2005.10/2
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(以上#1) |
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それからも大きく凹凸のある山肌に沿って、程良く開けた登りが続いた。
中腹の道だけあり、谷で渡る沢はとても涼しい。その沢から山肌を巻いて尾根に出ると、行く手の谷を挟んだ目の前の尾根の更に上の方に、これから通る道が更に登っているのが見える、というのが何回かあった。
甲府盆地が狭く絞られる南側へ向かって進んでいるだけあり、標高は上がっているにも係わらず、富士山・甲府盆地方面の展望は、さっきの展望台で見えた程開けたものではなく、むしろ手前の山が迫るようになってきた。
道が下り始めると、間もなく森の中のブラインドコーナーの向こうに唐突に、しかしようやく丸山林道の分岐が現れた。すでに10:50、もう少し早く着きたかったが、まあこんなもんかもしれない。何しろ景色が良すぎた。
森の中をきりきりっと登った後、さっきまでの櫛形山林道の展望が山深く変わったような、程良く開けた道が続く。谷底や、まだ見える富士山を眺めながらじりじり登って行くと、地図通りにつづら折れ区間に突入。
標高1500mを越えると、昼前になってもそよ風が涼しい。ここまで登ってもまだ広葉樹の多い道は、程良く快適である。
やがて近くの山に隠れてようやく富士山が見えなくなり、細かくなったつづら折れを登り切り、11:50、櫛形山方面分岐に到着。少し開けた広場には「標高1730mです」という看板が立っていたが、実際はその先まだほんの少し登りが続いた。
最高地点をひょいと越えると、山肌を巻くような平坦な道となった。
振り返ると、すとんと落ち込む谷を挟み、さっきの櫛形山方面分岐から今通ってきたばかりの最高地点を経由して、こちらへぐるっと道が続いているのがよく見える。櫛形山方面分岐の反対、こちら方向へは、源氏山への道が落ち込んだ谷を囲むように続き、そのまま山肌を通って彼方へ続いている。
少し先から道はぐんぐん下り始めた。広葉樹林の山肌を巻きながら、空の中を下って行く開けた道の周囲は、山また山。
谷間はもはや底が見えにくいぐらいに深く落ち込んでいるが、その谷の先は延々と山が続いている。谷がどこへ向かうのか、地図が無ければ想像も付かない。
途中から、舗装・法面改修工事と共にダート区間が始まった。地図で見ると、最高地点から少し下、大きめのつづら折れ区間に突入したようだ。開けていた周囲はこの辺りから森の中になった。
ダートはそう続かず、舗装路面は復活。しかし、薄暗い森の中の道は、落石や崩落土砂がとても多い。他の林道なら、間違いなく通行止めレベルである。
時々木々も切れ、深く落ち込んだ谷間と、向かいの山々も見え始めた。その山肌には、大々的なモルタル岩面補修と共に、山肌に張り付く道も見えた。もう奈良田かと思ったが、奈良田周辺にはどう考えてもあんな道は記憶に無い。地図を良く見直すと奈良田はまだまだ先で、これから向かう道が山肌に張り付いて豪快に登り返しているのだった。
記 2005.10/13