北海道Tour03 #0 2003.8/8 出発

2003.8/14
標津郡中標津町開陽台にて
憧れの開陽台にて

 今回ほど出発までに気を揉んだことも無かった。
 それまで去年に較べて多少余裕のあった私の職場は、7月初旬ぐらいから急に忙しくなったのだ。休日出勤の代休を口実に、所定の休暇期間に有給を追加するという私の毎年のパターンは、今年はどう考えても使えそうにない。
 また、例年だと何とか取れていたはずの北斗星が、今年は8/8金曜発の券しか取れなかった。それも出発10日前を切ってやっと取れたのだ。毎年臨時を含めて3本あった北斗星のうち、今年は臨時の1本が隔日運転のカシオペアの穴を埋める形で運転されている。その臨時北斗星の運転される金曜しか券が無いようだったのだ。
 そこで、何かと条件が良くなった8/8金曜発として、所定の休暇期間をきっちり確実に取る作戦に方針転換した。これで走行日数8日は確保できる。

 ところが、出発の週の月曜、いきなり翌週UPの仕事が2本入ってしまった。とりあえず8/9土曜日は出勤ではないか、ということになった。
 となると、切符・宿はキャンセル、新たにはやてと北斗星の指定を取らないといけない。が、お盆帰省ラッシュの最混雑時、駆け込みの指定なんて何度試しても取れるわけがない。土曜の予約がだめだと、新幹線・在来線とも自由席を使うことになる。土曜日にちょっと早めに会社を出発すれば、はやて立席・特急つがる・急行はまなすで行けるが、悪夢のはまなす自由席泊になってしまう。若かった昔だったらこれでも何とかいけたが、今14系座席未改造車の仁義無き自由席の世界で寝る自信は無い。
 それに、これに乗り遅れると日曜発になるばかりか、日曜の昼間までまるまる移動になってしまう。つまり、金曜に無事出発できる場合より一気に2日も走行日数が減り、6日だけになってしまうのだ。それでも、土曜出勤となればこのパターンで動くしかない。
 東京駅での輪行時間短縮と出発日の4サイド出勤を避けるため、新幹線レールゴー・サービスで仙台にサイドバッグだけを先送りするのも魅力的だった。この方法を考えたときは、こんなに楽に出発できる方法があったのか、と思った。が、出発がどういうパターンになるかわからないと、仙台に寄る拘束を自分で作るわけにはいかない。

 関係部署の作業進捗にも一喜一憂しながら、何とかみんなで土曜は休もうということになったのは木曜の午前中。その予定業務と、直前になればなるほどショッカーのようにやっつけては現れる休み前の残務を完全に終えたのは、金曜17:20。定時10分前になって、これでやっと出発できると確信が持てた。
 天気予報を見ると、明日の北海道は降水確率60〜70%。ため息を付いているうちに17:30のチャイムが鳴った。

 素早く、目立たぬように、しかも問題無い程度に身の回りを片づけ、なるべく目立たぬようにWCへ向かい、速攻で自転車服に着替える。そのままなるべく目立たぬように忍び足で荷物エレベーターへ向かう。いつもの自転車出勤帰宅時とやることは変わらない。焦るな、焦るな。
 会社の通用口を出たのは17:40。うまくいった。いいぞいいぞ。あとはもう全力でとんずらするしかない。自転車をおいてある場所に向かい、灼熱の都心を東京駅八重洲口へ向かう。

 新幹線はやては東京発18:56、仙台着は20:37。去年までの最速やまびこと同じで、仙台まで2時間かからない。このおかげで、東京を出発しなければならない時間を繰り下げることができた。
 仙台発は20:58、いつもの21:17発北斗星1号ではなく、ちょっと早めのカシオペアのスジで走る夢空間北斗星である。6号車B個室に乗り込み、早速シャワー券を買いに食堂車に向かう。すると、何と食堂車は1号車、展望食堂車らしい。そういえば、夢空間という3両の客車はそんな構成だったような気もする。こいつはいいぞ。

 今朝は家から会社まで4サイドで走ってきたので、シャワーを浴びることができるのは非常に有り難い。シャワーを浴びてすっきりし、凄ざまじく大きな窓の夢空間食堂車で遅い夕食を取り、サッポロクラシックを飲む。列車内としてはなかなか恵まれた環境で、過ぎて行く田舎の灯りや自動車のヘッドライトを眺めていると、今まではらはらして縮んでいた内蔵がようやく元に戻ってきたような気になった。
 夢空間の食堂車は、見晴らしが良くて広々としている。こんなに素晴らしい食堂車には乗ったことがない。2号車のゴージャスなラウンジでもサッポロクラシックは飲めるようで、そっちも魅力的だった。が、食堂車で2杯飲んだらもういい気分になってしまったので、早々に寝てしまうことにした。

記 2003.8/9

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Last Update 2003.8/29
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