北海道Tour24#13 2024/8/17(土)美瑛の休日

A地点からC経由でB地点へ 赤は本日の経路

大村→大村 (以上#13-1)
(以下#13-2) 区間2 (以上#13-2)
(以下#13-3) 区間3 (以上#13-3)
(以下#13-4) 区間4 (以上#13-4)
(以下#13-5) 区間5  26km  RIDE WITH GPS

ニューサイ写真 RICOH GR GR18.3mm1:2.8

北海道Tour24#13 2024/8/17(土)美瑛の休日

赤は本日の経路 濃い灰色は既済経路と航路 ------------------------------------------------------------ -->

 天気予報が望み薄でも何でも、4時に起きて天気予報をチェック。昨日とあまり変わらない、というかむしろ悪化しているではないか。美瑛が最高気温28℃、終日曇りで午前中8時に雨マーク、降水確率はずっと50%。よくわからないのは、予報自体は曇りなのに午後に晴れマークが付いていて、それなのに降水確率は終日50%。要するに不安定な天気なんだろう。
 富良野市に目を向けると美瑛と似てて最高気温28℃、終日曇りで降水確率は午前中50%午後は15時以降30%。上富良野と中富良野にも美瑛同様午後に晴れマークが出ている。しかし午前中はずっと曇りで降水確率50%、8時に雨マーク。これも美瑛と同じだ。気温は上富良野で最高24℃、中富良野は逆に29℃。上富良野に局地的な何かが予想されているのだと思われる。まあいろいろ可能性を考えてはみても、総合的に不安定っぽい、という結論しか出てこない。
 南富良野町は最高20.5℃、曇りで終日50%。これだと南富良野はかなりのどんよりと思われる。ということは今年も幾寅断念、ということになる。最終日ではあるものの、今日は少なくとも午前中様子見籠城、午後天気が良くなって気が向いたら近場お散歩、というぐらいが関の山だろう。脚はちょっと痛いような気はするものの、体調は上々だとは思う。
 こういう生活も今日が最後、明後日からまた会社に出勤なのだ。と思いつつ部屋から外に出て、美瑛の空を見上げてみる。実際の空も、どんよりと濃い雲が低く垂れ込めている。
 思えば昨日みたいな晴れの日は、天気予報は前日から全く問題無かった。今日のこういう状態は、昨日の晴天の揺り戻しだということはあまり根拠は無い。でも、今日の諦めは着く。台風7号による東京東北の暴風と豪雨を見るに付け、明日の東京便が運休していないのをラッキーと思わねば。いや、それでも明日になるまで油断はできない。
 6時にもう一度外に出てみると、空はそれ程薄暗くないものの水滴が感じられた。霧雨の薄い状態というかもう少し雨粒の大きい状態というか。そして雨粒には粗密があり、風とともに雨粒が増えたり減ったりしていた。降水確率50%の状態がよく理解できた。これだとやはり外ではあまり行動したくない。
 前日からの天気予報を見ていて出発しようとは思っていなかったが、出発できるように朝食的な物資は仕入れてある。また、出発するときに備えてブランルージュの朝食は予約していない。それでも明日はもう帰京だし、もし今朝出発するとしても上富良野にコンビニがあるので、朝食物資は最低限だ。
 8時を過ぎてブランルージュに予約無しで朝食を食べられるか訪ねに行くと、予約の分でもう残りは無いとのこと。まあいい、このあと昼食と夕食でたっぷり食べよう。

 部屋でごろごろしているうちに雨はすっかり止み、11時頃には辺りが明るくなってきたようだった。出発できるかと思い、ちゃちゃっとコースを描いてGPSに移す。
 早めの昼食を食べにブランルージュに向かうと、早くも満席になっていて順番待ちのお客さんが5組ぐらい。

 結局20分ぐらい待ち、テラス席で昼食を終えたのが12時過ぎ。

 12:50、ポテトの丘発。

 これまで一度も脚を踏み入れたことが無い、美瑛西側山裾の五陵と美園が、今日の午後だけで行けそうだと思っていた。まずは丘から夕張川の谷へ降り、昨年だるまや食堂の看板を見つけた美田の交差点で美瑛川を渡り、登り返して西側の山裾へ。強めの風とともに雲がどんどん動いてまばらになり、空の中に青い部分が増え始めている。とともに、路上の気温もぐんぐん上がり始めている。ポタのつもりだというのに、美瑛の丘と暑さは、気軽な散策を許してくれないのであった。

 美瑛川からの登りは、早くも10%か12%ぐらいありそうな激坂だ。これが100mぐらい続く筈、などという目論見は、この暑さで吹っ飛んでしまっている。20mぐらい登っちゃ息が切れ、カーブの木陰で息を整えると、頭がくらくらになっているのが自分でよくわかった。ああ、暑い。水をがぶ飲みし、その度息を整えろ、と思う。そうこうする間にも、茂みからゴマフアブやらシロフアブがぶんぶん集まってきやがる。もう面倒で罰が当たろうと何だろうと知ったこっちゃ無く、虫除けのハッカスプレー直撃をお見舞いしとくのが精一杯だ。北見で詰め替えを一杯買っておいて良かった。

 段丘の森から台地上の畑へ進み、辺りが拡がってまだ少し登ると、やっと斜度が一段落した。適当な木陰でもう一休み。

 のろのろ進んでゆく間次第に頭がはっきりし、五陵には観光客の車が全く来ていないことに気が付いた。最近の美瑛では、乗用車や大型バスの観光客はひらひらパリッとした服装で、このくそ暑いのに汗もかいてなさそうにつるんとした感じの人をよく見かける。そういう人もどんな人も、五陵の路上に全くみられないのだ。そして細道が茂みに囲われて何とも田舎っぽくていい。40年前の美瑛みたいに。

 山裾とはいえ里の一番上手だけあり、畑のちょっとした登り下りはいちいち豪快で厳しい。そういう道を進めば進むほど、道端にも見下ろす展望も、全く知らない風景が次から次へと現れるのが嬉しい。今まで来たことが無かったので当たり前だ。こういう風景を見たくて美瑛に毎年来ていた90年代を思い出し、もっと早くこの辺に来なきゃあいけなかったんだと思う。

 2000年代、私の旅は行程に追われていた。そしていつの間にか、北海道Tourは道を通り過ぎるばかりの旅になっていた。それはそれで、行動範囲と訪問場所を拡大していった、私の一つの時代だった。いつの間にか美瑛でこういう旅ができなくなっていたことを、つくづく思う。

 道が折り返して下り始め、再び辺りは畑から森に替わった。

 谷底へ下ってしまう前に、今度はもう一つの美瑛西側山裾、美園へ登り返す。


 美園の最高地点は380mちょっと。最高地点370mちょっとの五陵と同じぐらいの高さではあるものの、こちらの方が全体的により高い場所に畑が拡がっていて、道はその中に続いている。畑は美瑛らしい拡がりを持ちつつも、やはりこれまで美瑛で私的に見たことが無い風景が展開した。そして遠景には美瑛の丘が十勝岳へ続いて拡がっている。見たことはあってもやはりこの角度から眺めるのは初めての、懐かしくも目新しい不思議な風景だ。

 観光客がいないだけあり、やはり道端の下草や茂みがあまり刈り込まれていない。そして舗装であることをところどころ確認しつつ計画したはずの経路は、その狭間でダートに替わった。まああまり長く続くと思っていない。雲に隠れた陽差しが再び現れるのを待ち、写真を撮るのものんびり感が楽しい。

 下り始めたダート農道は牧場前から森の中へ、途中で舗装に替わって一気に美瑛川の谷へ。登りが厳しいだけあり、下りはブレーキを握りしめるなかなかの下りとなった。

 美瑛川の谷底に降りると、そこは去年通った道道580。もう少し川沿いなりの下りに身を任せ、往路で訪れた五陵の谷間へ。

 段丘を丘に乗り上げてからポテトの丘への帰路には、丘の未済経路を選んでいる。細道を繋いで拡がる畑を辿る道は登り下りが容赦無いものの、のんびり進めば丘から丘へ、やはりこれまで眺めたことが無い美瑛の風景が拡がった。その中に、通ったことがある谷や道を所々に見つけることができた。どこもそんなに遠くないのに。美瑛は全ての道に訪れる価値がある場所だと思った。まあ、そんなことができるのは、いつになるかはわからない。今その時その時で、可能な限り楽しむことの方がずっと大切なんだろうな。

 16:05、ポテトの丘着。宿主さんから、2025年2月で宿を仕舞うとのお話があった。2011年以来、私にとって美瑛の、ポテトの丘時代とも言える時期が終わることになる。最近はこういう旅の一区切りが多い。私そのものが59歳、まあ歳取ったよなと思う。

 翌朝の輪行に備えて部屋で自転車を輪行解体。夕食ブランルージュの大好物メニュー、鶏のキャベツ煮も、コテージに戻った後のカンタンの響きも心に染みた。町の方からなのか、農業祭りの重低音が響いていた。

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 翌朝は厚めの雲が低く垂れ込める曇り。予約しておいた美瑛ハイヤーが7時半に来てくれた。丘の細道をトリッキーにエクセレントに渡り歩き、旭川盆地の外れに降り、旭川空港へ。

記 2025/2/2

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Last Update 2025/2/3
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