2004.7/18
大弛峠・三国峠・
中津川林道・八丁峠
#3

赤は今回経路

塩山→(県道38・国道140)窪平→(県道210)杣口
→(杣口林道)柳平→(川上牧丘林道)大弛峠
(以上#1)
→(川上牧丘林道・村道)梓山
→(県道68・林道梓山線)三国峠
(以上#2)
→(村道13)中津川→(県道210)大黒
→(林道金山志賀坂線)志賀坂峠→(国道299)西武秩父  137km

真夏の中津川林道

 おにぎりを食べてから、14:10、三国峠発。

下り始める 山々との角度、高度、位置関係が変わるとともに刻一刻と変わる展望が圧巻 雲は多いが澄んだ空、強烈な午後の陽射しに照らされて山並みくっきり 来て良かった

 切り立った岩山に張り付いて、急カーブとブラインドコーナーが延々と続く。時々木々の向こうに拡がる谷間の先に、これから下る道が頼り無く張り付いているのが見える。とはいえ、道自体は幅広で、路面も良好、走りやすいダートだ。余程無茶をしない限り転落の心配は無い。

切り立った岩山に張り付く道 岩肌に沿って細かいカーブが連続
木々の向こうは断崖絶壁だが見えないと安心感がある それでもブラインドコーナーは要注意

 こっちでも岩山に張り付く木々は力強く生い茂っている。以前見渡せたはずの近くの山々が、今回はなかなか見渡せない。

ほぼ垂直の剥き出しの岩 一方道の外側には大展望
高度が下がると木々が次第に密に 木々に埋もれそうな道

 峠道の木々も、過去の晩春から初夏の淡い新緑ではなく、濃い色の夏の装いである。

垂直の岩が迫る 迫力満点の切り通し 岩の間をどんどん下る 岩面現わしの切り通しが連続 すごい難工事だったろう
つづら折れ区間終盤間近 側面の谷へまっしぐらに下る

 つづら折れで一気に高度を下げて谷底まで降りる辺りでは、勢いよく生い茂る緑に包まれた道が続いた。

谷底に降りきって中津川との併走区間になる こっちでもブラインドコーナー連続 砂防擁壁がものものしい中津川渓谷
谷底の森の道

 谷間の1本道をだいぶ下ってきた辺りの広葉樹林でも、道や頭上を覆い尽くす緑のトンネルができて、薄暗い道には所々木漏れ陽が緑色に輝いていた。

頭上を覆い尽くす木々、緑の木漏れ日 頭の上が開けるとまぶしい光が 見上げる山々も緑でもこもこ
道ばたの岩が荒々しい

 人気のダートだけあって、しょっちゅう車やバイクが通って砂煙を巻き上げるが、意外に木々の間にざわっとした風が吹いていて、砂煙がすぐにどこかへ消えてしまうのが有り難い。

だいぶ下へ降りてきた 乾いたダートは埃っぽい 木漏れ日がまぶしい 次第に気温も上がっている 王冠のキャンプ場到着
しかし相変わらず山深い道 まもなくダート終了

 だいぶ下って、王冠のキャンプ場を過ぎた辺りからどんどん暑くなり、やがて延々18km続いたダートがようやく舗装道路になった。

中津川の外れ 青空に緑の山々 集落を抜けると道の表情は相変わらず山深い 中津峡 ショッカーのようなコンクリートのトンネル口

 中津川の集落を抜け、いよいよ八丁峠への分岐、岩山に穿たれた短いトンネルのコンクリート入口が見えてきた。15:30中津峡発。

高く切り立った岩壁 荒れた川原 落石防止の金網がカーテンみたい 深く落ち込んだ狭い谷 こんな地形があるのか 頭上にオーバーハングする岩

 神流川の谷間では、道と谷間だけが垂直に高く立ち上がった両側の岩壁に挟まれて蛇行する。その川原には大水の後のように大きな石や流木が無惨に乱雑にごろごろ転がっていた。谷間一杯に迸る濁流の風景を想像してしまう。
 垂直に切り立った岩は時々道の上までオーバーハングする。岩に張られた落石防止の金網が、何とも物々しい。前回通ったときには、この辺りでGPS電波が全く受信できなかったものだ。

少しずつ頭上が開ける ちいさなトンネルが断続 トンネルを抜けると鉱山施設出現 すぐ向こうでこの区間最長真っ暗登りトンネルに突入

 トンネルを抜けると渓谷が拡がり、カーブの陰から鉱山施設が現れた。この寂れた鉱山施設は八丁峠を訪れた人にはお馴染みのもので、工場、住宅などが、長い区間に渡って渓谷に代わる代わる登場する。

上野大滝林道と分岐 斜面に張り付く寂れた鉱山施設 施設と施設の間は普通の峠道

 半分以上登った辺りの集会場には、以前飲料自販機があったはずだが、今回はもはや完全に撤去されていた。
 その集会場を過ぎる辺りで正面に壁のように緑の山がそびえ立つ。八丁峠の山だ。

正面は八丁峠の山 垂直に切り立つような岩山 かつて自販機のあった集会場 今は人気が無い とりあえず八丁峠への最後の区間開始 これからが長い

 つづら折れを描きながら、谷底から離陸するように高度が上がってゆく道からは、今まで遡ってきた谷の山が、夕方の赤みを帯び始めた光に包まれているのが見えた。気が付くともう16時を過ぎている。

生い茂る木々 緩急ある坂 もう夕方 木陰の道も薄暗い 荒れ気味の舗装路面 広葉樹林が続く中、次第に高度を上げる トンネル手前で採掘場が出現 いつみてもすごく高い場所に重機がある 八丁トンネル到着

 16:50、八丁トンネル着。
 八丁トンネルを抜けた小鹿野町側は、トンネル出口の外で道がほぼ直角に曲り、ガードレールの外が一気に谷底まで落ち込んでいる。このため、山肌を巻いたりつづら折れを描いたりして急激に下ってゆくこの先の道や、更にその先合流する国道299の谷、その向こう、二子山をはじめとする空に浮かぶような山々を、広々と見渡せる。

トンネルを出ると空の中 ガードレールの向こうは空 一気に落ち込むに谷底、山肌を下る道、二子山が見事 八丁トンネルがいかに空中に向かっているかよくわかる それにしても今日は空が澄んでいる

 もうすっかり夕方なので、昼のように強烈ではない、オレンジ色のほんわりとした光が、風景全体を明るく包んでいる。今日は大弛峠でも三国峠でもそうだったように、暑さの割には空気が澄んでいる。遠景も、このほんわりした、しかし夏の力強い明るさを含んだ色に染まっていた。
 峠の茶屋の裏、前回枯れていた泉は、今回も枯れていた。風景を少し眺めて一気に下り始めることにする。

つづら折れでぐいぐい下る 左手に聳える山にさっきまでいた八丁峠の展望台が見える

 ぐいぐい急下りで標高を下げてゆくと、せっかく一度登って涼しくなった空気が、再び驚くほどの勢いで暑くなってきた。途中でついさっきまでいたはずの八丁トンネル付近の遙かに高く見上げ、志賀坂峠着は17:15。

志賀坂峠到着 トンネルの向こうは群馬県中里村 国道299の谷を見下ろす
断続する集落をひたすら下る もうすっかり夕方 陽射しも赤い

 あとはもう一気に小鹿野へ下り、今日の静かな道を思い出しながら交通量の増えた国道299を黙々と進み、18:40、西武秩父着。

夕暮れの秩父市街 西武秩父到着

記 2004.7/25

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Last Update 2004.10/9
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