妻良→(国道136)子浦→(県道119)上小野 |
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2度寝して目覚めると6時過ぎ。外もだいぶ明るくなっていたが、周りのみんなはまだ熟睡中、その辺に転がっている。がさがさうるさいと顰蹙だし、息を潜めていても仕方無いので、朝の散歩に出かけることにした。
外へ出ると、昨日と同じくちょっと肌寒い。それ以上に、何だか強い風がぴゅーぴゅー吹いている。空も薄曇りっぽく、冴えない一日になるかもしれないと思った。でも、内陸の天気は安定しているかもしれない。
rikoさんとayakoさんが、宿の前で忙しそうに出発準備を始めている。昨日は車アプローチだったrikoさんが、早朝ランにayakoさんと出発するところなのだった。間もなく、じんたんさんも外の商店に何か買いに出かけていった。
ちょっと港方面へ、コンクリート堤内側の集落をぶらぶら散歩してみる。民家の密集する狭い路地を行ったり戻ったり、ふと気が付くと女子部屋のある民宿の前だ。「高地がなんか下をうろついている」などと話のネタになってはたまったものじゃないので、早々に大人しく宿に戻ることにした。
朝食は7時過ぎから。昨夜のメダイのお頭、伊勢海老の味噌汁、焼き魚を始め、生卵と菜っぱの漬け物を掻き混ぜるご飯、他にも昨夜と同様地元の料理が満載。動きにくいぐらい食べてしまって出発できなかった去年の失敗を活かして抑えて食べたつもりだったが、いや、それでも腹一杯食べてしまった。
食後はてきぱき布団上げ・荷造りと準備を進め、8:40、妻良「太郎衛門」発。
まず同じ湾の北側の漁村、子浦から県道119へ進む。鉄橋と切り通しで、海から立ち上がる岸壁上に強引な線形を描く136をくぐると、低山が迫る狭い谷の開始だ。
谷も道も狭く、鬱蒼と密な広葉樹林に苔生す砂岩が続くのは、昨日の蛇石峠と同じである。
でも、こちらは更に道が狭く、南国の海岸らしいの茂みの雰囲気がより濃厚だ。
海岸から内陸へ進むと、すぐに日差しが現れ、ぽかぽか暖かくなってきた。鬱蒼と木々が頭上を覆う場所でも、明るい木漏れ陽が楽しい。
覆い被さる木々の中、枯れた雰囲気のだらだら坂が続いた。
最後はちょっとくねくね道、稜線まで何とか高度を上げて峠部分に到着。狭い谷間の後で、峠部分の切り通しは、鬱蒼とした森の中で意外にも堂々と広々した印象だ。あるいは妻良への古くからの道なのかもしれない。
向こう側は山が陽差しを隠すのか、もう少し薄暗い杉林のくねくね道だ。
くねくね下って森から抜け、谷間がすかっと開けた上小野の分岐で一色方面へ。
紅葉は鮮やか、ススキは真っ白、秋まっただ中の集落の外れをつなぐ、静かで楽しい下り基調の里の道が続く。
一色で、妻良から一山越えてくる国道136に合流。伊豆半島も最南部まで来ると、マーガレットラインももはや単なる車の少ない田舎道である。
差田から今度は県道16、今まで通ってきた内陸農村部から、再び海岸の丘陵帯に突入する。
海岸の丘陵帯だけあって、アップダウンと横風や向かい風が感じられるようになった。景色も今までの開けた谷間からがらっと変わり、周囲の低山が迫り、紅葉の木々はぎっしりと密生している。その向こう、明るくまぶしい空がいかにも海岸を感じさせる。一同再びちょっとペースを落として粛々と進む。
いくつかトンネルとアップダウンを経て、ちょっと高度を下げて入間の漁港の脇を通過。いよいよここから石廊崎エリア、海岸の岸壁上の道となる。暖かく力強い陽差しの下で、静かな入り江の白い岸壁は険しく荒々しく、対照的に濃紺の静かな海。
去年も思わず足を停めた、中木の入り江を見下ろす第一展望ポイントで、車で別行動で先行していたrikoさんも合流。自転車部隊に付かず離れずの絶妙な距離でサポートしてくれているIsoさんと合わせ、一行は2台の車を従えた大部隊となった。
記 2005.12/16