2005.4/3 玉川上水ポタ05 #1 |
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四谷大木戸門→新宿駅南口→山手通り交差点 |
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毎年の玉川上水ポタは晩秋を狙って開催していました。この季節の玉川上水沿道は、色づいた広葉樹に、たっぷり溜まった地道の落ち葉で、とても住宅地の中の道とは思えません。しかし、実はそれは昔ながらの武蔵野の風景であり、四谷から羽村まで50kmもの距離を一貫して辿れることから、毎回の玉川上水ポタは非常に好評でした。
ところが、2004年の玉川上水ポタは、雨天で延期になってしまいました。その後1月に再延期してから、いっそのこと桜の季節に開催すれば、沿道に一杯の桜の下を1日中走れることに気が付きました。
例年の開花時期に合わせたつもりの日程は気象庁の開花予報に合わせて更に再延期、満を持して東京の開花予想日の3日後という最高の日程に合わせたつもりでしたが、OFFも近づいた3月下旬、日本列島は数日間強力な寒気に覆われて気温は真冬並みに。この影響で、各地の桜開花は予想より大幅に遅れつつあったのでした。
また、思いがけない寒さに悩んでいたその週、日曜日の天気予報は次第に悪化。まあこの季節天気はころころ変わりますが、大きな周期では何だか晴れるような気もしていたので、そう心配はしていませんでしたが、どうも直前になるにつれ、日曜の天気悪化は夕方以降だということになってきました。
気を揉んで迎えた当日、朝の天気は見事な晴れ。朝陽に染まったオレンジ色の空に「やったぜ」とは思いましたが、その週2度の自転車通勤による偵察では、桜は咲き始めの木が時々見られる程度でした。あとは当日までにどれだけ咲いているか。ほとんど期待はできませんでした。
集合時間定刻、8:30に集合場所の四谷大木戸門に到着。幹事としては失格に近い到着時刻でしたが、いつもの集合場所には誰もいません。辺りをぐるっと回ると、まず最初に必ず回る、四谷三丁目の玉川上水碑近くにみんながいました。さすがわかってらっしゃる。何でも日陰で寒かったのと、あやしいおやじがうろついていたので移動したとのことでした。
というわけで、出発は8:40過ぎ。新宿御苑脇から新宿駅南口の陸橋を越え、甲州街道の裏道へ。
出発からすでにほぼ玉川上水をトレースし続けていますが、幹事説明不足で、「いつになったら玉川上水に辿り着くんだろう」と思っていた方もいらっしゃたようです。すみません。
玉川上水は暗渠にはなっていますが、玉川上水、そして上水に沿って造られた元京王線跡は緑道として整備されています。途中で山手通りを越え、甲州街道と付かず離れずの道を進みます。
笹塚の手前でようやく玉川上水は一度地上に顔を出します。
周囲は草の生えた土手になっていて、その法面の柔らかいシルエットは、「もしかしたらここが一番昔の状態のままの玉川上水なのかもしれない」と思わせられるほど、長い時間を感じさせるようなのんびりした佇まいです。
今日のその土手は明るい陽差しに照らされ、草花が咲き草が青々と茂り、上水の水の中には小魚が暖かそうに泳いでいました。
そのまま代田橋で環7をアンダークロスし、甲州街道に合流します。合流点にはHiSさんが待っていました。
合流点から先、玉川上水は再び暗渠となります。いつも2度の信号で通過に気を揉む井の頭通りの交差点を過ぎ、明大前から先の甲州街道では高井戸の低地を見渡す高台の縁へ。急に開けた開放感にかつての風景、どこまでも拡がる低地の田園、高台の縁を玉川上水が流れている、そんな風景を思わず想像してしまいます。
漸近線のように甲州街道に近づいた玉川上水は、同じく少しづつ甲州街道から離れ、高井戸の住宅地に突入します。上水沿いの細長い公園には桜がびっしり植えられていますが、開花状況はほんとに咲き始め程度。
唐突に住宅地の中から現れる荒玉水道道路と交差、すぐ近くのいなげやで休憩にします。と、そこにはトラぺジウムさんが待っていたのでした。この時点で定刻の到着、9:30。
いなげや着は定刻でしたが、何と肝心のいなげや開店は10時から。確か前回もそうだったような記憶がようやく蘇ってきました。全く自分の学習能力の無さが嫌になりますが、気を取り直して先に進みます。
甲州街道と中央高速が分岐する高井戸で、玉川上水と同じく甲州街道から離れ、今度は中央高速沿いに進みます。中央高速下の柵の中は水道用地になっていて、かつて玉川上水を暗渠化したような土手が見えます。
環八を渡ると、周囲は依然として住宅地ではありますが、急に緑が増えてのどかな雰囲気に。菊川さん、理恵さんと合流、中央高速が左に別れていった辺りで、再び玉川上水は地上に姿を現します。毎度おなじみNHKグラウンド脇では、兎亀観光スポットの一つ、岩田さんの「粗大ゴミ号発祥の地」を見学。
そのまま玉川上水沿いに細い雑木林が続く、久我山・三鷹台・井の頭のダートが始まります。周囲の風景はぐっとのどかになり、明らかに今までの都会の風景とは一線を画するのどかさを感じるように。
地形の起伏を回避して水路を通すため、この辺りから上水はやや蛇行し始めます。水面が地表からぐっと深くなるのは、地形の多少の変化を吸収しているためでしょう。
畑、雑木林に囲まれて水はけの悪い関東ロームのダートが続き、かつての武蔵野を彷彿させるこの辺り。玉川上水のハイライトの一つとも言える風景を見せてくれます。でも、その向こうをよく見ると、依然として住宅地。
道には我々と同じく花見に照準を合わせていたのか、中高年のハイカー風(?)の人が目立つようになりました。まあ、桜が今ひとつで残念なのはお互い様のようで、その分おしゃべりに夢中のようです。
やがて、その皆さんも目指しているであろう井の頭公園に入ります。
10:20、井の頭公園着。少しずつ芽吹き始めているケヤキの木立が、暖かな陽差しに照らされていました。
記 2005.4/16