが、丁寧にメンテナンスはされているようだ。
浅茅野の集落を過ぎると猿払川を渡り、いよいよ過去未済区間に入る。確か2001年、何故かこの猿払側の橋が通行止めで引き返したのだった。その後も、あまりに鬱蒼とした茂みの中に消えて行く道に、何となく不気味な雰囲気を感じて入り込めなかったのだ。
今回その茂みに突入してみると、中は入口ほど鬱蒼としてはいない。脇の茂みは道に迫り、時々その茂みの中で何物かが蠢き、路上のキタキツネが逃げてゆくが、それ自体はどちらかというとここまでの北オホーツク自転車道とそう変わらないのである。
でも、さっきの浅茅野の茂みから向こう、このあやしい道全体が何だかキツネの化かす幻想のような気もしてくる。まあ思えば私の人生そのものがそんなもんなのかもしれない。そんなことを考えつつてれてれ自転車を漕いでいると、いつの間にか空の雲が切れて青空が見え始めていた。良い傾向だ。
記 2007/9/24