紀伊半島Tour06 #2-3
2006/5/6 須賀利→安井

大泊町・熊野市から国道311経由で紀和町へ 赤は本日の経路

須賀利→(県道202他)相賀→(国道42)尾鷲
→(県道778・国道311)九鬼町(以上#2-1)
→(国道311)大泊
(以上#2-2)
→(国道42・国道311他)宮井大橋→(国道168)蕨尾
(以下#2-4)→(国道425)柳本→(県道735)西→(国道425)安井
207km

紀和町上地 石垣が美しい斜面の集落 RICOH GR DIGITAL GR5.9mm1:2.4

 熊野灘区間最後の大泊。エメラルドグリーンの海岸の向こう、再び喧噪の国道42に合流すると、喧噪どころか何と渋滞中である。

 トンネルを抜けるとそこは熊野市だ。もはや12時前になってしまっていた。去年泊まった懐かしい熊野市YHの前を過ぎ、去年も使ったサークルKで小休止。この地方にはサークルKが多いのか、昨日から今日まで遭遇率が高い。

 などと考えている場合ではなかった。見込み違いで済ませられるレベルの遅れではない。朝行くと言ったばかりなのに、宿キャンセルの必要を再検討する必要すらあった。何たって去年熊野市を朝出発、途中大回りの険しい道ではあったが、17時にしか着けなかった龍神村。そこに今から向かうというのである。
 言い訳はいつものメカトラで行こうか、等と情けない気持ちでとりあえず地図を眺めた。と、熊野市から先の道をさんざん悩み、とりあえず回り道の奥瀞峡経由でコース組んだことを思い出した。そうだ、三角形の2辺でアウトなら、1辺を行けばいいだけだ。更に、龍神村への最後の県道735の峠、引牛越も、去年通った国道425の牛廻越より標高は低い。更に去年の国道425は、龍神村のだいぶ上手で谷間に降りたが、今日向かう予定の県道735は、直接龍神村の中央部に降りるのである。
 好条件は揃っているようだ。そこで完全に真っ暗になる19時から大まかに逆算し、16時十津川村蕨尾、15時本宮、14時瀞大橋という目安を立てた。これならまあそう狂うこと無しに行けるかもしれない。

 12:15南有井発。道の番号はさっきまでと変わらない国道311で、今度は紀和町へ向かう。確かこっちは真ん中の風伝峠をトンネルで抜けていたはず。

 こういう非常事態の場合には、いつもと違ってトンネルが非常に有り難いのである。それでも出発してすぐ、宿にキャンセルを入れるかどうか、電話を取り出して悩んだり、その度にまたさっきの計算を繰り返してみたりもした。

 今までのエメラルドグリーンの海岸と無人の山々のアップダウンと違い、棚田の拡がる緩斜面や狭い谷間に断続する小さな集落の中を、国道311はするする抜けてゆく。

 手持ち地図では細いはずの道の多くが拡幅済だったり、広いトンネルでくねくねアップダウンが解消されていたりしたが、まだ細道が残っている場所もある。何よりも意外なほどのんびりした、辺りをきょろきょろしながら走るのが楽しい道で、嬉しい収穫だ。

 風伝峠トンネルを抜けると道は下る一方で、こうなると現金にも快調な行程だ。

 役場のある板屋、その先の瀞大橋、初めてこの道を通った時が懐かしい道が続く。

11 瀞大橋から本宮経由で蕨尾へ 赤は本日の経路
21

 ちょっとくどい程の丸山千枚田の看板にも、また千枚田を眺めてみたくなった。

 上地では、悠々と切り立った山の間に道が急に狭くなり、美しい石垣と激坂アップダウンが続く。いつも通るのが楽しみな集落だ。

 竹筒で国道168に合流、ここから国道168・311の併用区間となり、やや谷が開けた北山川に沿って道が続く。

 見ていると奥瀞ジェット船がばんばん北山川を遡ってゆく。川原は砂利だが、そう川幅の広くない箇所もあり、船腹が摺ってしまうのではないかと要らぬ心配をしてしまう。

 宮井大橋には14:20に到着。ここで今度は新宮からの国道169、十津川街道に合流。

 比較的交通量が多い道で落ち着かないが、紀伊半島も真ん中のこの辺り、何かと便利なこの道は、過去の訪問でも使用頻度は高い。

請川から蕨尾・県道735経由で龍神村へ 赤は本日の経路 13
請川通過

 請川通過は14:35。15時到着目標からだいぶ盛り返している。いいぞ。しかし気は抜けないので、本宮の熊野大社は残念ながらそのまま通過である。本宮付近の景色は、山の形をかつて何度かTVで見たことがある気もして、心惹かれる。昨日の伊勢神宮内宮とともに次回以降への宿題にしよう。

 本宮から先、やや登り斜度が増え始めたと思うと、七色で新道が分岐。ぐいっと高度を上げて突如突入したトンネルを抜けると、どういうわけかだいぶ谷底から高度は上がっていた。

 狭い谷の彼方へ高速道路のような新道がまっしぐらに登っているのが見える。谷の狭さと深さ、その奥へまっしぐらに新道が登って行く光景はかなり独特で、他に見た記憶が無い。これはある意味かなり凄い。谷の形なりに空中を突っ切る新道の脇で、くねくね山肌に張り付いて高度を上げている道も見える。十津川街道の旧道だろう。してみると、あれがさっき「整備工事中のため旧道通行止め」と出ていた旧道そのものなのだ。

 新道が再び旧道に合流する頃には、谷底は見えないぐらいに深くなっていた。そうでなくても周囲は鬱蒼とした森だ。登りでペースも上がらない。

 結局、去年十津川街道から国道425へ進むかどうか悩みに悩んだ蕨尾には、さっきの30分早着から20分遅れで15:50着。でもこの時間なら、何とか日没までには龍神村に着ける確信が持てるようになってきた。

記 2006.5/13

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Last Update 2006.6/18
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