峠の先は群馬県、鬱蒼とした森の中の急下り。荒れ気味の路面には落ち葉や杉の枝、しっとりした苔も生え、速度抑え気味でそろそろと下ります。さすがにこちら側は気温が目立って低く、長めの下りで多少薄ら寒さを感じるほど。
道の周囲はあまり開けません。時々見える向かい側の山肌が正面一杯になり、見えなかった谷間が次第に見下ろせるようになるまでしばらくかかりました。最後にようやく集落が開けましたが、逆に取り付きの方がよほど急下りだったのはありがちなパターン。
下りきった青梨からは国道462、通称奥多野街道を神流川沿いに遡ります。
秩父と西上州、二つの高い山に挟まれた狭い谷間には、高く切り立った山に岩の多い川、細長く展開する集落と、荒々しくも清らかな風景が続きます。昔からの定番ツーリングコースだけあり、地元の方がにっこりと挨拶を返してくれるのも楽しく、のんびりと登り基調の道を遡ります。
谷間が狭くなると岩が迫り、少し谷間が拡がれば落ち込んだ谷間に見上げるごつごつした山々、そして旧道では上州らしい小さな民家が並ぶ表情豊かな集落と、とても楽しい道が続きます。
志賀坂峠を越えてきた国道299との合流点、神ヶ原から少し先でいよいよ上野村へ。
谷間にダイナミックな直線基調で作られた国道299から逸れ、またもや旧道主体に平原、尾附と進みます。
いつも気温がぐっと低い上野村は今日もきりっと涼しく、秩父盆地や同じ谷の神流町よりも、目に見えて紅葉が進んでいました。
神流川に近い旧道で紅葉の中を抜けて行くと、赤くなってきた午後の日差しで黄色みの強くなった木漏れ陽の色は一層鮮やか。
神流川の澄んだ水面も所々で青空を映し、山々は青いシルエットに。
14:20、上野村の道の駅で少し休憩しますが、休んでいると多少肌寒さを感じるぐらいの気温です。そろそろ塩ノ沢峠着の時間も気にしないといけない時間にもなってきて、用事が終わればそそくさと出発します。
記 2005.10/24