小口→(県道44)滝本
(以上#5-1)
→(県道44)小麦→(県道45)口色川
(以上#5-2)
→(県道43)紀伊勝浦
46km
RIDE WITH GPS
上下に展望が拡がって、農家や畑、田んぼや農協施設、小中学校、そして遠景の山々を見渡し、背景の山を見上げる道が集落の中に続く。いつの間にか標高も260mまで降りてきていた。隠里の滝本から山里を縫って到着したここ口色川では、道の風景が明らかに次の場面に移っていた。
斜面に農家や畑、小学校が賑やかに張り付いた集落の途中で、太地方面から山間を登ってきた県道43に合流。ここまでは、2003年以来ではあったものの、一応過去に訪れている道だった。今日終着の紀伊勝浦までの県道43は、今回始めて訪れる道である。
周囲の山々が見渡せる開けた集落を過ぎると、再び100m程登りへ移行。
山間とは言え拡幅区間が増え、手持ちの古い地形図に比べて新道に移行している区間もあり、次第に海岸の勝浦に近づいていることが実感できた。
嬉しいことにこの期に及んで山中のくねくね細道も再登場。しかし全体的に小綺麗で、さっきの小麦、樫原辺りのワイルドさとはやや肌合いが異なる道である。
10:30、小坂着。道端に神社を見つけたので、境内の木陰で少しおにぎり休憩とする。今日も温度が高くなる時間となっていて、行程上一番の山間は既に通過。直射日光がじりじり暑く、神社境内の木陰がとても涼しい。
集落の中ではもう道幅は広く、軽トラや乗用車が時々通り過ぎて行く。道の外に拡がる景色は相変わらずだが、もう極端な山深さは感じられない。さっきの100m登りで今日の纏まった登りは完了している。行程は、すっかりいい感じの田舎県道ツーリングに移行していた。
小坂の先でも時々道の外側は開けた。振り返ると遠くの山の中腹に集落が展開しているのが見えた。地形図を開いて、あれは大野、じゃああれが篭、と照合。くねくね道をのんびり進んできたが、やはりもう遠くまで進んでいるのだ。
南平野の集落を過ぎると、もうあとは麓への下りとなる。道が広くなったせいか、さっき地図読み間違いに気付いた口色川から意外に早く着けた。まあこれだと普通の時間感覚だ。
▼動画2分31秒 南平野
ゴルフ場などという裁けた物が地形図に載ってはいたものの、その通りに登場するのを他人事のように眺め、どんどん下り続ける。
金山で道が折り返し、谷間へまっしぐら。
10:50、岩本着。道の名前は同じ県道43だが、谷間の道はもうすっかり交通量の多いごく普通の幹線県道だ。
間もなく山が切れて海岸部に到着。紀伊勝浦の町外れで少し迷走して時間を掛けてしまった。
11:05、紀伊勝浦着。途中地図の読み間違いで少しどきどきしたものの、終わってみればまあ余裕の到着だ。真上から照りつける日差しと照り返しの暑さに、5日前の周参見を思い出しつつ自転車を解体、駅前で鮪頬肉のステーキを食べてから、12:24、特急ワイドビュー南紀6で名古屋へ。
JR東海自慢の強力気動車キハ85系のパワーをもってしても、名古屋まで乗車時間4時間弱。その先、名古屋から東京までは新幹線のぞみで2時間掛からないというのもまた驚きだ。新幹線に慣れてしまうと、このワイドビュー南紀も大阪方面への特急くろしおにしても、名古屋・大阪から紀伊半島最南部へは遠く感じられる。のぞみで東京から4時間と言えば、広島まで行ってしまう。
しかし4時間の特急南紀乗車の間には、昨日たっぷり楽しんだ熊野灘の(紀勢本線からはトンネル狭間の)風景、紀伊長島からの三瀬谷越え、第3セクター伊勢鉄道での高速運転、そして松坂駅での駅弁予約など、見所とノルマが山盛りだ。旅の最後を目一杯楽しめた。
▼動画11秒 ワイドビュー南紀6 新鹿通過1
▼動画21秒 新鹿通過2
▼動画8分31秒 紀伊長島発 三瀬谷越えへ
▼動画12分49秒 津発 伊勢鉄道でキハ85爆走(一度減速)
記 2016/6/27