養老牛温泉→北進
→養老牛温泉
20.0km
北進
養老牛
養老牛温泉
いつものように5:30に起きると、雨が降っていた。天気予報では日中曇後晴れとのことだったが、今日の走行はあきらめよう。
走りたかった道は、別海町の上風蓮から厚岸町の茶内原野を抜け、やはり厚岸町の大別に至る40km強の道だ。どこまでも波打つ根釧原野・どこまでも広がる牧草地・そして森林と湿地帯の中、延々と道路は果てしなく続く、そんな道だ。すれ違う車など、何10分も来ない。しかし、舗装は完璧、アップダウンの要因を別にすれば実に走りやすいのだ。機会がある人は、ぜひ1度走ってみてほしい。
少し寝て、起きて風呂に入って、朝食の後また露天風呂。その後今後の旅程をちょっと考えて、また寝た。ほとんどじじいの生活ではある。
今後の旅程は、実は立てずに北海道に来てしまった。なんとなく、道東と十勝を走りたいという気持ちがある。しかし、この異常気象である。ただでさえガスの出る確立が高い根室方面はやばいかもしれない。
地図、「とほ」、カシオペアを持って昼食がてら北進の喫茶店「牧舎」へ出かけた。といっても片道8kmくらいある。荷物をおろした自転車にフロントバッグだけくくりつけて、出発。
昨日走った牧草地が、霧に包まれている。といっても霧雨になるわけではなく、向かい風ものんびりと走る分には問題なく、逆に帰り道が楽なのでほっとするくらいである。
スケジュールを気にせず、ゆっくりと走るのはやっぱりとても楽しい。思えばちょっと世知辛い走りをしすぎた。せっかく来た北海道だから、1kmでも多くの道を走りたい。しかし、今日はのんびりするのだ。
大きな緩い坂を下って登って、カーブがあって直線があって、右と左に牧場があって遠くに一直線の防雪林。また中標津に来れたのだ。ここはやっぱり好きな場所だ。
牧舎というのはとある牧場がやっている喫茶店で、牧草地帯の中にいきなり建っている。ここでコーヒーとカレーを食べながら1時間くらいぼうっとしようと思っていた。大盛りカレーを食べて、1杯だけではぜんせん足りないのに気がついた。別にカレーの量が圧倒的に少ないのではなく、毎日馬鹿みたいに食べちゃ燃焼しちゃを繰り返しているため、まともな量じゃ足りないカラダになってしまっているのだ。そう、ツーリングを開始して1週間が経とうとしている。旅程が半分以上すでに過ぎたのだ。この分だと東京へ帰ったら毎日カプリチョーザだろうか。
帰り道、何人かチャリダーとすれ違った。単なる「道道開陽計根別線」という道なだけではなく、この道もライダーやチャリダーのメインルートとなっているのだろう。北海道のライダー・チャリダーの間では、手を振ったり単に手を挙げたりしてすれ違う相手にサインを送るのが何故か習慣となっている。ライダー同士では確実にこれを行うが、ライダーから自転車にこれを送られる場合、特に坂道であえいでいる場合など、心ならずも返事がめんどくさくて省略して首だけ振る場合もある。首を振るのすら坂道では辛い。チャリダー同士の場合は、時には声まで出して挨拶する。それは、自転車に乗っているというだけでお互いに苦労を共有しているような意識があるからだ。なんかこういう時には、坂道が大変でも自転車で走っていてよかった気分になる。
霧の牧草地を見ていて、何だかふと道東にはもう満足した気分になった。道東はまたいつか集中的に走る機会を作ろう。明日はもう十勝へ行くのである。
しかし、夜の天気予報では明日は曇り後雨。輪行かもしれない。
記 1998.8/13
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Last Update 2003.2/4