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北海道Tour99 #8
1999.8/7 札幌→母子里

札幌→(国道275号)母子里 約213km

今日の経路(赤表示)と今日までの経路(灰色表示)

添牛内

朱鞠内

当別

新十津川

札幌

石狩沼田

幌加内

母子里


 6:00、宮ヶ丘YHを出発。
 このYHは円山公園の中に建っているが、同時に札幌の高級住宅街に面している。6時過ぎの住宅街はまだ静かで、車も少ない。朝もやの静かな坂道を下り、札幌の中心部へと降りる。
 朝飯の食えそうな店が無いので、札幌駅北口に行く。今朝は7:00集合で、カムイメンバーのすがたにさんに妹背牛まで引いていただくのだ。これをやはりカムイメンバーのこあきさんが見送りに来てくださるとの事。おんぶにだっこの今日の私である。
 駅前にはサンクスがあるはずだ。まだ6:30だが、弁当を食っている内に30分なんてすぐ経つだろう。

 7:00。まずすがたにさんから登場。兎亀の頃と変わっていない印象。自転車は、Vitusのカーボンパイプのレーサー、「お泊り用」とのこと。シュパーブプロRD&Wレバー、XC-PRO FD、とシュパーブプロ好きの私の心を見透かしたような構成だ。FDがXC-PROなのは、フロントがトリプルだから、とのこと。
 し、渋すぎる。しびれた。
 次いでこあきさんがにこにこしながら登場。書き込み通りの明るい健康美人という印象である。MTBチャリダーみたいなのを想像していたのだろうか、こあきさんは私の4サイドバッグ付きのランドナーを意外な印象とともに気に入ってくださったようだ。すかさず、すがたにさんと私で、「どうすか、1台?」とだめを押しておいた。
 こあきさんのIXYで、3人の集合写真を撮ってもらう。出来上がりが楽しみだ。

(2枚とも
写真は
こあきさん)

 こあきさんに見送ってもらい、7:20、札幌駅を出発する。すがたにさんに早くも先導してもらう。札幌の町は直交グリッドによる街区で構成されている事は知られている通りだが、1街区の大きさと信号のタイミングが、車や自転車には都合が悪いのだ。これをすがたにさんは信号が赤になったら左折する、というテクニックで回避していた。
 それと、「多摩川オフぐらいのペースでお願いしますね」という私の要求に対し、何回かちょっとキツ目の加速でペースをつかみ、後は最後まで引っ張り効果まで考慮したベストのペースでぐいぐい引っ張ってくださった。すごいテクニックだ。さすがは兎亀で「教官」と呼ばれているだけの事はある。
 街の北側を走る道央自動車道下の道路を、国道275号線へ向かう。

 国道275号線に入ると、すぐに札幌郊外の広々とした牧草地が開ける。大きなポプラがリズミカルに立っているのが見える。道路は広々としており、意外なほど車も少ない。Vitusのカーボンロードと4サイドのランドナーは直線・大きなカーブ、ほとんど平坦という国道275号を快走しつづけた。
 すがたにさんいわく、「2・3箇所の坂」の一つだという坂を登り、石狩川を渡る。川は恐ろしいほどの濁流で、泥水に溢れていた。石狩川を渡ると、それまで単なる蒸し暑い曇りだったのが、なんかいやな黄土色の濃くて低い雲が行く手に拡がっているのが見えた。

 やがて、山が近づき、当別町で道路はほぼ直角に進路を変え、山と石狩平野の境界を走るようになる。
 左側の山が近づいたり離れたり、街になったり農村になったり、水田の中だったり草地だったり、低くなだらかな丘を登ったり下ったり、時々石狩平野の展望が開けたり、それらのくり返しだ。緑は多いがまあ単調な道が続く。すがたにさんは、「ひとりじゃ走る気しないですね」と言っていたが、よくわかる。
 しかし、単調ではあるが、何より普通の北海道の田舎道なのがいい。

 ちょっと空の青い色が見えたと思ったら、一気に太陽が出て気温が上がり出した。9:00、本中小屋のセブンイレブンで10分位コンビニ休憩にする。

 道路はほとんど平坦で、風は時々向かい風になったがほとんど追い風状態。すがたにさんに引いてもらって空気抵抗が無いせいか、ペースが上がってもすごく楽に走れる。
 昭和30年代と言うか、20年代からそのまま風化してしまったような月形の町や、刑務所のある緩やかな丘、水田やらの中を更に快調に走りつづけ、10:30、鶴沼の道の駅で休憩する。風が当たっているので意識しなかったが、止まってみると猛烈に暑い。

 10:50、出発。程無く、単調ながらそれでもまだ緩い坂やカーブのあった石狩平野の端から全く平坦な中心部へ出て、水田の中を走る。猛烈な勢いで次々5万図が替わってゆく。新十津川を通過し、滝川の石狩川の堤防に沿って走ったかと思うと、再びまた離れて更に単調な平野の中の一本道となる。

 12:00、「道の駅田園の里うりゅう」で昼食にする。レストランに入ると、2人とも汗だくで浮きまくっていたのがちょっと心配ではあったが、構わずに注文した。外は異常に暑くなっていた。レストランの中はクーラーが効いていて、とてもありがたかった。こういう時、やっぱり自分は空調依存の身体になってしまっている事を感じる。
 水差しをもらって、冷たい水をがぶ飲みした。

 12:30、出発。すがたにさんの当初の目的はすぐ先の妹背牛までだったのだが、予想よりもかなりペースが早いため、石狩沼田まで一緒に来てくださるとの事。
 道路は丘を登りはじめた。とともに、曲がったり地形に沿って上下したり、道路や周辺の風景にもやや変化が出てきた。留萌まで40kmの標識に少しそそられるが、いや、ここまで来て予定変更はない。
 13:15、沼田着。すがたにさんのおかげで、けっこうイケイケペースで走ったにもかかわらずほとんど疲れていない。自分だけだったら、しばらく休憩の必要なペースと距離だ。しかし、走りのでたらめな私は、何回かすがたにさんの後輪にサイドバッグを接触させてしまった。すがたにさんの速度は常に安定していたにも関らずである。すみません。

石狩沼田のワタクシ 石狩沼田のすがたにさん

 ぎらぎら照りつける太陽の下、石狩沼田の町は人もまばらで、子供が自転車を漕いでいるくらいしか見当たらない。いかにも夏休みっぽい雰囲気の漂う石狩沼田の駅前で記念写真を撮って、13:30、すがたにさんに見送られ、単独で出発。

 沼田から先雨竜川の谷に入り、国道275号の周囲は急にのどかになり、交通量も今までとは段違いに少なくなる。多度志からは更に交通量が少なくなり、 竜川の谷間の一本道を北上する。
 鷹泊から幌加内峠を越えて下ると、谷間の畑は全部ソバ畑で、白いソバの花がやや拡がった盆地全体を白くしていた。また、道路脇の林は全てシラカバに替わっていた。幌加内峠で植性が替わった事になる。緩く波打つ谷間一杯を白く彩ったソバ畑・シラカバ林は夢見るように静かな風景で、見事であり、かつて深名線に乗った時の、単調な山間の風景とは全く違う印象を受けた。いったいあの時、自分は何を見ていたのだろうと思った。
 そろそろ太陽光線は赤い色になり、斜めから射すようになっていた。15:50、幌加内着。

幌加内町 一面のソバ畑

 盆地の畑の中を抜け、山の間を抜け、また次ぎの盆地で集落になるくり返しが何回かあり、その度に標高は少しずつ上がり、盆地は小さくなり、山間の区間は長くなっていった。
 幌加内町はソバで有名なだけあり、盆地の大体の畑にはソバ畑が広がっていた。夕暮れの赤い空の下、山の影で覆われた丘に一面のソバ畑の白い花がとても美しい。畑が切れると今度はシラカバ林の白く細い幹がよく目立つ。

 18:10朱鞠内着。ここから母子里までは雨竜川の谷を登り、朱鞠内湖に沿って走る。そろそろ薄暗くなり出していたが、時々見渡せる満水の朱鞠内湖は見事だった。そもそも、いつも朱鞠内庫は水が無くて枯れた木が林立しているような湖なので、満水の朱鞠内湖自体珍しい。

 19:20、母子里到着。ちょうど、夜になった。

記 1999.8/10

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Last Update 2002.6/2
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