ちょっとひんやりした峠の空気は天国みたいに快適ですが、さすがに下りが続くと冷えそう。1枚着込み、11:25、大弛峠発。
ここから麓の川端下まではダートになります。特に峠直下のつづら折れ数段はガレ度が高く、お目当てのガレガレダートへ突っ込んでゆくtiktikさんを見送ってのんびり下ります。
ガレガレではありますが、新緑色から次第に緑が濃くなる道ばたの木々、ごつごつの岩山や濃い緑の山肌を眺めながら下る道はとても楽しく、しょっちゅう足が停まります。
下るにつれ、道端にはカラマツが目立ち始めます。ちょっと独特の青みの強いその緑色はとても鮮やか。いつもこの道の楽しみになっています。
林道は大小のつづら折れで下り続けます、いつしか路面のガレ具合は次第に収まり、周囲の木々は次第に高く、森の様相を呈するようになります。遙か下に見下ろしていたはずの周囲の山々も、いつのまにか稜線が現れてその山腹から谷間へ入っていき、東股沢を渡ります。
途中から再びエゾハルゼミの蝉時雨が復活。下るにつれ、周囲の森はどんどん深くなります。さっきまであんなに涼しかったのに、気が付くともうけっこう蒸し暑さを感じ始めています。
森の中の細かいつづら折れ区間に突入すると、もうひたすら薄暗い森の中をぐいぐい下り続けます。ここまで来ると林道下りダート区間も残り僅か。
唐突に舗装が復活。森の中のかなり荒れた舗装下りを更に下ります。森はますます深くなり、まるで緑のトンネルのよう。その森が高いカラマツ林になり、そこから放り出されるように現れた西俣沢の林道ゲートで再びtiktikさんと合流。
下りの余韻に浸りながら「いいですねえ〜」と言ってくれるtiktikさん、何とも幹事冥利に尽きます。
林道終点はそこからすぐ先。唐突に道が広くなり、振り返るとさっきまでいた大弛峠が見えます。さっき大弛峠から見下ろせた屋根岩も、高原野菜畑の向こうにごつごつと異様に逞しい姿を現しています。
さすがに標高差1000m以上下ると気温が上がり、わずか1時間前から季節が一つ変わった印象です。
雲はちょっと多いですが、空の青は濃く、高原野菜畑の風景と蝉時雨が何とも夏っぽく感じられます。
その畑の中を川端下から秋山、更に梓山へ進み、いつものコンビニ着は12:50。
ちょっと物資をここで補給して、今度は三国峠へ。集落のすぐ先から、もう峠が見えます。
三国峠への登りは、梢が高く広々としたカラマツ主体の森の中、木洩れ日のだらだら登りが続きます。明るく開放的な森にはまたまた蝉時雨が響き、のんびり楽しい峠道です。
森のだらだら坂が続きますが、途中には高原野菜畑が開けたり、森の樹種が変わったり、あまり退屈しません。木々の間から高原野菜畑や今まで通ってきた梓山方面をが見下ろせたりもします。
三国峠着は14:00。もう一度梓山方面を振り返ってから、余りにも有名な峠の切り通しを抜け、埼玉県側へ。
今までのなだらかな風景から一転、拡がる視界一杯にごつごつと逞しい山々、深く落ち込んだ谷間。こちら側は多少雲は多いようですが、迫力の風景が今回も出迎えてくれました。来て良かった。
記 2005.6/20