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13:40、松崎発。県道121を内陸へ向かうと、青空の下に暖かい日差しが里山を照らしている。道ばたのそこかしこに桜、梅、菜の花が目立って、何とも賑やかだ。
岩科川の小橋から岩科南側へ入り込むと、やはり集落に春の花が一杯だ。
ぐいぐいっとこの手の集落細道にありがちな急坂が続き、すぐにさっきの121の谷を見下ろせるぐらい高度が上がる。
その道の途中、桜、梅、草花の競演をしばらく見物。何とミツバチまで飛んでいる。
もう14時。この先の時間を考えると、休みを考えないで下田着16時半くらいか。良い時間ではないか。この先急いでも、あまり距離は稼げないということだ。下賀茂辺りでは、きっと桜が満開だろう。なら、暖かい春の景色の中をのんびりしよう。
更に森の中を登り、北斜面から西斜面のミカン畑・広葉樹林の道を進む。
雲見辺りの丸い山が午後の赤い光の中で、青い空の中にぽこぽこ盛り上がっているのが見渡せた。
その向こうの空は真っ青だが、意外にも遠景は霞み気味だ。朝見た駿河湾の向こうの南アルプスが霞んでいたのを思い出す。
国道136を少し掠め、天神原から今度は青野川の谷へ。
15:10、蛇石着。
辺りには梅が一杯。市之瀬、下小野とのどかな農村をどんどん下る。道を挟むそう広くない谷間には、やはり菜の花が、低山の裾には梅の花が一杯だ。
下りきって石井から入り込んだ青野川沿いの土手の道には、下賀茂温泉のお客さんか、この時間になっても桜見物の散歩客が多い。
概ね5分咲きぐらいの桜の下をのんびり流しつつ、何だ、これぐらいだったら来週でも良かったんじゃないか、と思った。まあしかし、訪問の目的は十二分に達成されたと言えた。
こうなるともう全く足を動かす気にならない。青野川沿いにのんびりと下り、最後に日野の菜の花畑でちょっと座り込んで菜の花を見物。一面に拡がった黄色の菜の花畑が今年も圧巻だ。歩けるようになっている菜の花畑を観光客が歩き回るため、目の前まで人がやってくるが、そんなことは気にもならない。
16:15、日野発。
最後は国道136で下田へ直行、16:45、下田着。
いつの間にか夕方が遅くなっていて、下田17時発の特急踊り子の車窓風景がまだまだほわんと明るい。そんな夕方の光にも、春の雰囲気が漂っている。
それは良いが、下田で駅弁を買い損ねたのが運の尽き。何とこの列車、東京まで3時間車内販売が無かったのであった。
記 2006.3/2