頸城の秋05 #1-1
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直江津着は9:18だったが、以前某氏から聞いていた幻の駅弁「謙信公お立ち飯」を仕入れるのに手間取り、9:50、直江津発。
昔ながらの品のいい住宅地を過ぎ、町外れで岩が切り立った日本海沿いの国道8に合流。久比岐自転車歩行者道は、その国道8の歩道部分として始まっている。
直江津から糸魚川方面へは、日本海の海岸から直接岩山が切り立っているので、国道8と久比岐自転車歩行者道も岩山の海岸沿いに張り付いている。その岩の狭間に、谷浜、有間川、名立と時々漁村が現れる。
今は山の中を長大連続トンネルで一気に通過してしまう北陸本線。その旧線をまるごと自転車道に整備した久比岐自転車歩行者道は、岩山と浜辺の間を国道8と共有しつつ、目立った坂もなく岩場はトンネルで、集落では庭先や山側の纏まったスペースを抜けて進んで行く。
路面はきわめて安定していて大きな水たまりも苔生す箇所も無く、この季節に落ち葉が溜まりすぎていることもなく、伝え聞くとおり、いかにも旧国鉄幹線風で実に走りやすい。
また、集落では住民の方が掃除されているのか、路上や休憩所がちゃんと掃除されているようだ。この丁寧な管理は、春に通った米山辺りの旧信越本線の遊歩道とはだいぶ違う印象だ。
また、国道8に沿ってはいるが基本的に路盤が別構成で、しかも国道8より多少高い位置を通っているので、道が国道の路上と別の比較的静かな空間になっている。開けた頭上の青い空、どこまでも拡がってゆく日本海。最高に気分がいい。
しかし、海岸から立ち上がる岩山を見るに付け、厚く低い雲の下、鉛色の日本海、延々続く岩山の裾に細々と道が続くかつての風景を想像してしまう。
WCを探すうちに、内陸へ入る予定の浜徳合を過ぎ、一続きの集落の向こう側、筒石へ抜けてしまった。
筒石で道ばたにWCを見つけて入ると、その床は掃除されたばかりらしく、まだモルタルの土間がしっとりしていた。手洗いの下のバケツや牛乳瓶に生けられた花にも、このWCを清潔に保つ方の気持ちに思いが馳せる。
記 2005.11/17