硫黄岳山頂から見下ろす爆裂火口壁 恐怖 その下の夏の森はどこまでも深い緑 RICOH GR1 GR28mm1:2.8 CTS200

2005.7/24 夏沢峠 #2-2

オーレン小屋→夏沢峠→硫黄岳(以上#2-1)
→夏沢峠→本沢温泉
(以下#2-3)→(八ヶ岳林道)稲子小屋口→(町道・村道)海尻  27km

硫黄岳から夏沢峠経由で本沢温泉へ 赤は本日の経路

行く先々にハイマツの雄花 濃いピンクがとても鮮やかで可愛らしくて印象的 爆裂火口壁の下に大森林の山裾が拡がる 白い谷は本沢温泉の硫黄原か

 硫黄岳の表示は登山道脇のケルンに張り付けられているが、地図上の表示ではその登山道からちょっと脇に逸れた行き止まりの部分に「硫黄岳」とある。等高線で読める標高もそちらが少し高いようなので、そちらに足を向けてみた。

爆裂火口壁上を歩く 縁がごつごつ

 あまり人が足を向けていないそちらは、さっき見上げた急斜面の上端、エッジの効いた岩の上で、そう広くない道の表面には亀裂やごく小さな陥没が見られた。大きな岩に亀裂が入っているのである。

(確か)横岳方面 見えにくいが通行部分には亀裂が おっかなびっくりで下を覗きに でも全然無理 恐怖の爆裂火口壁上 コバノコゴメグサ

 まあ今すぐ落ちるわけではなさそうが、普通に考えて十分に危険だ。

ハイマツ ヒュッテ夏沢が真下に見える 通行部の大きな亀裂 恐怖… 亀裂部分 なんか見ているだけで崩れそうで心配 早々に退散 コマクサ

 10分ぐらいでおっかなびっくりその岩上の最先端部にたどり着くと、いつの間にか空は雲に覆われ始めていた。

チシマギキョウ ツガザクラ 最先端部到着 この高山部に野鳥が 逆戻り 早く戻りたい そのままケルン脇を通って硫黄岳出発

 またまた頂上に戻り、8:35、硫黄岳発。登りと違い、今度はヒュッテ夏沢を見下ろしながら下ることになる。そのヒュッテ夏沢の屋根はけっこう近くに見え、とても行きに1時間掛かったのが信じられない。

どんどん曇り始めている またもやシナノキンバイ ハイマツ 岩場をどんどん下る 見下ろす本沢温泉方面、佐久方面 何だか自分の高さが信じ難い

 登山道の佐久側は頂上の岩の縁からすかっと落ち込む火口壁になっている。その火口壁が眼下に下り、緑の森と接する辺りに屋根が見えた。あそこが本沢温泉なのだと思った。

本沢温泉も間近に見える 何だか近そう(ほんとはけっこう時間が掛かる) 岩場をどんどん下る 石の道 赤いハイマツの雄花がほんとに可憐 下りは斜度と道の狭さが恐怖 名前不詳

 雲が明らかに増え始めている。茅野側の視界は真っ白に覆われ始めていた。

ヒュッテ夏沢が間近に見えるがここから徒歩20分 さっきの中学生うじゃうじゃ ヒュッテ夏沢から続く森に突入直前 さすがにこれぐらいの斜度じゃないと恐い 再び普通の山道へ ようやく一安心 シャクナゲのすばしこいカミキリ ヒュッテ夏沢到着 中学生達が出発中

 夏沢峠に戻る間、ずっと峠方面からざわめきが聞こえ、小屋前に揃いのジャージ集団が見えていた。さっき登りですれ違った中学生の団体が小屋の前に集結していたのだ。

小屋前でちょっと休憩 硫黄岳から夏沢峠経由で本沢温泉へ 赤は本日の経路
夏沢峠の道標

 私の峠到着とほぼ同時に彼らが本沢温泉方面に下ってしまった後、再び静かになったヒュッテ夏沢前で自転車に再び荷物を積み、さっきのお兄さんにこれから本沢温泉へ向かう旨を伝え、ちょっと休憩して8:30、夏沢峠発。

夏沢峠出発 再び陽が出てきた 山道下り 木々の間に爆裂火口原がちらちら
大きな石がごろごろ

 夏沢峠からの下りはしばらく丸太段や石が多めの急下りで、ほとんど乗車できない。

陽が出ると基本的に陽差しが強力

 森の中の静かな道を押しと担ぎで下り続けるのはなかなかしんどい。

石がでかい 鬱蒼とした薄暗い森 斜度も急 時々見晴らしが

 が、原生林のような森にはやはり鳥の声が響いていて、苔生した幹の木々が迫り来るのも、登ってくる登山者と挨拶を交わすのも楽しい。

日だまりでちょっとニューサイ写真 カラマツ青々 カラマツをもう1枚

 下っている間しばらく下の方から人の声が止まない。明らかにさっきの中学生集団だ。朝のオーレン小屋の中高年団体を見ていても思ったが、まあ団体行動というのもなかなか大変そうではある。

暗い森が続く 非常に長く感じる タイトターンの連続 押し担ぎ主体の下りでしんどい 道もやや荒れ気味 もしかしたら道を間違ってたかも

 緑に包まれた木漏れ陽の細道がシャクナゲのジャングルに変わり、一度周囲が開けてから森の中を下りきると、足下に水が流れるちょっとじめじめした広場に出た。
 広場の端から硫黄臭が漂い始め、草の生えていない砂原の先に「野天風呂」の看板が出現。無断入浴禁止とのこと、この下の本沢温泉でお金を払ってからでないと入浴できないようだ。

周囲が開けて見覚えのある風景登場 外湯の分岐がある辺り この辺湿気で土がずぶずぶ気味 ハクサンシャクナゲ
陽差しが凄く暑い

 仕方ないのでまず本沢温泉まで下ることにしたが、この下りが意外に距離があり、登り返しはつらそうに思えた。

振り返る硫黄岳 爆裂火口原が荒々しい ハクサンシャクナゲのジャングルを下る 本沢温泉到着

 10:25、本沢温泉着。事前に勧められて楽しみにしていた本沢温泉だが、もはやこの時点で野天風呂へ登り返す気は無く、内風呂で済ませることにした。その内風呂はそう広くはなかったものの、やはり山の温泉らしい雰囲気で、水を混ぜたり沸かし直しもしていないという硫黄臭のお湯と共になかなか楽しめた。
 風呂から上がってビールと言いたいところだが、まだ下りがしばらくあるのでここは我慢しなければならない。その代わり、少し腹が減り始めているのでカレーを頼んで中庭のベンチで食べることにした。

内湯 今回はこっちだけで十分満足 硫黄岳から夏沢峠経由で本沢温泉へ 赤は本日の経路
小屋前でおじさんたちが頂上を眺める

 先に中庭にいた登山者と、本沢温泉の親父さんらしい方が真剣に上を見上げている。話を聞くと、頂上で今朝転落事故があったとのことで、救助のヘリコプターが頂上に来たり去ったりしているようだ。斜面が急なので、どうも現場に近づくのが難しいようだ。
 朝頂上に登ったときにはそんな雰囲気は無かった。発見は私が下山を始めた直後ようで、かなりショックである。

※結局死亡事故でした。亡くなられた方のご冥福をお祈りします。

記 2005.7/31

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Last Update 2006.2/8
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