毎年毎年変わり映え無いみたいな私の北海道Tour。でも今年は出発前から多少変革があった。
まずは日程から。何と今年から、お盆前の金曜日が国民の祝日「山の日」ということになった。現実としては国民の全てが祝日=休日であるという状況にはまだ無いので大変恐縮な話だが、とりあえず私に関しては、ここ数年、お盆休み期間をフルに使った上で更に有給休暇を2日追加し、全11日、走行10日行程を実現できていた。それが有休取得日数はそのままで、行程をまる1日増やせる可能性が出てきたのである。
しかし、金曜日休日がデフォルトだろうが何だろうが、休暇期間をお盆期間+3日とすることが果たして真っ当な会社員として可能なのだろうか(通常お盆期間だけでもちゃんと休むのが大変な方が多いのはわかってるつもりです。すみません)。 そういう大変に高いハードルを越えることができたのは、ワークライフバランス推進という社会的(会社的?)風潮だった。そして休暇申請は、ちょっとした勢いで申請した、ような気もする。
とにかく何かと有り難い条件が重なって、今年の北海道Tourは全12日。考えてみれば、私の旅程は20年近く前の有休+4日パターンに近い規模になりつつある。
出発それ自体にも大きな変革があった。毎年始発の飛行機に乗るために(というより余裕を持ってスムーズに手荷物を預けるために)、都内某所の実家を4時発、自走で都営浅草線東銀座まで向かい、5:14快特羽田空港行きに乗っていた。浅草線の始発が快特羽田空港行きなのは、早朝羽田空港までの需要がけっこうあるのだろう。
それを今年は、都内某所の駅前からからリムジンバスが出発していることを出発直前に知り、試してみた。以前から一般論としてリムジンバスが空港の時間とバス発着場所次第で意外に使えることは知ってはいた。ただ、私が利用してみた所沢・国分寺ともバスが高速から降りてからの経路が長く、更に両駅とも、地元駅までちょっとだけ電車に乗る必要がある。このため空港からの帰路全体としてはやや面倒な選択となり、その後利用することは無かった。
結論から言えば、目からウロコの楽ちんさだった。実家からリムジンバスのバス停までは所要時間1〜2分。実家4時発は変えずに、4時40分には輪行完了、当然バス待ちでは先頭を確保。その後5時前から他の乗客がガラガラケースを転がしてうじゃうじゃ集まり、5:10分台の出発段階ではほぼ満席となったのを、終始涼しい顔で他人事のように眺めていた。何より旅の始めの列の先頭確保は、30年以上前の上野駅急行八甲田自由席の頃から幸先がいいことになっている。
バスの乗客には自転車が3人もいた。もうリムジンバスでも自転車は当たり前のように乗客の一形態となっているようだ。輪行袋の大きさはHPに掲載されている荷物の大きさから若干大きいものの、リムジンバスに自転車を載せたことは過去2回あったし、全ての乗客の荷物がバスに載らない場合は早い者順という記載もあったので、自転車積載に不安は無かった。とは言え、2番目にやってきた地元自転車乗りっぽい方に「自転車載せられますか〜」などと聞いてはみた。念のため。
時刻表によると、バスは20分足らずで空港ターミナルビルに到着する予定だ。たった20分足らずだよ、本当に着くのかよ、と思っていたら、当たり前だがちゃんと5時半過ぎに第2ターミナルに到着。過去最楽でありながら過去最速の空港早着だし、何より手荷物預けに並ぶのが10分もかからないのは大変有り難いことだった。
手荷物カウンターでは、自転車+サイドバッグの荷物が30kgと出て驚いた。去年までは27kgだったはず。今年は望遠ズームレンズで2kg、その他自転車、サイドバッグとも四捨五入が切り上げで合計すると、確かにそういうことになるのかもしれない。
飛行機自体は毎年変わらない釧路エア・ドゥ便。しかし今年の搭乗口はバス搭乗口の500番台ではなく、左右に大きく張り出した搭乗口の片側先端、55番だった。これが世に言う北ウイングという奴か、などと思った。55番はその一番先っぽなのが、またいい。5月の四国ツアーでは、ここの反対側だったことを思い出す。
もはや空弁にもあまりどきどきしなくなっているので、朝食として食べるものを食べ、搭乗まで1時間うとうとするだけだ。窓の外はまだ朝7時前にもかかわらず空が真っ青、その青さは正に真夏そのもの。さすがは37℃予報だ。この日、実際には最高気温38℃だったらしい。
関東平野では筑波山辺りまで快晴だったのが、涸沼が見えてきた辺りから雲が一気に下界を覆った。しかし雲の上は真っ青な空の中、機内も鋭い日差しが差し込んでやや暑い。そんな時に「釧路空港は19℃。東京とは温度差がございます。涼しい釧路をどうぞお楽しみ下さい。」という機長直々のというアナウンスがあった。本当か。毎年8月上旬、私は最高気温19℃という温度の感覚を忘れてしまっている。最高気温29℃ならわかる。空調だって27℃設定なのだし。
着陸目前、雲の中から眼下に現れたのは、去年の着陸時と同じ阿寒の町だった。一昨年までの、太平洋側から直接空港に着陸するルートから、釧路便のコースは変更になったのかもしれない。
9:15、たんちょう釧路空港着陸。到着予定時刻は9:25である。確か飛行機の時刻は離陸着陸基準だったように思う。タラップから降りて時刻通り、ということも多い。だとしても、大体10〜5分ぐらい早着と言っていい。やはり幸先がいい。
機内モードを戻して確認したスマホ天気予報は終日曇り。しかし実態はやや暗めの曇りであるようで、明るく眩しく日差しが暑いほどだった雲の上からは打って変わって薄暗い。しかし今日は雨が降る気はしない。ここまでずっと幸先がいいのだ。何より涼しい空気が無性に嬉しい。
記 2017/9/10