札幌→(豊平川自転車道)東雁来
→(国道275号)当別
→(道道28号)四番川
→(国道239号)柏木
→(国道232号)苫前
200km

四番川

苫前

留萌

増毛

雄冬

浜益

青山ダム

当別

札幌

北海道Tour00 #1
2000.8/10 札幌→苫前


 起きると、急行はまなすは南千歳を出発したところだった。窓の外の空は曇りだったが、ぼんやりしているうちに太陽が出てきたので、北広島までの車窓の森を眺めていた。
 フレックスで会社を抜け出してばたばたと出発し、あわただしく4度も乗り換えして、ようやくここまで来て落ち着いて車窓を眺めることができた。広葉樹やら草の青みの強い緑色や、ひたすら似たような森が続く風景は、まさしく北海道ならでは。また北海道に来れたのだ、と実感する。

 6:18、札幌着。意外に蒸し暑い。北口にそれらしい場所を探し、早速輪行袋から自転車を取り出して、組立て始めた。寝袋がごろごろ転がっている風景は相変わらずで、脇に輪行袋を置いているのも多い。昔から札幌駅では、いかにも貧乏そうな学生ツーリストやらバックパッカーが駅前でごろごろ転がって寝ていたものだが、時代が下って学生ツーリストがチャリダーになっても、なんかみんなやっていることはあまり変わらないのがうれしい。
 80%位組み上がったところで、カムイメンバーのこあきさんが登場。昨年に引き続き、出発の見送りに来てくれたのだ。自転車は元兎亀某氏の緑のたぬき号。いろいろ整備やカスタマイズが進んでいるようで、「余生を送る」どころでは無さそうだった。

 朝食を食っているうちに時間が過ぎてしまった。家へ向かうこあきさんに先導していただき、7:50、札幌発。曇り空の下を豊平川自転車道に向かう。
 豊平川自転車道は入り口が見つからず、土手を挟んで並行する車道も路側帯が少なく、たどり着くまで少し難儀した。が、入ってみれば平日の朝だからかほとんど独占状態。土手の中を外界と隔離され、高い夏草の脇を走るというなかなか雰囲気のいい、走りやすい道だった。
 国道275号に出ると、土手の中を走っていたからわからなかったのだが、周囲はすっかり札幌郊外の農村になっていて、その後、豊平川・当別川・石狩川と、川を渡るごとに周囲の農村度は高くなっていった。

 9:10、当別発。所々道路にインターロッキングブロックが敷いてあり、妙に大都市の近郊っぽかったり、なぜか妙に古い木造店舗が残っていたりとアンバランスな当別の町中をショートカットし、今度は道道28号へと向かう。

 ほんのわずかの登りになっている道を、追い風に乗って快調に進む。天気は相変わらず曇りだったが、常に日が射す程度の曇りに変わっていた。所々雲の切れ間に、夏らしい色の青空も見えていた。道道28号は車が少なく、国道じゃないせいか路盤レベルが下がって、周囲の田んぼや畑を近くに見ることができるようになり、草の匂いが楽しい。やがて谷が狭くなり、田んぼは休耕田に変わる。休耕田に自生する野草の一面の黄色い花が見事だ。
 そのまま進むと次第に坂を感じるようになる。道路の両脇に白樺林が迫り、あまり意識していなかった蝉時雨が急に近くに聞こえだした。

 谷間の緑の中を更に進み、10:40、青山ダム着。道路脇から湖岸の森の中へと自転車道路が始まっているのを見つけ、迷わずそちらへ進んだ。ちょっと砂利が浮いているが、程良い狭さのまあまあ程度の良い舗装道路が、ダム湖の周りにしばらく続く。時々見渡せる湖面や周囲の山々の風景の山深そうな雰囲気が楽しい道だ。何より自動車が来る心配がない。
 どうやらそれは「道民の森」の自転車道だったようだ。しばらく登ったり下ったりし、山の中から唐突に現れた道民の森の事務所・駐車場を経て、再び道道28号に合流する。そこからほんの少し下った四番川で国道239号と合流。ここから日本海の海岸を目指し、西に進路を変える。

 「峠」と言うほどでもない峠を越えると、海岸線までは下りが続き、12:25、柏木着。ここからは日本海の海岸線を国道232号でひたすら北上する。

 絶壁に張り付く道路や、トンネルで岩山を抜けたり、丘を越えたりという道が続く。同じ日本海側だけあって、去年走った島牧村の風景に少し似ている。
 14:20、増毛着。以前FHOKUTOでチェックしておいた「寿司の松倉」で遅い昼食にした。ここの有名な「ジャンボちらし」が食べたくて、今までおにぎりだけで我慢してきたのだ。
 店はごく普通の寿司屋で、早速値段を聞くと\3300。高いが、今チャンスを逃しても多分次回増毛に来ても食べないだろうと「ジャンボちらし」を注文。できるまで眺めていると、文字通りの山盛りご飯の上に2・3人分のネタが乗せられた、凄ざまじいボリュームのちらし寿司と言うことがわかってきた。さすがに全部食べるのは骨が折れたが、完食証明が出た。食べ終わるとしばらく動けなかったが、時間的にはそうも言っていられない。

 15:20、増毛発。鉄道が併走するだけあって、国道の交通量は増える。留萌までしばらく我慢だと思い、海岸線の国道を黙々と追い風に乗って走った。

 16:05、留萌発。再びの曇り空の下を、小平・港町と苫前へ向かう。
 2・3ヶ所の丘越えの区間をのぞき、ほとんど起伏もない砂浜基調の海岸線を、けっこうな追い風に乗ってひたすら進む。海岸から急に立ち上がる山の風景は、小平→港町では岩山基調、港町→苫前では緑の茂みと、それぞれ20kmぐらいずつ似たような風景が続いた。が、砂浜あり岩礁あり、美しい日本海ありと、退屈はしない。

 丘の上に並んだ風力発電の巨大なプロペラが見えてきた。苫前の風力発電だ。プロペラという語感とか、ほっそりとした外観から何となく先入観としてあるスケール感とかけ離れた巨大なプロペラが、何本も丘の上でくるくる回っているのは度肝を抜かれる光景であり、ユーモラスですらある。
 18:20、苫前の民宿「30ノット」着。

 天気予報では明日は朝のうち雨。ちょっと心配ではある。

記 2000.8/10

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Last Update 2004.1/1
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