茅野→(県道192)栗沢橋→(県道188)中沢
→(市道)唐沢鉱泉分岐→桜平
(以上#1-1)
→夏沢鉱泉→オーレン小屋
25km
唐突に行く手に狭めの駐車場と、次いで横棒1本の簡易ゲートが現れ、13:00、桜平到着。急に辺りが開けて空にも青空が再登場。
山肌を巻いていた道は突如沼郎兵衛沢の谷底へ急降下。たかだか10〜20mとは思いますが、何だか勿体無いなあと思いながらこちらも道なりに降りていきます。
沼郎兵衛沢には木橋が掛かっています。夏沢鉱泉までの道のりで、ここが区切りの良い印象があったので、ここで少し休憩。
さっきの唐沢鉱泉も肌寒かったですが、こちらはより標高が上がって谷の奥、しかもまた日が陰ってきて、トリプルパンチ。じっとしているとどんどん身体が冷えてきます。というわけで、あまり長居せずに13:25、再び出発。確か夏沢鉱泉までもうひと登りです。
ダートであるのみならず、今までにも増して坂は急になってきました。もはや3人とも押し体制でのんびり進んでいきます。
14:00、夏沢鉱泉着。
今日の宿のオーレン小屋までここから1時間。そうでなくてもここまでここの温泉を楽しみに登ってきたので、一同迷うことなく温泉に入ることにします。素朴で小さな湯船のお湯がとても温かく、窓を開ければさっきまでの冷たい外気がひんやり気持ち良く、あーいい温泉です。
玄関を入ってから浴室まで、ずっと木造の雰囲気がしっとりと何とも居心地良く、このままここで泊まっていきたくなりますが、心を鬼にして温泉を上がります。
食堂では待ちに待った遅めの昼食に。やはりここで何か食べようと思って、ここまであまり補給を取っていません。15:00、夏沢鉱泉発。
夏沢鉱泉から先は、更に斜度が厳しくなります。道も細くなって山道1歩手前。
押すというより、押し上げるというか引っ張り上げるというか、とにかくそんな感じです。
ところどころではウォッシュボードや大きな岩もあり、担いだ方が手っ取り早い箇所も。
気温は更に低くなっているはずですが、登り&自転車押し上げで結構汗をかいていて、全然寒さを感じません。
こういう状況をお二人とも楽しんで下さっているのが、幹事としてはとても励みになります。普通山サイというと、サイクリングとしてはかなりイレギュラーな激しい印象があるのですが、何と今日はひたすら和やかで楽しいサイクリングになっています。
この夏沢峠への道、のんびりと余裕さえあればとても楽しい道だと言うことを、実感します。
オーレン小屋まで最後の区間は、木漏れ日差し込む針葉樹の中の道。ここまで勢いを付けて何とか押したり引っ張ったりして登ってきたのですが、なんとここへ来て道がほぼ平坦なのです。
緑の光が包む森、苔生す足下の岩。とても柔らかい雰囲気の中の細道。天国に自転車道があるとすれば、きっとこんな道なのかもしれない、と思わせられるような素晴らしさです。NUTSさんもatsさんももちろんワタクシも、ここで自転車の写真撮りまくりで、オーレン小屋到着目前にしてしばらく足が停まります。
アングルを整えたり自転車の向きや角度を変えて写真を撮りまくっていると、にこにこと登ってきたおじさんに「今日はどこまで行くの〜」なんて聞かれ、上機嫌で「オーレン小屋でーす」等と答えます。が、後でその方とオーレン小屋で再会。何と宿主さんだったのでした。
もうそのすぐ先で木立の中に屋根の色が見えてきました。16:20、オーレン小屋着。
夕食は18:30からとのこと、まだ余裕たっぷりです。とりあえず何は無くとも待望の檜風呂へ。ここの檜風呂、なかなか大きく雰囲気が良いのです。
ここまでの押し上げでだいぶ身体は熱くなっていたので寒さがほとんど気になりませんでしたが、実はもう秋としては、というより東京の真冬日中でも寒いぐらいの気温です。身体の隅々はけっこう冷えていて、そんなことを改めて感じつつ湯加減ばっちりのお湯に浸かって「ふーっ」などとため息をつき、もう早くも最高です。
お風呂にたっぷり(当社比)入った後でも外はまだまだ明るく、やはりここまで楽しみにしていた外のテーブル席(?)でとりあえず3人でビール&ワインに。冷えたビールは売り切れらしく、常温ビールですが、いやいや必要最低限ぐらいには冷えていて、次第にガスが濃くなって暗くなってゆく空など眺め、今日の行程や明日の予定など話しながら、お風呂で温めた身体をまた適度に冷まします。いやー、またもや良い気分。
夕食はオーレン小屋名物、桜鍋。その実態はやや味濃いめの馬肉のすき焼きです。ここまで登ってきた身体には、その濃いめの味付けが何ともばっちり。けっこう量も多めだったにも拘わらず、というより前回一人で来たときは量的に一杯一杯だったような。ところが、今回は3人で一気にこの鍋を平らげてしまい、過不足無しのぴったりで大満足。そもそもこの山奥で、これだけの料理が食べられることがとてもウレシク幸せです。
夕食後は再び外のテーブルへ。もはや外気温は東京の真冬の最低気温ぐらいにはなっていたようで、未だに到着する宿泊客の息は真っ白。しかし、登ってきた人の中には半袖Tシャツ&半ズボンの人もいて、ちょっとびっくりもしました。
次第に冷えてゆく夜の帳の中、頭上すぐ上を高速で過ぎてゆくガスに明日の天気がちょっと危ぶまれますが、まあ予報は晴れ。山の天気はこんなもんかもしれません。とりあえず、ビールにワインで食後の1杯に。折角なので今できることを楽しんでしまえる気分になれれば、いやー、最高に良い気分です。しんしん身体が冷えてきたところで撤収、明日のことはもうあまり気にせず、布団に潜り込んだのでした。
記 2010/1/9