赤は今回の経路
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北海道Tour14#0
2014/8/7 新幹線開通前年に思うこと


 再来年3月、北海道新幹線として、東京から新函館まで直通列車が走り始める。これは単に新幹線の運転距離が延びるだけではなく、現在航空機に独占されている北海道への速達アプローチに、鉄道が再び挙手することが可能となるということだ。
 という鉄道シンパ的立場から、まずは飛行機最終・始発便対抗速達便を考えてみる。東京〜新函館4時間半、新函館〜札幌(もちろん)3時間とすると乗り換え込みで8時間。例えば航空機の千歳最終便に乗るための21時後の東京発、始発便千歳到着前の8時前札幌到着というパターンから、それぞれもう1時間短縮してもまだ余裕がある。
 実際には、新幹線の夜間保守、深夜のいちばん非常識な1時〜4時辺りの乗り継ぎ、そして近年のJR北海道の列車運行状態等の問題があり、どうも新函館開通時点ではまだあまり画期的なことにはならないようだ。それでも「新函館の同一ホーム乗り継ぎ(完成間近の写真を見ると難しいかもしれない)」「JR北海道のハイブリッド振子車キハ285系(キハ261系1000番台でお茶を濁すことになったことを最近知りました)で道内各方面へ」「そうでなくても乗り継ぎ在来線はカーペット車増結で(もはや寝台車をとは申しません)」など、妄想は止めどない。あるいはまさかのフリーゲージトレイン寝台車、非電化区間はDF200重連で、なんてのも可能性は…無いだろうなあ。

 

 とりあえず今年の現実としては、8/7の4:00に都内某所を出発。去年までの浜松町発東京モノレールから、今回は京急に変更。都営地下鉄の東銀座で自転車を解体し、5:11始発のAP快特で羽田空港へ。

 5:45、羽田空港着。去年よりほんの少しだけ早い分、手荷物受付の列もだいぶ短かいような気がする。列が短いと待ち時間も少なくて助かる。それでも受付までは10分以上ぐらいはかかるかなと思っていると、「1階の荷物受付が空いています」という放送があった。それっ!と自転車とバッグを抱えてよたよたそちらへ向かうと、確かに待ち時間ゼロで受付を済ませることができた。団体の受付を多客時対応で活用しているらしく、普段ここへ来ても荷物受付はしてもらえないようだ。

 

 かなり得をした気分で出発カウンターの2階に戻ると、さっきの手荷物の列は軽く5倍以上ぐらいには延びてしまっていた。意外に流れは速いものの、ざっと見て30〜40分は待ちそうな雰囲気だ。たかだか7:40の飛行機に乗るために3時半に起きてここまで来たが、やはり早出は欠かせないと思った。

 しかしそれにしても、ずらっと並んだサーフボードや子ども連れの手荷物は大変大きい。航空機にこの荷物が載ることに改めて驚かされる。自転車の輪行袋などかわいいものだが、しかし普通の人から見ると50歩100歩のような気もする。
 これらが鉄道に乗り込むのを、想像することは難しい。私の北海道の場合限定でも、航空機には空港での荷物受付と到着時の受取の手間はあるが、鉄道には中間乗り継ぎの手間(しかも自由席の場合急ぐ必要がある)や少ない手荷物スペースのゴルフ客やがらがらボックスとの早い者勝ち争奪戦、盗難などの可能性がつきまとう。

 似非道民なら、北海道へのアクセスは断然エア・ドゥ便だ。幸い釧路、以前乗った女満別・帯広便とも、始発はエア・ドゥが運行している。そして私の場合、共同運行のANAのマイルと株優利用で、更に似非度が増している。
 搭乗は去年と同じくバス搭乗。霧の影響で千歳着陸の可能性込みなのも去年と同じ。鉄道なら霧程度で千歳から先が運休になるとか考えられない。まああまり心配はしていないものの、3時半起床でこんなことを言われるくらいなら、やはり北海道新幹線は大いに頼りになるのかもしれない。

 いや、でもその分昨夜はかなり楽できているのを忘れてはいないか。休暇前夜にゆっくり眠れる安堵感は、飛行機アプローチならではの世界だ。これを一度、いや、もう数年間どっぷり浸かってしまった今、もはや一晩座席車で北海道なんて不可能だ。それにソラチカカードのマイルに渋谷某店(某○○さんありがとうございます)の株優で、今年は北海道への往復(しかも往路は釧路)が総額\18000しかかかっていない。鉄道利用の半額以下、いや、約1/3なのである。私の場合、北海道新幹線札幌開通ぐらいの劇的変化が起こらないと、今後北海道へ向かうのに鉄道を使う可能性は殆ど無いのではないか。

 妄想したり居眠りしているうちに空中の時間は過ぎ、着陸態勢のアナウンスが流れ、かなり厚く濃い雲を突き破ってエア・ドゥ便は無事釧路空港に定時の9:20着陸。太平洋は鉛色で、海岸も丘陵の森も牧草地もどんよりと灰色だ。滑走路は乾いていたものの、所々に水たまりがみられた。或いは少し前に雨が上がったばかりなのかもしれない。

 いつものようにポーチのバス停近くの定位置で輪行作業していると、雨が激しく降ったり、またぴたっと止んだりした。なんだ、これだと去年と全く変わらない。また今年も雨の道東輪行三昧の日々になるのか。
 愕然としていると、係員らしき方に声を掛けられた。何でも昨年秋、ポーチの外れにサイクリングツアーサポートステーションが設けられたので、「ぜひともご利用下さい」とのこと。確かに指さされた方向に、木造っぽいあずまやが見えた。5空港共同の試みで、空気入れもあるらしい。ぜひとも利用せねば。

 

 ある程度自転車と荷物が形になったところで指さされた方へ足を向けると、小屋の中には確かに自転車掛けとフロアポンプが置いてあった。しかし置いてあるのはそれだけで、中には腰掛けすらない。それに軒が狭くて雨が吹き込みやすいらしく、あまり風は吹いていないのに小屋の中はしっとり濡れていて、あまり落ち着けそうな雰囲気ではない。ツアーサポートたるもの、せめて水ぐらいは飲ませてくれ。
 仕方無いのは理解できる。雨が吹き込まないように既存のポーチと軒をつなげたり、雨が吹き込まないように屋根を大きくして床面積10u以上になってしまえば建築確認申請(大変なんです)が必要になるし、給水栓も自販機電源も母屋の辺りから延々と配管工事が必要となるかもしれない。こちらだってたかだか輪行程度で、そんなに大げさな話にするつもりもない。ちょっと現実が物足りないだけだ。

 

 とぼとぼ元の場所に引き返し、今年は「水を1滴も使っていないプレミアム」ソフトには目もくれず、1.5lペットボトル給水やら日焼け留め塗りにムシペール散布やら出発前の最後の仕上げを整えていると、一つ向こうの柱で出発準備をされていた、BikeFryday乗りの方からから声を掛けられた。高地Netを読んで下さっていて、自転車と装備で私だとわかった、今日ははこれから阿寒へ向かうとのこと。
 標茶、中標津の天気予報はこれから雨が上がって昼からは曇り。阿寒へ向かうその方に、「いやー、予報だともうこの雨は止む傾向ですから」などと口走ってしまったが、お別れした後で、私の向かう中標津と阿寒方面がほぼ反対であることに気が付いた。しかも阿寒は山方面。しまったと思ったが、後の祭りなのだった。

記 2014/10/5

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Last Update 2015/3/29
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