2015/8/15
北海道Tour15#10 大村→美瑛

大村→(農道・町道他)美瑛  5km  RIDE WITH GPS

赤は本日の経路 濃い灰色は既済経路
 

 夜が明けた。低い雲が垂れ込める曇りである。遠景は澄んでいるが、雲は決して薄くはない。何だかとろんとして、いかにも湿っていそうな灰色だ。そして天気予報は悪化している。富良野(麓郷)、南富良野で9時以降雨、降水確率60%。迷うこと無く今日の輪行が決定してしまった。

 荷物を積むために外へ出ると、何だか薄暗くて涼しい。今年の夏ツーリングが終わりつつある、美瑛駅に着いたら行程が終わってしまう、そんな寂しい気持ちにぴったりの天気だ。
 5:55、大村「美瑛ポテトの丘YH」発。走り始めると、美瑛の丘が拡がっている。遠景も比較的よく見える。毎回天気予報は日中晴れとか曇りでも、早朝霧に包まれていることは毎回にある。しかし今朝は、雲が決定的に重い、ように見える。

早朝から美瑛の丘は雲の中 暗くはないが密度が高い、かなあ RICOH GRU GR18.3mm1:2.8

 すぐに美瑛の町に降りてきた。途中新栄〜美馬牛方面への分岐で少し迷ったものの、改めて辺りを眺めると、丘の上の雲がどうしようもなく低く重い。迷わず、いや、少し迷ったが、やはり迷う余地は無く美瑛駅だ。

大村から農道・町道経由で美瑛へ 赤は本日の経路

 6:10、美瑛駅着。
 大変あっけなく駅に着いてしまった。ここで今回の自転車行程が終わるのである。「終わったー」という気持ちはあるが、去年の終着地トマムで感じたようなすかっとした気分ではなく、何だか「まだ美瑛じゃないか、こんなところでこんな時間にこんな形でほんとに自転車を畳むのか」というニュアンスにまみれている。そんな状態だと、輪行も一杯時間が掛かってしまう。
 徒然と過ぎてゆく時間を持て余しつつ、今日の身の振り方について考察してみた。本来、麓郷・北落合訪問と並ぶ旅のもう一つの柱はグルメである。麓郷A-COOPのゆでとうきび、そして幾寅なんぷていのカレーである。どうせこのまま札幌に着いても、明るい内から飲んだくれるだけだろう。ならばせっかくだし、できる範囲でできることをしよう。時刻表を調べてみると、7:20の富良野行きに乗れば上手い具合に幾寅でお昼頃時間が取れ、しかも札幌へ行くのに新得周りの方が速いことがわかった。新得まで行くことができるのだ。麓郷は無理だが、これで行こう。

 7:20、美瑛発。
 普通列車に乗って美馬牛の丘を越え、富良野盆地へ降りてくると、何だか空が晴れてきた。

 上富良野でベベルイ基線方面を眺めてみる。山側の雲は低いものの、本幸辺りの上空は何だか雲が切れているようにも見える。そしてすぐ先の山肌には濃い色の雲が掛かっている。ああいう雲が危ないのだ、今年は。

 しかしよく考えると、普段の美瑛→上富良野→ベベルイ基線訪問時と同じような展開にも思える。今日の雲は少し雨雲っぽいというだけだ。

 

 富良野では乗り換えの間、駅蕎麦「圭子ちゃんの店」で立ち食い蕎麦を戴く。意外にも爽やかに晴れているが、山の向こうに濃いめの色の雲がしっとりたっぷり溜まっているのが見えた。富良野の先の山部でも、麓郷へ向かう谷間の山の間に雲が溜まっていて、麓郷の天気は大体想像が付いた。その先金山で辺りは晴れ始め、かなやま湖外周区間では記憶の中でも晴れている方に推移していった。これなら幾寅到着後、自転車を組み立ててもいいかもしれない。幾寅到着10時過ぎで、組立て完了11時。去年幾寅発は12時過ぎだったので、最後の最後で大逆転、上々の北落合訪問行程が出来上がる。

 しかし幾寅で下車すると、やはり山方面にかなり低い灰色の雲が溜まっているのだった。これだと北落合は無理っぽい。

 今日は朝からうじうじ悩んでいたが、そう間違いはない判断だったかもしれないことが納得できた。何事もやってみて、自分で納得できることは大切だ。そう思うしか無いじゃないか。

 何はともあれ11時まで待ってから、おもむろに駅裏手のなんぷていへ。美味しいなんぷカレーを2杯頂けば、今回の旅程にもう悔いは無い。

 11:54の普通列車で新得へ。
 幾寅、落合から新得へ、根室本線は通称新狩勝峠を越えて十勝の北西減りへ降りてゆく。この間、何と幾寅を出て落合まで完全に日差しが消え、景色が薄暗く寒々しい雰囲気に変わり、新狩勝トンネルを抜けると雨が降っていた。上富良野から富良野、そして幾寅で眺めた雨雲は、決して伊達ではなかったことを、今確信できた。

 新得では折り返しに1時間20分。1983年、初渡道で目指したのがまず新得で、当時は駅寝3連泊で狩勝新線の列車の写真を撮りに来ていた。

 感慨に耽って過去の訪問を思い出していると、2002年に駅近くの店で熊鈴を買い、音が大きいので重宝していることを思い出した。小雨がぱらつく町で、果たして期待通りに予備の鈴を仕入れることができた。
▼動画1分58秒 スーパーおおぞら 新夕張→追分   ▼動画10分2秒 スーパーおおぞら 南千歳出発 欲求不満の110km/h

▼動画4分31秒 千歳離陸   ▼動画10分7秒 羽田着陸

記 2016/1/31

#11へ進む    #9-4へ戻る    北海道Tour15夏 indexへ    北海道Tour indexへ    自転車ツーリングの記録へ    Topへ

Last Update 2020/3/19
ご意見などございましたら、E-Mailにてお寄せ下さい。
Copyright(c) 2002-16 Daisuke Takachi All rights reserved.