北海道Tour17秋#12
2017/9/16 中標津空港→開陽-1

中標津空港→開陽台
(以下#12-2) →開陽  20km  RIDE WITH GPS

赤は本日の経路 濃い灰色は既済経路

 2017年春の四国Tour17でマイルをある程度放出した代わりに、夏の北海道Tourには航空券購入にはマイルを使わなかったので、9月に再び20000マイル(航空券換算26000円分)が貯まるということは、8月の段階でわかってはいた。何故そんなにマイルがすぐ貯まるのかというと、ソラチカカードの科学力は世界一なのだ。また、9月お彼岸3連休に晴れの年間特異日が入っていることも、毎年の恒例だ。
 このため、夏に道東で雨にやられまくっていた時点で実は既に、9月3連休に中標津へ行ったらどうなのか、と思い始めていた。
 そんな贅沢な。たった3連休、交通費が勿体無い。私も最初はそう思っていた。しかしマイルと手持ち株優を使えば、実質の交通費はほぼ片道分の¥2万6千ちょっと。関西や北東北へ新幹線往復するより安く、航空機なので往復移動の時間はむしろ鉄道より短くて済む。つまり、マイルと株優を使う限り、意外にも中標津はそれほど遠くない場所なのだった。
 現地の気象状況については、一昨年の北海道Tour15秋の好印象があった。あまり場所は移動せず中標津に絞って、民宿地平線に連泊。3日間晴れさえすれば、まず間違い無く充実した時間が過ごせるだろう。それならあり得ないほど勿体無い話ではない。
 そんな風に考えていったら、9月の3連休に中標津便を予約するまでにはあまり時間は掛からなかった。

 出発の週、週間天気予報が出た。最初は16(土)〜18(月)まで全て晴れ。当然だよ、年間特異日なんだから、と思っていた。ところが火曜日晩の辺りから、南方の海上に発生した大型の台風18号が日ごとに発達し、九州の手前辺りを迷走した後連休明けに日本列島を直撃るすかもしれない、という話になってきた。まあ、連休明けなら大したことにはならないよ、と思っていた。
 それが、木曜日の朝の予報で本州通過は月曜の午後に変わり、更にその規模がかなりの大型である、と報じられ始めた。台風が通過するのは日本海側、それなら最悪でも羽田便にはそれほどの影響は無いだろう。そもそも北海道に台風が上陸したこと自体、過去殆ど無いんだし。昨年夏は確かに凄いのが来たが、台風の影響がどうなるかなんて、月曜日の午前中に根釧台地でも走った後にでも考えればいいのだ。
 それぐらいに、北海道出発の事前に気になるぐらいの大規模な台風っぽいことは知ってはいた。

 

 ANAの中標津便は1日1便、お昼前の出発で到着は13:55。出発当日の朝に荷積みを始め、朝食を食べて更にのんびりした後おもむろに地元駅を出発すればいい。荷物もフロントとサドルバッグだけ、大変カジュアルな北海道Tourである。毎回こうだといいのにな。

 それなのに、到着してみればそこは純粋に中標津そのものなのだった。私にとって本来中標津は、何日か北海道を旅した後に辿り着く場所だ。それが羽田空港から2時間もかからずに空港に着いて、タラップから通路を歩く外の風景からして、既に中標津まっただ中である。空港内装のあちこちに使われている丸太にも、何だか他の空港には無い牧場っぽさが演出されているようで、いかにも中標津っぽく楽しい。1日1便午後到着でイマイチ不便という理由はあったものの、何故今まで中標津に飛行機で来なかったのか、と痛感させられた。中標津空港それ自体は、1986年に始めて中標津を訪れたときに既に存在はしていた。私の無知と思い込みが、中標津を遠くしていただけの話だ。

 

 輪行袋とサドルバッグを受け取ってポーチへ出ると、午後の強い日差しが照りつけているのが感じられた。皮膚のちりちり感も気温が爽やかなのも、夏と変わらない。トンボが飛び交い、キリギリスも鳴いている。ただ、夏だとこういう状況で必ずやって来るであろうゴマフアブは全くいない。
 やはり間違い無く、来て良かった。中標津周辺を舞台とした「遙かなる山の呼び声」という映画はあるし、中標津が遠い場所というのはそう悪い話ではないのかもしれない。そうでなければ、こんなに嬉しくないだろう。

 などと思いながらてれてれ出発準備をする間にあっという間に時間が経ち、14:40、中標津空港発。
 まずは空港の東を北上、回り込むように開陽方面へ向かうとする。この天気なら眺めは良いだろうから、宿に着く前には開陽台に行っておきたい。というより、なるべく開陽台で時間を過ごしたい。16時頃までに開陽台に着けば、たっぷり景色を楽しんでも宿には日没までには着けるだろう。

中標津空港から開陽台経由で民宿地平線へ 赤は本日の経路
 

 出発してすぐ、道端にラ・レトリが登場。登場というより、今まで何度も脇を通って存在はよくわかっている。中標津に来たばかりだし開陽台にもラ・レトリの売店はあるし、ここに寄ろうと思っていなかっただけだ。しかし流石にこの季節、開陽台のラ・レトリはは営業していないかもしれない。開陽台での飲食があてにできないなら、何か食べられるのはここしかない。と思い、ソフトをいただいてから再び出発。

 空港から北側の山裾へは、直行グリッドのどちら方向へも、基本的に登りである。風景自体は開けているので、風景の中にいる自分としては全く登っているという印象は無い。しかし、明らかに脚が重い。風景と脚の重さが全く結びつかず、微風のような向かい風すら重い。

やっと会えた武佐岳 RICOH GRU GR18.3mm1:2.8

 開けた牧草地では日差しが強く、走っていると汗が出てくる程。何とミズナラの林からエゾゼミの声が聞こえる。しかし、やはりアブの類は全くいない。そして緑豊かではあっても、茂みの所々に紅葉の色付きが現れ始めている。紅葉の色が付いているということは、8℃ぐらいまで気温が下がっているということだ。もう1ヶ月もしたら10月中旬。この地ではいつ雪が降っても不思議じゃないのだ。
 また、日差しはかなり眩しい。言うまでもなく、夏より太陽の位置が低いのだ。牧草地を囲む防風林は言うに及ばず、草原の草や土面のかけらに至るまで、影が風景の彫りを深くしている。そういう景色の中の影や、もともと赤みが強い日差しが、やはり夏とは違う鮮やかな色を風景に加えている。一見草の色自体は夏と変わらないようであっても、これが道東の秋というものなのだ、と思った。

牧草地が鮮やか RICOH GRU GR18.3mm1:2.8

 中標津の秋に浸りつつ、歩みは自然にのろのろになって開陽へ。開陽では神社で秋祭り準備中のようだった。意外と開陽まで時間が掛かっているので、ここは自販機表敬訪問だけに留めておく。

 俣落ではすっかり日差しは傾き始め、カラマツ防風林の高い梢の下を明るく照らし、幹の影を縞々で描いていた。やはり夏には見たことが無い、秋の中標津ならではの風景なのだった。

開陽台登り口手前から見渡す地平線 RICOH GRU GR18.3mm1:2.8 パノラマ合成

 町道北19を登り始めて、開陽台入口へ着いた時点でもう16時前。来てみれば目論見ぎりぎりの時間になってしまっていた。そのまま開陽台入口の坂へ進むと、意外に脚が軽いのに驚かされる。しかも坂は意外に短い。やはり、夏の4サイド装備はけっこう重いのだ、と妙に納得してしまった。

登りも半分過ぎ辺りから隣の丘が見え始める RICOH GRU GR18.3mm1:2.8 パノラマ合成
北海道Tour17秋#12 2017/9/16 開陽台への登り #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA

 結局センターローで登れてしまった程ではあったものの、明日は無理せずインナーにしようとも思った。

北海道Tour17秋#12 2017/9/16 開陽台 駐車場 元々展望広場だった #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA

 開陽台の展望台では、なんとラ・レトリが夏じゃなくても営業中だった。しかも、たまたま外に出てきた店員さんっぽい方に尋ねると、営業時間は夏と変わらないという。さすがは中標津随一の観光地である。いや、本当は開陽台以外も良い場所ばっかりなのは、知ってますよ。
 しかし雲は大きく低めだ。まずは光線状態のいい内に、展望台で根釧台地を眺めておく必要がある。

展望台へ 地平線にもやっと会えた 感動の一瞬 RICOH GRU GR18.3mm1:2.8
雲は多いが大満足の展望 PENTAX K-1 HD PENTAX-D FA15-30mm1:2.8ED SDM WR パノラマ合成
北海道Tour17秋#12 2017/9/16 開陽台 展望台から南側を望む #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA

記 2018/2/11

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Last Update 2020/3/17
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