紀伊半島Tour05 #3
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紀伊田辺→(県道29)平野→(県道209)城垣内 |
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事前の天気予報では、昨日までの日本晴れ・高温から一転、今日は全国で雨になるとのこと。降水確率は和歌山で午前中10%、午後は50%とのこと。今日はもう東京に帰る日なので、例年通り14時ぐらいまでは走れるとしても、海岸線より降水確率の高そうな山方面は危険だろう。ましてやこの辺りは天気予報規準の和歌山市よりだいぶ南なのだ。
と思いながら目が覚めると、空はそんなに暗くない。というより、東半分には雲があるが、西側はちょっとかすみ気味ではあるが青空が拡がっている。
まあそれでも、あまり内陸の山地に踏み込むのは危険だ。幸い事前に最終日用の低山農村巡りコースを考えてあるので、今日はそのコースを辿って午前中いっぱい走れば、串本辺りまでは行けるかもしれない。
ここで列車の時刻をチェックすると、お昼に1本特急くろしおがある。もう少し後には普通列車が各駅に停まり、昼過ぎの白浜始発の特急くろしおに連絡している。特急だと乗車駅が串本などに限られるが、各停なら天気がやばそうなら最寄り駅で打ち切り、なんていう対応も可能だと思った。
コンビニで物資を仕入れ、6:20、紀伊田辺発。
昨日龍神でバス輪行に走らなければ、昨日下ってくる県道29を北上。紀伊半島も田辺まで来ると、さすがに市街地の範囲が広い。高速道路のような国道バイパスもあり、一方で県道自体は中途半端な広さだ。交通量は決して多くないが、しばらく多少落ち着きは悪い。
平野で谷は分岐するが、狭い谷間の方の県道209へ向かう。谷間とは言え目立った川があるわけではなく、畑と農家が拡がり、いかにもこれから坂が始まりそうな雰囲気である。
その谷間の畑が、ほとんど梅畑であることに気が付いた。そういえば田辺の町中には、紀州南高梅の店が何軒かあったのを思い出す。
道は途中から生活道路みたいな狭い道になり、なだらかな丘の斜面をくねくね登ったり下ったりして進んでゆく。見下ろす丘の斜面は、新緑の梅畑が一杯に拡がっている。花の季節はかなり見事だろうと思う。
その梅畑と斜面に建つ農家の石垣がよく似合い、なかなか楽しい細道だ。農家の石垣には、ツツジやその他春の花が咲いていて、これもまた賑やかだ。
斜面を進む道には時々畑の梅・蜜柑や農家の木々、そして集落間の森が覆い被さり、昨日と同じようにふと「緑に染まる」などという言葉を思い出してしまう。
道をくるっと回り込むと、谷間が拡がった。2つ大きな山が谷間を挟んで迫り、その間に集落が拡がる長野に到着。
ここから先、細い道の分岐が何回か続き、かなり地図を見間違いそうだ。もう一度地図を良く見直して、周囲と見比べて行く先を確認する。
ふと空を見上げると、さっきまで時々太陽すら出ていたはずの空に、低い雲が一杯に拡がっているのに気が付いた。これだと天気予報通りである。
今までに輪を掛けて更に細くなる県道209を上野へ向けて登るうち、やはり道を間違ってしまったようで、丘のアップダウンにしちゃ多めの下り後に現れた、何と無く人里っぽい分岐で地図を再確認。結局だいぶ下の上三栖であることが判明。
まあいいや、登り返そう。と思ったところで、ちょっとぱらっと来た。
空を見上げると、案の定雲は更に低くなっている。まだ雨が降り始める雰囲気は無いが、この雲を見てこの先には進みづらい。
というわけで、本日はこれにて終了、紀伊田辺へ戻ることにした。
8:35、紀伊田辺着。輪行作業開始と同時に降り出した雨は一度止んだが、約1時間後に特急くろしおで紀伊田辺を出発するころには本降りになり、くろしお乗車中に大雨になった。途中打ち切りばかりだった今回だが、今日は間違いなく正解だったと思った。
記 2005.5/7