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そろそろ谷が行き詰まりそうな雰囲気が漂い始めた辺りで、待望の千倉林道分岐が登場。
千倉林道はここ2年連続崩落通行止めで通れなかったのが嘘みたいに、キレイに復旧が完了していました。以前よりガードレールが増えたような気もしますが、まあ前向きな復旧維持管理の賜と解釈できます。
モルタル補強の素掘りトンネルを始め、狭く細いくねくねの谷間に細かめの常緑樹林はまさしくジャングル。
緩めの坂のてっぺんでトンネルを抜けると、いよいよ千倉林道のハイライトです。鬱蒼とした杉林を下って竹藪のトンネルに突入、木漏れ日が眩しく、苔生した砂岩がビロードか絨毯みたい。
以前の台風でずたずただった竹林区間も、だいぶ復旧されたようです。時々竹が根こそぎなぎ倒されている箇所もありましたが、かなり落ち着いた表情を取り戻したと言えるでしょう。
竹林の向こうに突如囲いが登場。畑の集落の外れですが、しばらく道は山裾をくねくね進みます。その間、畑や民家が切れると再び竹藪が復活。海岸の丘陵らしく、竹藪の向こうにも竹藪の谷間と鬱蒼とした低山がちらちら見えます。
この道でgenieさんと話題になったのは、くずてつさん1999年主催、南房総衝撃の超名所を辿った、感動の「マニアック南房総OFF」。この千倉林道、毎年通っている畑林道も、このOFFで教えてもらったのでした。ここ2年間崩落が続いて訪れることができなかった千倉林道への、心に残る再訪でした。
千倉林道から畑林道2号線に向かう畑の集落内で、ちょっと気になるものを発見。噂の建設中道路です。
豪快に田圃の中をよぎるこの建設中道路の左側、ぐいーんと曲がって行く方向は畑2号線方面なんです。この道の続きが畑2号線なんてことになると、いかんせん狭い谷間なので旧道を潰してなんてことになってしまいそうです。
もしそうなら、普通測量ぐらいは始まっているはずなのですが、この後通った畑2号線自体にはその痕跡はまだありませんでした。
畑では集落一番奥の行き止まり地点を訪問。たまたま現れた地元のおばさんに確認すると、徒歩20分で川沿いにダムを渡って白浜へ抜けられるとのこと。今度チャレンジしてみようと思います
その後は畑林道2号線へ。鬱蒼とした森の中、しばらくだらだら坂の細道が狭い谷間をくねくね遡ります。林道それ自体は以前と全く変わらず、畑側も名倉側も林道それ自体には工事の気配はありません。
谷間も道も、さっきの千倉林道よりもう少し狭く入り組んで薄暗い印象。ジャングル度はこっちの方が高いかも。
最後に多少ぐいっと登ると、突如お馴染み素掘りトンネルが登場。薄暗い森の中で地層断面がもこもこ盛り上がり、岩と言うより大きな生物の表皮みたい。そこに開いた入口に、ふと2度と帰って来れないんじゃないかなどと思ってしまいます。
勝手な想像に反して短いトンネルを抜けると、砂岩の高い切り通しの下。木漏れ日がきらきらと眩しく、時々頭上の木々を風が音を立てて通り過ぎます。ふと時間を思い出し、時計を見るとやはり順当に時間が過ぎていていい時間になっています。
ますます鬱蒼としたジャングルの急下りを少し下ると、斜面の向こうに突如太平洋が拡がります。午後の陽差しはますます眩しく、南房総も最南端端部の海はますます濃い紺色。何度見ても感動的な、畑林道のハイライトです。
道の駅までは海沿いの町道、紺碧の太平洋を眺めつつ、頭の中はもう刺身だけです。
結局道の駅 潮風王国到着は14時半前。デフォルトの海鮮丼に毎年楽しみなマンボウのお刺身、お任せオプションで頼んでみた金目の煮魚、とても美味しかったですね。
食事の後はおみやげをたんまり買い込みます。今回私も干物を買いましたが、とてもオイシイ干物でした(でも実は北海道産サンマ)。
外へ出ると、信じがたいほど辺りは真っ赤っかに染まっています。こうなると、もうあとは時々ちらちら夕方の寂しい海を眺めつつ、すっかり冷えてきた海岸の町道を千倉へ向かうだけ。
各駅停車の千倉発は16:53。もう秒速で暗くなり始める時間になっていたのでした。
2005年一緒に遊んで頂いた皆さん、思い出をたっぷりありがとうございました。2006年もよろしくお願いします。
記 2005.12/31