北海道Tour24#10
2024/8/14(水)中川→鬼志別

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 

 静かな静かなホテルの部屋でいつものように4時の目覚ましが鳴った。早速チェックした天気予報は、昨日より具体的になっていた。

 稚内市、猿払町で曇りから12時以降雨、降水確率70%、最高気温は19〜20℃。中川町と幌延町では曇り、降水確率30〜40%。中川町の最高気温は28℃、豊富町で25℃。一見内陸では走れそうに思えるのが危ないところだ。2020年、こういう天気予報を信じて走り始めたら、結局丘陵の中では霧雨以上の質の悪い雨だったことがあった。いくら学習能力が無くても、私はまだそれを忘れていない。
 外を見ると、とっぷりと低い霧で路面はぬらぬら、水たまりに雨滴が認められる。これが天気予報での曇り降水確率30%の実態だ。こういう状況に鑑み、今日は全く躊躇無く輪行できる。

 
発着地点 パターン1 パターン2 パターン3
摩周発
 
 JR
 釧網本線
 
網走着
8:00

網走行
4726D

09:49
10:10
網走行
3728D
快速
摩周しれとこ
11:53
15:30

網走行
4730D

17:17
網走発
 
 JR
 石北本線
 
北見着
北見発
 
生田原着
10:19

遠軽行
4658D

11:18
11:37

12:23
12:37

旭川行
大雪4


13:26
13:27

14:05
17:26

札幌行
オホーツク


18:15
18:16

18:54

 輪行経路は稚内・宗谷岬経由の国道238時計回り。時刻パターンとしては天塩中川09:47→15:21さるふつ公園で行こうと思っている。天塩中川発06:12発でも十分可能だが、さるふつ公園11:31着がちょっと無駄に早すぎる。
 だからホテルの出発は極端な話8時半過ぎだっていい。しかし今朝は、朝食を予約していない。ホテルの朝食もなかなか魅力的ではあるが、中川駅前のQマートでカップ麺か何か仕入れて、朝の無人駅でのんびり過ごしたかった。旅が程良く旅っぽく、自分だけの時間になるみたいに思えるからだ。中川駅は比較的新しい建物だというのに、そういう気分でのんびり静かに過ごすのに向いている渋めの木造駅舎だし、こういう駅は関東地方にはもうほとんど無くなってしまっている。

 

 夜明けに降っていた雨が止んだ。行けると思って自転車を外に出したら、再び雨が降り始めたので少し待って、6:20、ポンピラアクアリズイング発。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 5分ぐらいで天塩中川に到着、大変気楽である。

 

 自転車の解体が終わったら、自転車とともに待合室で待機とする。しばらくすると、2t車が駅前に停まって運転手さんが発泡スチロール箱を待合室隣の展示室(みたいな部屋)に入れ始めた。眺めていると、箱の中身は鯛やら鯖やら色とりどりのお魚であり、お魚を並べ終わる途中からお客さんがやって来た。移動お魚屋さんが、無人駅の待合室で営業しているのである。お客さんがいないときには大きな魚を裁いたりしていて準備しているし、干物も美味しそうだ。見るからに生きの良さそうな魚を眺めるにつけ、ここで魚を買わないのはもったいないと思う。残念ながら今の私は、輪行中とはいえ自転車ツーリング中。

   RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 9時にQマートが開いた。もう列車まで1時間足らず、カップ麺を仕入れて天塩中川駅の中でいただいておく。


 09:47天塩中川発。やって来た宗谷本線の各停はキハ54だ。輪行袋が問題無くロングシート前のWC壁に寄せて問題無く置けて、座る席も残っていたというぐらいの混雑度の車内は、鉄だらけである。夏のこの時期ならそれは当たり前だと判っていても、何故だろうと思う位もう鉄一色なのだ。そういう鉄の車内での立ち居振る舞いは、全体としては近年大分大人になってきたとは思う。しかし今回は残念な奴がいた。この霧雨に、走行中窓を開けているのが2〜3名。全開(キハ54は全開でも半開だが)してる奴もいる。しかも自分は雨具を着てやがるのだ。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 等と思っていると、幌延に着くまでに気温が低くなっていることに気が付いた。天気予報では幌延町から北が最高気温が21℃に下がっていたのだが、そのエリアに入ったのだと思った。天気予報が合っているなら、この先猿払村では最高気温19℃、これで雨。やはり今日は輪行で正解だった。
 豪雨で途中だいぶ遅れた去年の宗谷本線と違い、雨でも列車は順調に脚を進めてゆく。大変ありがたいことだと思えるのは、列車が時刻通り動くことの確度が低くなっているからだ。
 廃止が決まって俄然人気(もちろん皮肉)の抜海駅を過ぎ、宗谷丘陵で日本海の波打ち際(沖から利尻は全く見えなかった)を眺め、1207、稚内着。

   RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 次は13:30発の宗谷バス浜頓別行きだ。まず何は無くともバス停の場所を確認しておく。浜頓別行きの1番乗り場は駅表の道沿い、というかターミナルからだと外れの位置なのであった。セイコーマート前なのは、私的にポイントが高い。例え何か買う必要が無くても。

 宗谷バスの待合所で切符を仕入れておく。切符売り場の係の方には、浜頓別行きは宗谷岬まで混むので、13:05の札幌行きが出たら早めに並ぶように教えていただくことができた。ということは札幌行きが停まっている間ぐらいに並び始める必要がある。

 その次は食堂に入ってホタテラーメンをいただく。流石にお昼時、食堂は満員で少し並ぶ必要があったものの、12:30過ぎに問題無く席に着くことができた。ホタテラーメンは塩ラーメンで、出汁が効いていてなかなか美味しい。

 食べ終わったらセイコーマートで明日の朝食ネタを仕入れておき、袋に入れて貰ってバス停へ向かう。バス停には屋根はあるものの、今日の雨には役に立たないぐらいに屋根が小さい。乗り場で待つと雨に濡れるため、仕入れたばかりの物資袋に順番待ちして貰い、自分は軒下で待つことにした。しかし私が復路を置くと、すぐ次に人が来たので驚いた。まだ札幌行きのバスが入っていないのに。

 この分だと混むかなと思っていたら、札幌行きが出発するまでに数名、その後浜頓別行きが入るまでに30人弱ぐらいに増えた。そしてバス乗車後には立つ人も現れるぐらいの混雑となった。宗谷岬・鬼志別ターミナル間のがら空き状態を知る者にとって、オドロキの混雑だ。しかしこういう状況で、地元のお年寄りに席を譲る方が二人も、しかもベテラン旅人っぽい方がいらっしゃったのは心温まる出来事だった。

 私はと言えば心を温めつつもしっかり座席を確保し、座席の脇に輪行袋を置くこともできていた。一連の早め早めの行動は用心深さのお陰であり、こういう用心深さには青函連絡船での座席争いの記憶が大きく影響していると思っている。まあただ、混雑時にそもそもバス輪行は迷惑の上塗であることも思い知ってはいる。
 それでも次の行動に向けて準備は進めていく必要がある。バス乗車中に明日の天気予報をチェック。中頓別まで最高気温は21℃とか19℃、曇り。降水確率は終日30%だが、湿度が80%後半を下らない。今日と同じく、2020年、内陸が全部雨だった時と極めて似ている。南にもう少し下った美深は最高27℃で曇り、降水確率30%。多分仁宇布辺りが、そういう感じの天気予報なのだと思われる。上徳志別から西尾峠は、これだと雨どころかみぞれが降ってもおかしくなさそうだ。曇りで済むかもしれない。でもやはり、危ない橋は渡らないでおこう。明日も輪行決定だ。
 しかし、ホテルさるふつから鬼志別までは走ることにしておく。鬼志別ターミナルからバスに乗れると、稚内を10時台に出発できるのだ。その次は13時台のサロベツになってしまう。中川着の時刻まで考えると「しまう」などと目くじら立てるような差ではないようにも思えるものの、とにかく早く脚を進めておくのに越したことはない。ましてやあの宗谷丘陵、サロベツ原野、天塩川の谷間を経由するのだ。早朝の浜鬼志別で多少雨っぽくても、行っちゃえれば行っちゃうべきだ。

 混雑していたバス車内は、稚内市街で乗客の2/3位(もちろん地元の方)が降り、残った観光客も全て宗谷岬で下車していった。残ったのは3人。

 1521、雨のさるふつ公園着。輪行袋と荷物を担いでうんうん唸りながら駐車場を横断し、ポーチに辿りつく。自転車をロビーに入れ輪行袋のまま置かせていただき、チェックイン。

 
発着地点 パターン1 パターン2 パターン3 パターン4
さるふつ公園発
 枝幸バス
音威子府着
07:26
1便
09:37
11:56
3便
14:25
音威子府発
 JR宗谷本線
幌延着
豊富着
10:41
宗谷
11:46
12:00
15:25
サロベツ1
16:29
16:44
さるふつ公園発
 枝幸バス
鬼志別着
09:35
3便
09:47
鬼志別発
 枝幸バス
稚内着
06:37
1便
08:26
08:00
2便
09:40
10:20
3便
12:04
稚内発
 JR宗谷本線
豊富着
幌延着
10:28
4326D
11:17
13:01
サロベツ4
13:42
13:56
11:34
豊富発
 沿岸バス
幌延発
 
てしお温泉夕映着
11:50
7便
12:20

12:50
14:40
9便
15:10

15:40
17:40
12便
18:09

18:39

 部屋に入った段階で天気予報をチェックしておく。さっきと全く変わっていない。変わっているとも思っていない。この段階で明日の輪行を正式に決定とし、美深→仁宇布のデマンドバスを予約しておく。デマンドバスと言えば、来年以降鬼志別・浜頓別・音威子府方面のバスがデマンドバス化される旨の張り紙がロビーに貼ってあった。「遂に来たか」とは思うものの、さっきの宗谷バスの車内状況を見れば不思議なことじゃない。何とか残してくれて有り難いぐらいだ。来年以降の輪行は気を付ける必要はある。私の旅は、年々厳しくなってゆく。
 風呂の後は浴衣でロビーの輪行袋を開梱、自転車を組立てて17時前。一旦部屋に戻ってからそのまま夕食とする。早めに宿に着いたとは言えやることは多く、意外に余裕が無い。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 夕食はレストランでホタテフライ定食と、仕上にホタテ塩ラーメン。このお盆時期にして、レストランにお客さんが少ないのが少し寂しい気はする。近年の北海道観光客減少が影響していないといいのだが。

記 2025/2/1

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Last Update 2025/2/3
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