北海道Tour98 #13
1998.8/15 上士幌→新内

上士幌→帯広
→清川
→十勝清水
→新得
→新内
185.0km

新得

十勝清水

八千代

中札内

清川

帯広

士幌

上士幌

萩ヶ丘

新内

今日の経路(拡大表示)今日の経路(赤表示)と今日までの経路(灰色表示)


 宿の朝食は8時とのことなので、7:00、朝食をとらずに出発。ある意味自殺行為ともいえるが、何でもすぐ近くの上士幌の街はコンビニが4軒もあるそうなのだ。セイコーマート・セブンイレブン・ローソン、そしてコミュニティストア(だったかな)。なんでこんなにたくさんあるの?という気もするが、上士幌は車交通上の重要ポイントなのではないか。
 便宜上最初に見つけたセブンイレブンの前での前で座り、朝食を取る。33歳にもなって、という文字が頭によぎる。プラスチックの弁当箱は今日もごみ箱へ直行だ。弁当の容器とはそういう性格の製品なのだが、毎日のように食料を馬鹿食いしては燃焼していると、ツーリングというのはつくづく乱暴で贅沢な趣味だと思う。食品パッケージのリサイクルというのは、時代の重要なテーマではないかとも思う。しかし、今自分がコンビニ弁当を食わずに、ツーリングを止めても解決する問題ではない。

 今日は狩勝峠の途中、新内まで移動すればいい。距離的には本来たいしたことないので、一度十勝の南側、帯広市の清川まで下って、そこから北上し、国道38号へ合流して狩勝峠を登ることにした。
 とにかく、十勝を走りたかった。十勝の地形はどちらかというと起伏が少ないため、、風景は多少捕らえどころにとぼしく、印象が薄いところがある。そんなことは今回はどうでもいい。とにかく、十勝の防雪林やら畑やら牧場やらの中を走ろうと思った。
 清川というのは、実は行き先はどうでもよく、2年前に一度通ったことがある上札内にしようとテキトーに思っていたのだが、「民宿かぶとむし」の宿主さんから、「日本一おいしいかもしれない焼肉屋が清川にある。ジンギスカン白樺だ。」と聞いていたので、上札内に近い清川で折り返しもいいだろう、ということになった。「日本一おいしい」というのは、宿のお客さんに全国の焼肉店の8割位に行ったことがあるという人がいて、その人が「日本一うまいかもしれない」と言ったことによるそうだ。

 上士幌町、士幌町、音更町と一直線に帯広まで下って行く。起伏が少なく、全体的に下りの田舎道だが、全く一直線だ。斜里郊外の一直線道路よりはるかに長い。斜里の一直線道路は多分「国道で」日本一ということなのではないのか。一直線に植えられたカラマツ、ジャガイモ畑、とうきび畑、麦畑、小豆畑等の中をとにかく高速で下る。
 来る前に、フリーをサンツアーのMTB用みたいな6段(安いやつ)からザックスの6段(13〜26)に変えた。「長谷川自転車商会」の広告に載っていたのを見て、「これがおれの欲しかったやつだ!」と飛びついたのだ。ザックスの6段とスズエの密封ハブは調子いい。漕がずに惰性で走るときに圧倒的に軽いのと、静かなのだ。下り道ではこれがとにかく調子いい。タイヤの音まで聞こえてくる。ペダルを止めて耳なんてすましてしまう、こういう時はつくづく「やっぱり自転車が最高!」と思ってしまう。
 朝っぱらから、士幌の空には気球が浮いていた。直下を通るときに見上げると、バーナーの火が見えた。

 10:00、帯広着。帯広のすぐ手前、音更町は意外にもかなりな都会であり、音更町木野の住宅地では、なんとPHSが使えた。さっそく、カシオペアに321Sをくっつけて、溜まった走行記録をUpした。
 帯広と音更の境界の十勝大橋は、ダイナミックな吊り橋だった。カーブの向こうに現れた吊り橋を見て、「おおっ」と言ってしまった。「本家の十勝大橋がここなのか」とも思った。「新十勝大橋」を5月に渡って、その巨大さに驚きつつ、橋から見る十勝側下流の風景にもう一度感動したものだった。
 この新十勝大橋は、十勝南部と言うか東部と言うか、豊頃町の十勝川河口にかかる橋だ。帯広よりもはるかに南である。とにかく平野をのたうつ十勝川の眺めが素晴らしい。この橋のほかにも、かつては未舗装区間で有名だったナウマン国道は、今は自転車で走りやすい、ツーリングにはオススメの道である。

 そういえばなんとなく知っていたような気もするが、高架になっていた帯広駅にはびっくりした。
 帯広ではJRの切符の払い戻しをした。何となく道東から輪行しようと思って根室から買っておいた切符を、富良野から旭川回りのやつに変えようと思ったのだ。
 ツインクルプラザで変更待ちの間、なんとなくピンときて自転車に戻ると、自転車の脇にはあやしいおやじが立っていた。やばい。
 早速、自転車をわざとらしく移動すると、すこししてからあやしいおやじは駅の中へ消えていった。危ない危ない。

 再び田園風景の中を走りまくり、11:45、清川着。なんか学校のほかには何も無いような田舎の集落だ。と思っていたら、いきなり木の陰から駐車場と「ジンギスカン 白樺」が現れた。おおおっ、混んでる混んでる。基本的に人口密度が少ない場所なのに、店には順番待ちの客がたむろしている。
 やや待って、案内される。メニューは基本的にジンギスカンとライスしか無い。「ラム肉」ということで、ジンギスカンを軽く見る人がいるが、その人は不幸せな人だ。皿3枚+ライス3杯、一気に行ってしまった。ショウガが効いたタレと、柔らかいラム肉と玉葱がとてもおいしい。日本一はちょっとわからないが、何と言っても安い。コストパフォーマンスだったら問題無く日本トップクラスだろう。ジンギスカン(ラム肉150〜200g位か?+玉葱)\380/皿、ご飯\180で普通の人なら満足するだろう。しかし、やっぱりかなり胃がでかくなっている。

 12:30、清川発。
 清水町まで山沿いを走る。天気がいいと、十勝平野を一望できそうな感じの道だ。「感じ」というのは、この道を通るのは2回目だが、前回(96年)は雨の中、今回も霧雨の中かまたはガスがかかっていて遠くが見えない状態なのだ。
 あまり遠くは見えなくても、高いところから風景を見下ろすのは気持ちがいい。登り坂が多い区間でもあり、戸蔦・広野・上美生・旭山とゆっくり走り、十勝を満喫した。とはいえ、晴れたときにぜひ通りたい道である。
 霧は時々霧雨になり、雨になる。濡れたばかりのような路面を走ったり、時には雨の中を走りながら、坂を登ったり下ったり、結構ゆっくりしたペースで清水を目指す。思えば、本来夏の十勝は曇りや霧が多いと聞く。それはわかっていたのだがなんとなく来てしまった。後悔はしていない。

 16:10清水着。セブンイレブンで一休みして、ここからは国道38号線を最終目的地の新内まで行く。国道は自転車での走行速度はある程度上がるが、交通量が多くやっぱりあまり好きじゃない。

 いつのまにか新得には「サホロユースホステル」なんてできていた。サホロユースホステルの前には、昨日の晩「かぶとむし」で一緒だった人のMTBが置いてあった。おお、ようやく夏の北海道らしくなってきた。
 セイコーマートで、例によって補給していたら、何と本人が現れた。なんか物資調達にきたらしい。彼は東京都東大和市に住んでいる。自分は隣の東村山市に住んでいる。おお、ますます夏の北海道である。

 17:30、新内着。霧雨っぽくなってきたので、早めに今日の宿の「ロッジあるぷ」に退散。
 新内というより、ここは狩勝高原という名前で通っている。しかし、自分としては以前「鉄」だったので、「新内」という旧根室本線の信号所の名前のほうが印象深い。といっても実際に新内信号場や旧狩勝峠に何か思い出があるわけではないのだが。

記 1998.8/15

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Last Update 2003.1/24
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