(以上#1) |
|
山肌に張り付いてぐいぐい下る中津川林道、何度来ても迫力を感じる山々と岩場の切り通しに、しょっちゅう足が停まります。
深く包まれるような濃い森に瑞々しい渓谷と蝉時雨がたっぷり続きます。今回はどういう訳か車やバイクが非常に少なく、tiktikさんとおしゃべりなどしながら、普段よりも粛々と落ち着いて道を楽しめました。
所々では荒々しい岩肌が目を見張るほど。また、道を包むこんもり茂った木々の隙間から、時々緑の生い茂った山々と、すとんと落ち込んだ深い谷が見渡せます。その度に、自分が今いる高さを思い出させられます。
その見下ろす山々は下るにつれ次第に近づき、それが山腹を横に見るようになると、道がどんどん谷に降りているのを意識するようになります。
岩に張り付くような山腹区間が谷の奥でくるっと折り返すと、林道は中津川沿いの谷底を更に下り続けます。谷底とは言えまだまだ下りの急な箇所がありますが、生い茂った緑は時には頭上を覆い尽くし、緑の木漏れ日のダートは何ともたまりません。
また、ここまで下ってくると多少車を見かけるようにはなりましたが、普段より少ない交通量は相変わらず。騒音も砂埃も煽られる心配も無く、またもやつくづく今日来て良かったという気分になりました。
一度は泊まってみたかった王冠の元キャンプ場を過ぎ、こまどり荘の手前で舗装が復活。そのまま中津川を過ぎ、神流川との分岐着は15:15。
何となく空がどんよりと低く暗く湿っぽい雲に、しかも下り方面から覆われ始めていました。ちょっと行く手が不安になりますが、このまま初志貫徹で八丁峠方面へ。
短いトンネルの向こう、垂直の岩壁に挟まれた狭く深い谷間の上空はかなり明るく雨の心配も無くて一安心。
渓谷から鉱山施設が登場する辺りで、林道大滝上野線と分岐します。そっち方面の谷には切り立った岩山が聳えていて、こっちも近いうちに訪問せねば、と思わせられます。
鉱山施設では「廃墟好きなんですよ」というtiktikさんが大喜び。確かにこの埼玉の一番山奥の寂れた鉱山には一種独特の秘密基地みたいな雰囲気があります。
鉱山施設の一番奥から本格的な峠区間へ。
ちょっと長目のつづら折れ2回の後、八丁トンネルを抜け、切り立った山にぽっかり空いた穴から向こう側の空へ放り出されるような、トンネル手前の広場へ到着。この時点で16:40。
ガードレールの外、空の中には夏の山々が拡がっているはずでしたが、今日はちょっと雲っぽく、双子山の迫力有る姿もうっすらシルエットで見えるだけ。
雨の後ではありましたが、最近涸れ気味の湧き水も今日も不発に終わり、とっとと志賀坂峠へ下ります。
尾根から山腹へ、巻いたり折り返したりぐいぐい下りが続き、途中でさっきの八丁峠の休憩所を眺め上げ、志賀坂峠はそのまま通過。
最近双子山にトンネルが出来たらしい西秩父林道への分岐も通過、一気に小鹿野から秩父市へ。
18:30、夕暮れの西武秩父に到着。速攻で接続をチェック、東飯能で八高線との接続が素晴らしい18:40の普通列車へtiktikさんに乗って戴いた後、のんびり自転車を畳み、駅前の蕎麦屋でざるを食したのでした。
爆速のtiktikさん(何とそれでも風邪気味だったとのこと。絶好調のtiktikさんって一体…)が私にペースを合わせてくれたおかげで、西武秩父までおしゃべりしながらのんびり楽しいツーリングが続きました。どうもありがとうございました。
記 2005.6/20