信濃大町→扇沢→黒部ダム→黒部湖→黒部ダム→扇沢
(以下#2)
→(県道45)鹿島大橋→(市道他)北村
→(国道148)柳場→(県道324・国道148)神城
→(村道他・県道33)平川橋→(村道他)切久保
40km
FCYCLE「秋の信州ラン(新蕎麦付き)」、初日アプローチは黒部の太陽ポタ。
往路の松本で途中下車、文庫版「黒部の太陽」など入手しておき、完璧を期します。松本駅では他にも以前から噂には聞いていた1番線奥の駅蕎麦へ。ここが噂通りに手打ち蕎麦&専用釜の本格派。香りと歯切れと腰抜群の蕎麦に、蕎麦湯も濃厚。店構えだけは立ち食いの駅蕎麦、という凄いお店でした。さすが松本。
雲一つ無い期待以上のど晴天の下、NUTSさんtakiさんとバス輪行で10:45、信濃大町発。まずは立山黒部アルペンルート、扇沢駅へ。
扇沢到着目前、バスも全身を震わせる激坂におののき、トロリーバス待ちの間にダムカレーに舌鼓を打ち(露骨なレトルトカレーでしたがとりあえず満足)ます。
1130、扇沢発。関電トロリーバスで「黒部の太陽」の舞台となった関電トンネルへ。
その長さ、狭小断面や急角度のカーブ、トロリーバスの(バス+鉄道)/2みたいに独特の乗り味を味いつつ、最大の山場「破砕帯」は先人の偉業を忍びつつもあきれる程さくっと通過。本来はこここそが「黒部の太陽」の舞台なので、タイトルだけは早くも達成できたことになります。
到着した黒部ダム駅では、まずはさんぽさん情報に従ってレストハウス/ダム方面ではなく内蔵助沢方面へ。トンネルの外に登場したのは、黒部峡谷の険しい岩山、山肌に張り付く木々、上下にすかっと開けた空間、そして青い空でした。
青空の下の紅葉の峡谷は、穏やかでぽかぽかの日差しでやや穏やかな表情でしたが、景色、空間全体に漂う清らかで浮世離れしてどこか厳しい表情は秘境そのもの。
「日本にこんなところがあるのか」と思ってしまうワタクシでした。
その険しい黒部峡谷と、コンクリートの塊(としか言いようが無い)の黒四ダムは、同様にどこか厳しさが漂う独特の表情で奇妙な一体感を醸していました。
人工物もここまで迫力があると、自然と一体化するのでした。
建築家池辺陽さんの、「古典建築の美しさは美を追求した結果ではなく、その時代の技術、社会の力を建築家が最大に引き出した結果である」という言葉を思い出します。
黒部峡谷側から黒四ダムと観光放流を眺めた後、ダム堤には思いがけず何とか裏側から到着。その次はふぉっとダムにチャレンジしますが、何と故障放置中。しかし、そんなことに落ち込んでいられないタイトなスケジュールが組まれてしまっています。我々は粛々と次の予定、遊覧船ガルベ乗り場へ。
遊覧船のガルベで眺める黒部湖上流側6kmに渡る景色も、同じく清らかで浮世離れしてどこか厳しい表情。
何だかかなり奥地に来てしまったという印象でした。
その遊覧船終盤、自動アナウンスで説明されるままに見上げる紅葉の立山、その中腹へロープウェイが行き来しています。
遊覧船を下りてロープウェイに乗れば、あんなところまで行けるのか。きっと今日の天気なら最高の景色だろうな。信濃大町から白馬まで輪行すれば、宿の夕食だって温泉だって間に合うに違いない。
激しい葛藤の後、お2人に相談してみると、「いいですよ」とのこと。どうしよう、行くしかありません。幸い黒部湖駅に着くと、次のケーブルカー発車は5分後のこと。ついてるぞ、最高に効率がいい。と思ったところで気がつきました。え、ロープウェイじゃないのか。よく見てみると、地下ケーブルカーで登った後、乗り継ぎで初めてロープウェイに乗れるのでした。
まあいい。早く切符を買わねば。というところで値段を見ると、約¥3300。ということは、扇沢から信濃大町まで乗ると、¥5000近くになります。一方、計画段階でやたらタイトになってしまった行程のため、あまり考え込むわけにもいきません。結局大人の判断で、立山ロープウェイは諦めたのでした。
でもソフトはちゃんと食べ、慰霊碑は(ささっとでしたが)見学した後で最短の帰りのトロリーバスには乗れました。
記 2009/11/1